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In the Lap of the Gods

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すべては神のみぞ知る。もし、神がいるのなら。では、私はなぜ、ここにいるのだろう?と、哲学っぽく攻めてみたが、言いたいことなど、大してない。
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2020年1月の記事一覧

なくした手袋が泣いている

感受性が強すぎたのか、私は「ものをなくす」ということを異常に悲しむ子供だった。 ことの起こりは、父と散歩していて近所のお店のおばさんに、手のひらほどの小さなサボテンをもらったとき。4歳くらいだっただろうか。 父親に「さぼてんは?」と聞いたら、ポケットなどあちこちを探って、 「あ、落としちゃった」 だなんて言うから、私は泣きわめいて、 「おとーさん!いますぐさがしにいこうよ!」 と来た道を戻ってみたけれど、見当たらず。 泣きわめく私をなだめるために、父はなぜか「ポ

「おはよう、ロンドン!」② ~パンクのメッカで暮らした4週間(と馬の話)~

「おはよう」シリーズも3回目になりました。 (シリーズ化する気はなかったんですが。でもたぶんこれで終わり) 前回はこちら↓ 前々回はこちらです↓ -- 生まれて初めての海外旅行はハタチのときで、大学の夏休みを利用して渡英した。 本当はオーストラリアに行くつもりだったのだけど、ツアーが最少催行人数に足りないとかでキャンセルになり、同じような日程と金額のロンドンのツアーに、やむを得ず変更したのだ。 4週間の語学研修ツアーで、ホームステイではなく、寮に滞在した。 確かロ

「おはよう、原宿」~夢の同潤会アパート暮らし~

こんな記事を昨日書いたのですが、 それより前にこんなことがありました。 -- 90年代のある日、友人たちと表参道あたりをぶらぶら歩いていて、ふと視線を右にやると、そこには古いアパートが。 それまで表参道に来たことがなかったわけではないけど、実際その時初めて気づいたのだった。 私は早速、そこに入っている店に行くふりをして、アパートに入ってみることにした。 古いアパートだけど、何軒か店舗が入っていて、人が暮らしているにおいよりは、金のにおいが強くなっていた印象だった。 と

元日なんてただの冬の一日じゃないか

あけおめ〜ことよろ〜 と、ぞんざいにあいさつを済ませました。スミマセン。 2020年になりましたね。 だから何? オリンピック?私出るわけじゃないからどうでもいい(出たいの?)。 そもそも2020年だの令和だの騒いでるのは人類だけです。 まさしくその数字は人間が勝手につけた記号。 しかも、同じ日本人でも、今年は令和2年だと言う人もいれば、2020年だよと言う人もいるわけで。 それ以外のすべての生物にとって元日など、太陽光が弱く、日照時間が短く、気温が低い、ある一日に