新宿方丈記・47「あの夏のAlone Again」
夕方、コンビニのレジに並んでいる時、聞き覚えのある切ないメロディを耳にした。でも一瞬思い出せなかった。それくらい久しぶりの出会いだったのだ。ギルバート・オサリバンの「Alone Again」。途端に記憶は30年遡る。
時代はまだ、バブルの最後の尻尾くらいだったろうか。貧乏な美大生にバブルなんて全く関係なかったけれど。ただただ汗だくで機材を抱えて、映画を撮っていた頃だ。バイト代を制作費や現像代につぎ込み、名画座で学割で1本でも多く見たい映画を見る。映画と本とレコードにはお金を使