更年期のことが丸ごとわかるBOOK
初潮を迎えたのはいつでしたか?
それから毎月毎月生理がきて・・
妊娠を経て・・
そして、更年期になり、女性ホルモンの存在がいかに大きく、私たちを守っていてくれていたか、身をもって知ることになるんですよね。
まずは、更年期に関するワードの違いを知りましょう
・閉経
最後の生理がきてから1年間生理がないと、その最後の生理をもって閉経したと考えます。一般的には、50歳前後とされていますが、個人差があるので、40歳代で閉経する人や、食生活が変わってきていることから50代後半まで年齢が上がってきている傾向があるようです。
・更年期
その最後の生理を中心に前後5年間の計10年間のことを更年期と呼びます。一般的には45~55歳くらいとされていますが前述のとおり、個人差があります。
「私は更年期なかったわ」という言葉を聞きますが、これは勘違いです。更年期は誰にでも起こることで、正しくは「更年期症状がなかったわ」です。(笑)
・更年期症状
更年期がもとでカラダに表れる症状のことを言います。更年期症状は100種類以上あるとされ、200~300種類あるともされています。
よく聞く症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれる噴き出すような発汗やほてり、それから「イライラ」、「頭痛」や「肩こり・腰痛」、精神的な症状では「不安感」、さらに「不眠」などもあります。
100種類以上ある症状なので、ネットでよく見る症状だけではありません。
・更年期障害
更年期症状が強くでて、日常生活に支障が出るようなことを更年期障害と呼びます。
更年期の始まり
実際には、更年期に入っているかもしれないのに、閉経してみないと更年期の期間がわからない。なんともヘンな感じですよね。
40歳を過ぎて心身に変化を感じたら、更年期と思って知識を得たり対策をしておくで、更年期と共存できると思っています。
更年期は、生理周期が乱れることで気付く人が多いようです。私も病気による不正出血かと思って不安でいっぱいになりましたが、実際には周期が乱れて生理が早く来た、ということが更年期の付き合いの始まりでした。
生理周期はきまぐれのように突然きたり、何ヶ月も来なかったりするので、私はいつも薄いナプキンを下着にあてていました。トイレに行きたくても行けない時ってありますからね。
注意)ナプキンやおりものシートなどの常用は、カンジタ症など蒸れることで発症することがありますので、今なら布ライナー(ナプキン)がいいでしょう。
生理はちゃんと来てるけど、他の症状から更年期を感じる方もいらっしゃいます。汗が止まらない、のぼせるなどのホットフラッシュや、めまいなど明らかな症状を自覚するほか、
「最近、肩こりや腰痛がひどいなぁ・・」
「なんかイライラする・・」
「寝つきが悪くなった気がする・・途中で目が覚めたりするし・・」
「疲れやすいし、だるさがとれない・・」
「老眼かなぁ、物が見づらくなってきた・・」
なんて、なんだか最近ヘンだなぁってことから気付くこともあります。
更年期は、女性ホルモンのアップダウンによって徐々に始まっていくので、「なんか、最近・・」と感じたら更年期だと思った方が良いでしょうね。
更年期の症状
更年期の症状はカラダに出る症状とメンタルに出る症状とに分けられます。
カラダに出る症状として多いのが、ホットフラッシュです。自分の意志とは全く関係なく急にカーッと熱くなり、汗が大量に出て止まらなくなります。
私もホットフラッシュはひどくて、常にハンディフォンとタオルハンカチを持ち歩いていました。
冬でどんなに寒くてもまったく関係なく、打ち合わせ中だろうが、会議中だろうが、カーッとなり出すとどうにもならない。
「ごめんなさい。更年期なんで・・」なんて言えば、たいがいの人は「失礼な人だな」なんて言わないので大丈夫です。
逆に隠そうと焦ると余計に汗がでた経験があるので、今後のためにも話してしまったほうが絶対ラクです。
あと、カラダに出る主な症状は、
・だるい、疲れやすい
・肩こり、首コリ、背中の痛み、腰痛
・疲れ目
・太りやすくなった
・むくみ
・頭痛
・不眠、睡眠トラブル
・めまい
・耳鳴り
・白髪、抜け毛、薄毛
・冷え
・皮膚のかゆみ、乾燥
・動悸、息苦しさ
・手指のこわばり、変形
・手足のしびれ
・粘膜の乾燥(ドライアイ、鼻、のど、口など)
・胃もたれ、胃痛
・食欲不振、吐き気
・下痢、便秘
・腹部膨満感
・関節痛
・頻尿
・膣の乾燥
などです。
メンタルに出る症状は
・イライラ
・落ち込み
・不安
・抗うつ感
あとは
・物忘れ、記憶力の低下
・判断力、集中力の低下
なんてこともあります。
更年期と女性のライフスタイル
更年期症状がでるのは、女性ホルモンの減少だけでなく、背景になる人生の変化も影響します。
お子さんの反抗期や、就職、引っ越し、結婚
それからご夫婦の関係
さらに親御さんとの関係、介護など
男女平等の時代になったとはいえ、まだまだ女性の肩に乗っている荷物は多いようが気がします。
更年期症状が重くなる人の傾向
「私は更年期症状が、なかったわ」という人と、日常生活に支障が出る更年期障害の人の差はなんだと思いますか?
①性格
よく言われているのは、「性格」です。
・真面目
・几帳面
・完璧主義
・こだわりが強い
・神経質
・頑張り屋さん
の方は、重くなりがちです。
②環境
それから、この時期にツラい経験をされると、重くなるようです。
・子供が独立して、心に穴が開く
・親しい人やペットとの死別
・仕事での重責でのストレス
③以前の生活
20代から40代にかけての過去の生活も影響しています。
・規則正しい生活をしていたか
・バランスのよい食事をしていたか
・適度な運動をしていたか
・無月経などのホルモン異常を放置していなかったか
④生理が重い
PMS(月経前症候群)が重い人は更年期症状が出やすい傾向があります。
⑤持って生まれた卵巣の個体差
私たち女性は、胎児のころにすでに200~300万個の原子卵胞(卵子のもと)を卵巣に持っています。思春期までは機能することなく減少していき、初潮を迎えると、毎月5~6個の卵胞が成熟し、その中から選ばれた主席卵胞1個だけが排卵する仕込みがあります。(残りの4~5個の卵胞は消滅します)
こうして閉経のころには300~1000個くらいまで減少します。
この生まれつき持っている卵胞の数で更年期症状に個人差があるとも考えられています。
私は症状が重いから、「私の真面目さがきっといけないんだわ、直さないと・・」なんて思わなくていいんですよ。
私も真面目で几帳面、完璧主義ですが、自分の性格が大好きです。
それが要因の一つではあったかもしれませんが、こうした経験からみなさんにお伝えできていることは有意義なことだったと思っていますし、几帳面で真面目って生きていて気持ちがいいんですよね。
更年期との共存
生理周期の乱れや、カラダの変化から更年期の始まりを知ることが多いと思いますが、この時に見直して欲しいのは今までの生活スタイルや考え方です。
更年期は女性ホルモンのアップダウンによって自分ではコントロールできない自律神経の乱れによって様々な症状に悩まされます。こんな時に、今までと同じように朝から晩まで家事をこなしたり、仕事や人間関係でストレスを溜めこんでいたら、症状は重くなってしまいます。
せっかく、カラダが「変化してるよ~」って教えてくれているのに、無視すると全部、自分に症状として跳ね返ってきてしまうんです。
睡眠時間や食生活、リラックスできる時間、考え方などを、見つめ直してほしいのです。更年期と共存するばかりか、今後の人生にも関わってくる大事なことなのです。
更年期はどうして起こるのか
脳の「視床下部」というコントロールセンターみたいな中心部から卵巣に向かって「女性ホルモンを出してね」と指令が送られます。今まではその指令に従って女性ホルモンが出ていました。
ところが更年期になって40年働いてきた卵巣は、終わりに向けて指令を聞けなくなっています。「いや、ちょっとムリ・・」「いや、何言ってんの、出して!」という押し問答のようなやりとりがあって視床下部は混乱します。
すると、視床下部のコントロール下にある自律神経が乱れ、更年期の様々な症状が出るというわけです。
エストロゲンとイソフラボンの関係
「エクオール」という言葉をきいたことがあるでしょうか。
エクオールとは「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌によって、大豆イソフラボンから作られる成分で、女性ホルモン「エストロゲン」とよく似た働きをします。
大豆イソフラボン + 腸内環境 = エクオール
更年期になり、女性ホルモン「エストロゲン」の減少が起こります。
エストロゲンは増やせないので、代わりにエストロゲンによく似たエクオールを増やしましょう、ということです。
エクオールを作り出す力を私たちは持っています。
ただこの作り出す力「エクオール産生菌」、日本人の中高年では50%の人しか持っていないんです。
20歳前後だと20%の人しかもっていません。食事が欧米化しているからだという研究結果があります。実際に欧米やオーストラリアでは30%前後の人しか持っていないんです。
和食がいいんです。和食が50%保有の理由なんです。
食事の内容で、エクオール産生菌の保有率が変わるんです。
最近の学術発表では、エクオール産生菌は実は97%の人が持っていることがわかりました。ところが、菌が働いているのは22%余り。
菌が働いている人は腸内細菌が多様であると認められた、ということです。
つまり、いかに腸内環境が大事であるかということです。
更年期に間違えやすい病気
年齢が年齢だからって「これは更年期・・」という自己判断は危険です。
実は更年期と診断されるには、他の病気でないことが前提なんです。
検査をして他の病気ではない、では更年期ですね、という流れです。
更年期を疑い出したらぜひ、一度病院へ足を運んでください。
おそらく今まで病気でもない限り婦人科へは行っていないと思います。
この際、婦人科系の検査もしておくと、安心ですね。
そのうえで、更年期と向き合ってほしいのです。
更年期の症状は徐々に変わって現れます。
病気の症状を知っておくだけで、疑う目も持つことができます。
症状が出ない病気もありますので、健康診断は毎年受け、気になることがあればかかりつけ医に相談することも大事なことです。
・甲状腺の病気
甲状腺は、首のまんなか、のどぼとけのすぐ下にある蝶のような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。
この甲状腺ホルモンの働きは、体温、心拍数、自律神経の働きなど新陳代謝をコントロールしています。
通常は、この甲状腺ホルモンの量は、多すぎず少なすぎずのバランスが保たれているんですが、この働きに異常が現れるとそのバランスが崩れてしまいます。多すぎるとバセドウ病、少なすぎると橋本病。
橋本病は女性の10~15人に1人の割合で発症する身近な疾患です。
甲状腺の病気は放っておいて完治する病気ではありません。放っておけばおくほど処置が大変になります。
バセドウ病の症状:異常発汗、動悸、のぼせ、痩せる
橋本病の症状:冷え、無気力、倦怠感、太る
どちらの症状も更年期症状と非常に似ているので、見落としがちですが血液検査でわかります。
他にも以下のようにたくさんあります。
・子宮がん(子宮体がん、子宮頸がん)
症状:月経不順、不正出血
・うつ病
症状:気分の落ち込み、イライラ、食欲低下
・肝機能障害
症状:倦怠感、意欲低下
・貧血
症状:動悸、倦怠感、意欲低下
・高血圧
症状:頭痛
・メニエール病、脳の病気
症状:めまい
・薬の副作用
症状:ホットフラッシュ
・貧血、心臓の病気、バセドウ病
症状:動悸
・関節リウマチ、シェーグレン症候群
症状:関節の痛み、腫れ
エストロゲンの効果
・美肌
・肌の弾力を持つコラーゲンを増やす
・肌の生まれ変わりを促進して保湿力アップ
・がんの予防
・乳がん、子宮がん、卵巣がんの予防
・カルシウムの流出を防ぐ
・適度な運動や日光浴は必要
・悪玉コレステロールを排除
・生活習慣病の予防にも
・脳細胞の働きを活発化
・脳の血流をよくしてくれる
このように今まではこのエストロゲンの恩恵で、私たち女性は守られてきました。
このエストロゲンが減少していく更年期以降、様々な病気のリスクが上がります。
・更年期高血圧 → 動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞
・血糖値が上がりやすい → 糖尿病、網膜症、腎症、神経障害
・コレステロールが上がりやすい → 動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞
・骨粗しょう症
・認知機能低下
・太りやすくなる(肥満、皮下脂肪、内臓脂肪)
・動脈硬化の心配 → 心筋梗塞、脳卒中
・脂質異常症 → 動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞
・筋肉量の低下 → サルコペニア
・冷え → 免疫力の低下
・更年期うつ
・膀胱炎
・不眠
・子宮体がん
・乳がん
・泌尿器、生殖器の委縮症状
終わりに
情報が溢れている今、更年期を不安に思う人には、どの情報が正しいのかわかりませんよね。
ということで、私がまとめてみました。
随時、重要な情報を追加していこうと思います。
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一番大事なことは、巷にあふれている情報が、あなたに合っているかどうかは、あなたにしかわからない、ということです。
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