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FF14 自己成長力の高いレイド作り

ゲームが上手な人と上手でない人の間には自己成長力の差があります。与えられた課題をただ解決するだけではなく、効率よく解決できるようにすることが大切です。今回は自分で効率性を高められるメンバーづくりについて話していきます。

1.FF14のレイドコンテンツの仕組み

FF14のレイドは8人のメンバーに役割(タンク、ヒーラー、ダメージ)を割り振り、ボスからのギミック(課題)を解決しながら、自分に与えられたタスクをこなしていくものです。達成難易度が高く、一人がミスをするだけで全滅するので、全員に高い技能が必要であり、そのためには自ら成長する力を養うことを求められます。全員知らない人と行う「野良」と同じメンバーで行う「固定」がありますが、今回は「固定」のメンバーの育て方について話します。

2.自己成長力

自己成長力とは誰かに注入や開発してもらうことなく、自分自身でスキルを高めることができる力のことです。そのために必要なのは①成長意欲②課題解決力です。ゲームだけでなく、チームでプロジェクトを持つ人などにも、この自己成長力は大切です。しかしながら自己成長力自体は阻害される要素があると高まりづらくなります。チームのメンバーの阻害をしないような環境づくりが自己成長力育成においては重要であることは間違いありません。

3.成長意欲

最も大切な要素が意欲です。意欲さえあれば、少しずつでも自らが上達(自己成長力の向上)しようとします。「ゲームは強制的なものではないのでプレイしている時点で、意欲は高いのでは?」と考える人がいらっしゃると思いますが、プレイする意欲(親和動機)とレイドをクリアしようとする意欲(達成動機)は別ものです。野良の場合は達成動機が少ないメンバーをすぐに切り捨てればよいですが、長期的に攻略を目指す固定については、達成動機を高める働きかけをする必要があります。そのために大切なことは「意欲を阻害するような行為をしないこと」です。以下では意欲を阻害するような行為について説明していきます。

(1)指摘

人間は他人から指摘を受けると、無意識の領域において怒りや不安といったストレスを感じます。そのストレスが学習者の成長意欲を阻害する要素(ストレッサー)となります。頭では平気と考えていても、心の奥底では余程の原体験をしていない限りストレスを受けていると考えましょう。しかし、「指摘しないとミスが改善できないのでは?」と考える人は多いと思います。教育者はミスのパターンによって対応を変えることで、ストレスをほぼ与えずに学習させることができます。ミスをするパターンは2つあります。「わからないからできない(陳述記憶的問題)」と「わかるけどできない(非陳述記憶的問題)」です。前者の場合は本人が方法を見つけやすいように非明示的なアプローチ(教える人が分からないふりをする等)によって気づかせてあげればよいですが、後者の場合は本人ができるようになるまで待つ必要があります。特にFF14のレイドコンテンツのような操作が必要となるものは後者の場合が多いので、周りのメンバーは待つことを心がけましょう。自転車が乗れない子どもに対して、何度も「足を回せば進むんだ。」と声をかけても、子どものやる気がなくなるだけです。できないものはできない、できるようになるまで待ちましょう。

(2)謝罪

意外かもしれませんが謝罪は周囲のメンバーにストレスを与えます。失敗した人が謝ることで、周囲の人も失敗してはいけないという緊張感が増します。これをモデリングと言います。前述した指摘については周囲の人が待つことを求めましたが、ミスをした本人も自らがまだできていないだけという認識を持って、できるようになるまで待つということが大切です。操作などの技術は手続き記憶(非陳述的長期記憶)なので、早急に改善されることはありません。チームで行う課題においてのミスは、個人ではなくチーム全体のミスであると考えると良いでしょう。

(3)認知負荷

認知負荷が増えることで人はミスしやすくなります。そもそもミスをしなければストレスがなくなるので、謝罪も指摘もしなくてよいのです。認知負荷が強くかかるのは、想定外の問題が起きたり、騒音をあげたり、ボス攻略(ギミック)以外の話題が提供されたりする場合です。他にも体のコンディションが悪いときやゲーム以外のことで悩みがあると認知負荷がかかります。特に手続き記憶(技術)が向上しづらくなるタイミング(高原(プラトー)現象)においては達成までの時間に大きく差が生じます。負荷がかかってなければ考えればできることが、負荷がかかることで考えなくてもできるレベルまでを要求されるからです。「そこまで難しくないギミックなのに、この人できないよな」って思うときはこの状態であることが多いです。

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課題が高原(プラトー)付近の場合

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課題(ギミック)が簡単な場合

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課題(ギミック)が難しい場合

3.課題解決能力

課題を解決するためには論理的思考で合理的な答えを導き出すことが必要です。しかしながらFF14のレイドコンテンツにおいては創造的な解決法を求められることはほぼありません。決まったルールを上手に取り込んでクリアするという手順なので、他のメンバーへの相談やリプレイなどで解決できる範囲です。実はFF14のレイドコンテンツには高い課題解決能力は求められていません。

※プロジェクトを立ち上げ新しいアイデアをもとに活動していくのであれば、ブレーンストーミングやPDCAサイクルの円滑化などの高い課題解決能力が必要となります。

4.緊張感は全く必要ないのか?

緊張感とパフォーマンスは関係しています。ストレスは自己成長力の成長を阻害すると言いましたが、完全にストレスがない状態はまったくパフォーマンスが出ないと言われています。最もパフォーマンスが優れているのがちょうど緊張感が50%のときであると言われています。しかしながら、実際にレイドをしているときにはギミックによって緊張感が高まります。その緊張感はレイドの難易度や慣れによって異なるので、高いパフォーマンスを出したいときは、開始地点の調整が必要です。簡単なものには、少し緊張感を増すために、あらかじめ認知負荷をかけてあげると良いでしょう。

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まとめ

上手なレイダーとはトライ時間の割には早くレイドをクリアできる人のことです。そのためにはレイドをクリアするたびに上達できるような力が必要です。毎回似た課題に同じように取り組んでいては上達はしません。自ら考え、解決方法の幅を広げることでクリアまでの時間を短縮することができます。そのために最も必要なのは意欲であり、それは他のメンバーからの影響がかなり大きいです。自分や他のメンバーのミスはチーム全体のミスという意識をもって、成長するのを待つという態度が必要です。

また、レイドをするまでのレベリング期間において、自らができることを把握できているので、自らの切れるカードを把握しているという点では、課題解決能力はあらかじめつけられていると考えられます。

課題の難易度や慣れによって緊張感のスタート地点を変えられるバランス感も意識してみると良いでしょう。


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