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【短歌】1人の寂しさか、2人の煩わしさか。

題:一人暮らし

掲出の言葉は元祖おネエタレントおすぎさんの言葉です。あけすけな表現と毒舌、だけどチャーミングで憎めないキャラクターが愛され、私が子供の頃はテレビの寵児として活躍されていました。

今よりもLGBTQの理解がずっと遅れている時代に、「私たちおかまは」と公言し、(その表現には否定的な意見もあったようですが)時に生きることの困難さをお話しになる時、何かのテレビ番組の対談で、「私は1人の寂しさと2人の煩わしさを考えた時に、寂しさを取ったのよ」と言われたのです。

私は虚を突かれました。
文脈はパートナーを得ることの困難さを偏見も含めておすぎさんに問うたものでした。しかし、切り返した答えはすべての人に当てはまる。

1人の気楽さ、寂しさ。家族を持つ煩わしさ、楽しさ。どちらが良い悪いというわけではなく、選択の結果に過ぎない。ただそれだけ。

私は厳密には1人暮らしをしたことがなく、学生時代は寮生活で、最初の2年は4人部屋(家賃700円)、3年生からの1人部屋生活がかろうじて1人暮らしに近いでしょうか。気楽と好きとだらしなさを詰め込んだ学生らしい1人暮らしはモラトリアムの終わりに必死に抵抗した結果、ほぼ引きこもり生活へと変貌し、私を卒業ぎりぎりの生活へと導きました。

次に1人暮らしをすることがあれば、寂しさを引き受ける意志を強く持って臨みたい。箸をまっすぐに置くような丁寧な態度で。

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