宇都宮市の「子ども政策」
昨晩は仕事上がりで「宇都宮市の『子ども政策』」のお話を聴きに行ってきました。
地域支え合い研究会というところが主催で、市の子ども政策課の方が来て今の宇都宮市でどのような子どもに関する政策が行なわれているのか、ということだったのですが、中でも「子どもの貧困対策」についても話されるとのことで、そこのお話を特に訊きたいと思い参加して来ました。
そもそも結婚しておらず子どももいない、子育て経験全く無しという私が子育ての悩みについてカウンセリングをするのってどうなの?という方も居るんですけど、そこは私のところに来られるお客様の多くはアダルトチルドレンが絡んでおり、そこから我が子への虐待はその不安からカウンセリングに来られるわけです。
そういった方の中にはやはり貧困という問題を抱えている方も居たりして、そういう方のため物理的な支援にどのようなものがあるのかをこちら側で知っておけば、そこを伝えるだけでも少しココロに余裕が出来るかな、という想いもあります。
参加されている方はやはり子どもに関するお仕事をなさっている方や支援されている方などが多かったようで、市の担当者の方も話がうまく、現在の宇都宮市の現状や現在行われている政策、今後の展開まで分かりやすく話して下さったおかげで、私も色々と勉強になりました。
やっぱりそういった場所に「出向く」というのは大事だということを、自分自身でも改めて身に沁みました。
(お客様には「行動しましょう」といつも言っているくせに…)
まあとにかく知らなかったことが多い。
きっと子育ての経験があれば少しは知っていたかも知れませんけど、こんなに私には知らないことがあったのかと思い知りました。
例えば宇都宮って「共働き子育てしやすい街ランキング2022」という調査では、165自治体中5位なんですって。
(前年は2位だったそうで)
日経新聞や日経BP社の調査ですから、まあ間違いはないんだと思うんですけど、宇都宮って子育てしやすい街なのかぁ…なんて思いました。
一方でこれは全国同じ傾向として子供の数は減っているということもありますし、その対策として宇都宮への移住を促進している、というのも知りました。
(最近やけに宇都宮市のTVCMが流れているなぁ…とは思っていたのですが、これもその一環だそうで)
また今年の4月には「子ども家庭センター」というモノが市役所とその支所に窓口が開設されていた、というのも知りませんでした。
これは高齢者における包括支援センターの子ども版、というモノだそうで、担当の方のお話では児童相談所の一歩手前、という位置付けで考えて下さい、とのことでした。
高齢者の支援や介護に関する家族の悩みなどは地域包括センターに相談するのと同じように、子供や子育てに関する悩みから虐待に関することまで、これまで縦割りだったものを横断的に「子ども全般」という形にしたものなんだそうです。
ここには親が行っても良いし、子供が行っても良いし、近所で虐待や貧困が疑われるような家庭があれば、その家庭について伝えに行っても良いし、その家庭の人にこういう窓口があることを知らせても良いし、というように誰もが気軽に訪れられるように出来ているそうです。
これらの情報や取り組みなど全く知りませんでしたし、こういう事を市がやっていることを知っていれば、少なくとも宇都宮市在住のお客様にはこのような情報を伝えられるなぁ、と思いました。
質疑応答ではヤングケアラーやきょうだい、虐待に関する質問も出ていましたが、そこはやはり課題だということも分かりました。
やはり役所が作る政策というのは困っている人がそれぞれの場所や窓口に「行く」必要がある訳ですけど、ヤングケアラーやきょうだい、虐待を受けている子供や虐待をしてしまっている親なんかはそういった場所には行かないし、そもそもそういう窓口があることも知らないだろうし、一方で役所側が積極的に介入することも出来ないし…ということで、そこはひとまず「互助」という形での地域連携に頼むところが現状では大きいとも話されていました。
もちろん学校や教育委員会などとも連携はしているそうで、そういったことが疑われる子供に対しては声掛けはするそうですが、そういう子たちは虐待などを隠しますし、ヤングケアラーやきょうだいと言われてもそれが「当たり前」になっているので自覚もないわけで、そこをどう伝えていくか、どう拾い上げていくかは課題となるとのお話でした。
その意味でいうと市で行われている政策などを周知する方法にも課題はある、とも指摘されました。
よほど用事でもない限り役所のホームページなんて見ないですし、広報を細かく観ている人ってどれだけ居るんでしょう?
(少なくとも私はほとんど見てません)
先ほどのTVCMを始めとして、SNSの利用も始めてはいるそうですがそれにしてもそういった活動が始まっていることすら知らない方が多いことを考えれば、何か根本的に周知、広報の仕方を変える必要もあるのかな、と個人的には感じました。
ただこのような形で行政と民間との対話によって出来るモノもあることが分かって、それによって少しでも救われる親子が増えれば良いし、そこに何かしら力になれたら私も嬉しい、という想いを持ってこれからは少し行政の活動にも目を向けてみようと思いました。
次は鹿沼市と栃木県、かな…