現代のクイア・スターLil Nas Xの新曲"Industry Baby"批判覚悟で続ける表現
今日は、"Old Town Road"、"Montero"で2度全米1位の獲得経験がある、今までに無く新しく、アツいラッパーLil Nas Xの新曲"Industry Baby"について書いてみます。
ミュージシャンとしての活動は2018からの23歳のビッグスター、またも彼らしくやってくれました。
ラッパーのジャック・ハーロウとコラボ、カニエ・ウェストとTake a day tripがプロデューサーとして参加したこの一曲
唯一無二のスタイルを持つラッパー・シンガーソングライターの彼は以前から力強く自身のセクシャリティを公表しており、パフォーマンスにも色濃く彼の色が現れています。
BETアワードの授賞式での「MONTERO (Call Me By Your Name)」のパフォーマンスでは、ステージで古代エジプトのファラオに扮し男性ダンサーとの熱いキスを披露したのも話題になりました。
そのセクシャリティを堂々と表現したステージには称賛の声とともに、中傷的なコメントも殺到しましたが、今回も同じく色々な声が上がったようです。
服を脱いだ囚人たちがモザイクが掛かりながらも華麗に踊るシーンなど、ラップのMVとしてはやはり新しくかっこいいと思うのですが、中には「性的に無責任」「エイズのスプレッダー(拡散者)」だの色々な声も上がりました。
それに対し彼は「他のラッパーが複数の女性と寝ることを前面に押し出すん¥描写をしても黙ってるのに自分が少しでもセクシャルな表現をしたらエイズを広めてるだって?それこそ単なるゲイアンチだよ、そこ自ら隠さんといて」とツイート
僕は彼に同意です。他の作品を見ても彼は他に類を見ませんし、気合の入った筋の取った表現だと思います。
歌詞も
I told you long ago on the road
I got what they waiting for
I don’t run from nothing, dog
Get your soldiers, tell ’em I ain’t layin’ low
You was never really rooting for me anyway
When I’m back up at the top, I wanna hear you say
He don’t run from nothin’, dog
Get your soldiers, tell ’em that the break is over
前からずっとそうだった、お前らがずっと望んでたものを俺は手に入れた
俺は何からも逃げない、兵士でも雇ってそいつらに言ってやれよ、俺はどこにも隠れない奴だって
お前らは俺のために祈ったことなんてなかった、俺がトップに返り咲くときにお前らが言うのを聞きたいよ。こいつはやっぱり逃げないやつだって言うのを
兵士でも雇って言ってやれよ、休暇はとっくに終わったと
Need to get this album done
Need a couple number onеs
Need a plaque on every song
Need mе like one with Nicki now
Tell a rap nigga I don’t see ya, hah
I’m a pop nigga like Bieber, hah
I don’t fuck bitches, I’m queer, hah
このアルバムを終わらせるんだ、ナンバー1だっていくつか当たる
どの曲もヒットさせる、そのうちNickiミナージュともコラボするんだ
ラッパーなんて見えてない、俺はビーバーみたいなポップなNiggaさ
女とはやらない、俺はクイアだから
なんてキャッチーなブラスサウンドに合わせて歌ってますね。
こちら面白い裏話もあり
前ヒット作「モンテロ(コール・ミー・バイ・ユア・ネーム)」がリリースされた際、リル・ナズ・Xが勝手にコラボモデルとしてN◯KEのスニーカーを無許可でカスタマイズして販売したクリエイティブ・エージェンシー「MSCHF」が、N◯KEから提訴されたことが元ネタとなっていて、リル・ナズ・Xが裁判官、被告人、弁護人、検事と一人複数役をコミカルにこなしているティザー動画も面白いです笑
リル・ナズ・Xの音楽が大好きな2歳の子供を持つファンが、「どうしてみんなに適切な内容にしなかったのか」との質問に「あなたの2歳児に感謝します。でも、私は時にふしだらになる必要があるのです」と答えるなどユーモラスも満点な彼。
BETアワードでは「俺は自分のことも、自分がやろうと決めたことも愛している。君たちもその域に達してくれ」と宣言する素敵な彼の更なる表現が今後も楽しみです:)