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依存の怖さ

昨日の記事の中で「SNSを観ていたら『#共依存相手募集』などというハッシュタグがあることを知り」と書きました。
主に10代から20代の若い方がこのタグを使っているようだ、とも書いたのですが、何でこんなことが起こっているのかについて、今日は私見も加えて少しお伝えしようと思います。

私のところにカウンセリングに訪れる方の中にも、この年代の方はいらっしゃいます。
多くの方は私のHPを観て頂いてからいらっしゃるので、自分がアダルトチルドレンかも知れないとか、自分には依存傾向があるのかも知れない、とある程度自分自身に付いて振り返っています。

ですが中にはカウンセリングを継続する中で「自分には依存傾向がある」と気付かれる方も居るわけです。

こういう方がいるということはやはり、依存についての情報が少ないためにその危険性についても触れる機会が少ないのか、と考えてしまいます。

昨日も書いた通り、依存は大まか3つに分かれます。

この中でマスコミを含めて一般的に知られている(と思われる)のは「物質依存」のみではないでしょうか?

有名人が薬物で何度も逮捕される、とかアルコール依存などはニュースやワイドショーで流れることがあります。

或いは主に若い子たちのOD(オーバードーズ)も取り上げられることはあります。

少し前、大谷選手の通訳さんの問題で「ギャンブル依存」というのも取り上げられることはありましたが、物質依存に比べて他の依存傾向についてはあまり取り上げられることがありません。

これは何故か?

以前聴いた話なのですが物質依存は直接、その命に直結する問題であるのに対して、他の依存は直接その人の命に関わる頃は無いから、という理由から、というモノです。

確かに物質依存は過剰摂取など、場合によってはそのまま命を落とすこともあります。
アルコール依存は「慢性自殺」などといった呼ばれ方もあるようですし、そこは否定しません。

では他の依存は命には関わらないからそれほど取り上げなくても良いのか、といえば決してそんなことは無いわけです。

むしろ直接命に関わることが無いからこそ、その本人やその家族のつらさや苦しみが長く続くことを考えれば、もっと「依存」そのものの危険性について知らせるべきと考えています。

物質依存はその依存対象が分かりやすく、その治療方法もある程度確立され、また本人にその自覚も促しやすいわけですが、行為依存や関係依存は本人がそれを否定する、認めないといったケースが多く、そのために周囲を含めたその本人を取り巻く人たちも対応に苦労しているのは、カウンセリングの中で感じることです。

また上記のような若い方たちにとってはその依存が自分にとって「必要なモノ」という認識があったり、その依存そのモノで死ぬことは無いことからその危険性を知らず、刹那的な快楽により依存してしまっていることも考えられます

どのような依存であれ、自分の意思でそれを止めることが出来ないところまで来ていればそれは「依存症」という病気です。

今すぐその命に関わることは無くても、その状態で歳を重ねていくのはやがて自らを「死」に向かわせてしまう可能性もあることを知って下さい。

病気とは言っても行為依存や関係依存には、特に効果的な治療法は確立されておらず、病院によっては短期間の入院によってその依存対象から離れさせ、カウンセリングや患者同士でのグループミーティングによってココロの回復をさせていくこともありますが、それでも社会に戻った時にはまた依存を繰り返してしまうこともあります。

もっともそのようなことを行なっている病院も国内には少ないため、それぞれの依存についてNPO等が個別対応しているような状況です。

依存に陥らないためにもその危険性や怖さを正しく伝え、そのような情報を周知・啓蒙していくことが地道ではありますが一番効果的ではないかな、と考えています。

以下は依存傾向の可能性についてのチェックリストになります。
いくつ当てはまれば、ということではなく、一つでも当てはまるようなことがあって、それを自分で意識していなかったり、自覚出来たとしても自分の意思で止めることが出来なければ、依存傾向があると考えて早目に対処されることをお勧めします。

・自分より、家族や親しい人の世話を焼く
・家族や親しい人の考え方や行動に口出ししたり、正そうとしてしまう
・人に頼まれたり、誘われたりしたとき、はっきりと断れない(断るのが怖い)
・他人の問題を自分の問題のように感じる
・自分の悲しみや怒りを、その場で表すのが怖い
・一人の時、寂しくてたまらない
・自分の本音を他人に知られるのが怖い
・自分に必要なものや、自分が本当に望んでいることが分からない
・自分を負け犬、負け組だと思っている
・他人から失望されていると感じる
・人生において、本当に何をしたいのか決めることが出来ない
・自分から進んで友達を作ることが少ない
・他人から「物」や「所有物」のように扱われる
・世話焼きだと言われることがある
・常に寂しさを感じている
・いつも人の顔色をうかがっている
・いつも生きづらさを感じる
・他人が自分のことをどう思ってるのか、とても気になる



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須藤 勝則
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