今日も我が家は「元祖 腐女子」の話し。
私が小学校を卒業する頃に流行った歌がある。
ジャンルとしてはフォーク・ソング?いやフォーク・ロックバンド?J-POP?
どの分類が正しいか分かりませんが私の印象に残っている曲の一つです。
もうすぐ卒業して慣れ親しんだ学校やクラスメートと離れてしまう寂しさからか、🎼あーだから今夜だけは〜と始まる歌詞に共感した初めての曲でした。
チューリップ 「心の旅」
洋楽ではカーペンターズが流行っていてカレンの英語の発音が綺麗と誰かが言っていた。
カーペンターズ 「イェスタデイ・ワンスモア」
新しい学校、クラスメイト、年上の先輩、思春期、初恋。
ますます勉強が分からなくなって、どんどん教室に居る事がつまらなくなっていく、でもたくさんの友人はいた。
その中に私と同じように勉強が苦手で絵の上手な子がいて、何時もその子はノートによく絵を描いていた。
自然と彼女と気が合い、家もそう遠くなくて帰り道が途中まで一緒という事もあり、私達は仲良くなった。
ただ、ちょっと何か?自己陶酔し妄想の中に入るのか?近寄り難い時があり、戸惑う時がありました。
これが現在では中2病と言われるものであったかと思われた。
彼女は私に「漫画」を進めて来た。
私にとって「漫画」は近くの駄菓子屋にあるモンジャ焼きの所にあった梅図かずおさんのオドロオドロしたオバケ漫画や永井豪さんのちょっと子供が見ちゃいけない風の漫画を思い浮かべていた。
その数年前に各都道府県の学校などで「漫画」は悪書としてPTAを中心に学校関係者などで取り上げたものや集めた漫画書籍を学校の校庭で燃やしたりしてそれらがニュースになっていた。
なので「漫画」に対して私は抵抗を感じていたのでした。
しかし、彼女が進めてくれたのは、それらとはまったく違う少女漫画だった。
一気に私ははまってしまったのである。
おそらく週刊少女コミックだったと思うのです。
ちょうど手にした時、竹宮恵子さんの「空が好き」が連載されていた。
14歳の天才詐欺師タグ・パリジャンに心奪われて手助けしてしまう健気なジュネにドキドキしてしまうのでした。
それからまもなく別冊少女コミックの方で萩尾望都さんの「ポーの一族」が始まるのでした。
永遠の命を持った吸血鬼の少年の話は一瞬で私を虜にしたのです。
ルーマニアのバンパネラ伝説を実しやかに本当にバンパネラはいるのかもしれないと思ったのでした。
彼女達の画力の高さ、美しさ、想像を超えて時の流れまで表現されてしまう手法に驚き、凄い人達に出会っている喜びに感動しておりました。
決して少女では無く、少年という微妙な年齢の危うい存在でなければならない登場人物に心奪われたのでした。
その後に刊行されました竹宮恵子さんの「テラへ」や「変奏曲」もまた、なんとも言えない世界観に浸り続けておりました。
「ポーの一族」が終了してしまい、一時ロスのような感じの中におりました時、のちに始まる「トーマの心臓」
それこそ、待ってましたとばかり、飛びつくように買い求め、ドキドキしながらページをめくったのでした。
トーマの陸橋から自殺するシーンから始まる冒頭のシーンは余りにもショッキングで私は「マジで、嘘でしょ⁈」と声を上げてしまった。
しかも、この重要な冒頭シーンを難なく描く事が出来るのが凄いと思いました。
「こんな画像、描いてしまって良いのだろうか?」当時の私はそのページから動け無くなってしまった。
ユリスモールへ最後に
これが僕の愛、これが僕の心臓の音
君には分かっているはず。
と遺書を残され、訳わからず困惑するユーリ。
突然に現れたトーマにそっくりな転校生エーリクに振り回されて、それぞれに成長して行く物語だ。
しかも、周りを彩る登場人物が魅力的でとても大人ぽいオスカーが好きで、彼のスピンオフの話しも大好きでした。
私の中学生活はほとんどこの萩尾望都さんの作品を追いかけるのが中心だったと思える。
彼女は意表つく作品で私をワクワク、ドキドキさせる「イグアナの娘」「11 人いる!」など不思議な作品だったし考えさせられた作品でした。
そして私は彼女が好きなレイ・ブラッドベリのSFを活字の文庫本を初めて読んだのでした。
「11人いる!」は本当に良く出来たSFでした。
1人、1人違う多国籍の集まりがどの様に危機を脱して行くのか?相手の国や文化を受けいれ歩み寄り協力し合わなければ試験に脱落してしまうストーリー・・・
実際、G7や他国の首脳を集めて試験していただきたいです。
私は自分に本や小説など読みものを読みきる自信がなかったのでした。
でも、漫画から書籍が読める様になるのでした。
一概に悪書とは言えないと思うのです。
後にそれらは映画やドラマになりました。
それだけ反響が大きかったのだと思いました。
これだけ多種多様に描ける人はいないと思うのです。
そうそう、私と友人が週刊少女コミックに浸っている時、時を同じくして、週刊マーガレット派の友人達がいて私達は少数派でした。
何故なら週刊マーガレットでは池田理代子さんの「ベルサイユのバラ」が連載されていて大人気でした。
ある時、アンドレとオスカルが死んだ時にクラスの女子がお通夜みたいになった時「何があったの?」とクラスの男子に聞かれて答えるのに困った事がありました。
クラスのほとんどの女子はベルバラファンなのでした。
萩尾望都さんの双子の話しは幾つかあるのですが、私は「アロイス」のお話しが好きでした。
最終的に亡くなってしまった双子の片割れの意識に侵略されてしまうストーリーにサスペンスでスピリチュアルな要素があり、やはりこの作品の冒頭のネムの木の描写が美しくて、ところどころにストーリーテラーの様なネムの木が夏の訪れを感じさせて夏休みへのノスタルジックな思いになるのでした。
また、同じ様な双子のお話しではあるのだが双子ではあるのだが、似ても似つかない姉妹がこちらも同じ様に片割れがいなくなってから同じ顔、体になって正に入れ替わっていく描写がオカルト的でミステリアスなストーリーに脱帽でした。
人の思考の深いところで、もしかしたら乗っ取られているのかも知れないと感じさせる萩尾望都マジックは圧感なのでした。
その後、竹宮恵子さんの「風と木の詩」はちょっと私は読みましたけど、キツかったな、萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」は読み切れませんでした。
元祖腐女子と言ったのは私の息子でした。
もちろん、私もそう思っておりますが、どちらかと言うと「オタク」だと思っているのです。アシカラズ💦