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9/27 『店長がバカすぎて』を読んだ

自分の勤めている店では購入がはばかられた。オビにコメントを寄せている書店員の方々はどういう気持ちで書いているのか……風通しのいい環境なのかな。自分のところがそうでないというわけでもないけど。
同業種とは言え環境やら何やらも違うので、どこが同じ、ここは違う、これは流石に無いよ~みたいなことを細かくあげつらうのも粋ではない。店の立地や規模によっていろいろ差もあるだろうし。こんなことあるある、というのと、こんなこともあるのか、というのをそれぞれ程よく感じ取って読んでいた。バカな店長の陣頭指揮のもと、書店業界にはびこる問題の数々に立ち向かうような話かと思ったら、書店業界にはびこる問題の数々+店長のバカさに日々耐え抜く話だったのは意外。しかしまあ、一介の契約社員にはそれくらいが精々だし、それくらいでも上々か。
タイトルでここまで振っておるのだから店長もただの無能ではない、それこそ実はすべて演技で無能を装っているのではないかと最初から疑っていたけど、結局判然としなかったな。何考えてるかわからなさが不気味で、あまり可愛らしさというものは感じられなかったが。なまじ業界を知っていて店長職に就いているリアルな人間というのも何人か見てきたから、その経験がジャマをしてフィクションのキャラクターとして店長という存在を許容しかねた。面白いは面白いんだけども。表紙イラストの、絶妙な足の開き幅とか。
大西賢也の正体などもわりと序盤で感づいちゃいたが、竹丸トモヤについては完全にノーマークだったので驚かされた。ただ、こうなると店長が便利過ぎるというか、ボケ倒しでちょっと飛ばし過ぎてる気はする。謎に満ち溢れててもいいけど、それだと最初のバカという評価とはちょっとズレるんじゃないかしら。特別付録の続編前日譚も、謎を盛ればいいってもんじゃないぞ。
あと、マダムの涙の謎も結局よくわからなかった……続編で明らかにされるのだろうか。なんだかんだ気になってしまうというこの感覚こそ、店長への愛憎に近いのか。

今回も登場人物表を作っていたが、加えて登場書籍もピックアップしてみていた。わりと何そのタイトル? というものが多くて、これはこれで面白い。

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