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アトピー周辺知識18: 蜜蜂は、魚は何故減った? (農薬が環境に及ぼす影響、日本)
小児期の食物アレルギー発症の記事にて農薬の及ぼす腸内細菌叢への悪影響について触れたが、その点についての補足として幾つか情報を纏める。
農薬や抗菌薬による被害の特徴としては、それにより害となる生物や病原菌のみならず生態系の下層へ真っ先に被害が及ぶ所にある(農薬においては昆虫やプランクトン、抗菌薬においては腸内細菌がそれに当たり、農薬や抗菌薬はその下層の多様性を喪失させる)。下層以外には間接的に或いは遅延して影響を及ぼす訳だが、それ故に原因究明において因果関係が把握し辛い傾向がある。
複雑かつ大規模な生態系や長年の進化の果てに獲得した複合的な免疫システム等、現状でも完全な把握や解明が困難な対象が関係するともなれば尚の事であり、腸内細菌叢の研究も近年の計測技術や情報解析技術の進歩なくしては成し遂げられなかった。
抗菌薬による直接的な影響に比べれば軽度とは言え、こちらも母体への摂取により胎児・乳児へ悪影響を及ぼすものであり、是正が求められるだろう(既に国内での研究により腸内細菌叢への悪影響も示唆されている)。
無策では無いとは言え、「行き過ぎた施策に対する是正の動き」が欧米に比べ往々にして遅れるのはどうにかならないものか(こういった是正政策は中央銀行によるインフレ抑制の如く、政策として不人気なものであるが間違い無く必要なものである)。
追記:一昔前にこの手の分野は複雑系等と称され持て囃されたものだが、結局は問題提起に終始して体系化が図れず、今では半ば廃れてしまったと聞く。ただ、これも昨今のAI技術により息を吹き返した(或いは生き延びて繋いだ)模様。
個人的にも昔のものは題目こそ真新しくともアプローチは既存のままという印象だったため、案の定そうなったという感想ではある(もしかしたら背景に何かしらトップダウン的な動きがあったのかも知れないが、実際にそうだとしたら研究の盛衰含め中々に皮肉な話である)。
直接的に免疫システムの解明やアレルギー疾患の解決に繋がるとまでは思えないが、今後の進展に期待したい。
このマルチエージェント・モデルとでも言うべきものは社会科学分野でも一時期流行っていたが、今後はそういった分野にもAIの影響が波及して行くのだろうか(或いは既に波及しているのだろうか)。
自然科学の社会科学分野への浸透が、今後は経済学から情報工学へと徐々にその比重を移しながら進んで行くのかも知れない。今後の推移がやや気になる所ではある。
下部リンクは興味深いものであったため参考に。