泳ぎ始めて
2年前に泳ぎ始めたのがきっかけで、私の人生は変わった。
水泳がきっかけになり、そこから自分の人生の歯車がまわりだしたかのように、生活が変わってきた。泳ぎ始める前の自分には今の自分の姿はまるで想像できなかった。自分という人間が、水泳や体を動かしていく時間のなかで、少しずつ見えてきた気がしている。体を動かすということが、自分にとって、自分と向き合うということに直結していると感じるようになった。
今日はそういった変化が起こりはじめたきっかけの最初、水泳を始めたころのことを振り返る。
2年前の夏に、家族旅行でホテルのプールで遊んだあとの、何とも言えない心地よい疲労感と充足感に心惹かれて、泳いでみたいと決めた。子供の時に中途半端にやめてしまった水泳を大人になった今、もう一度しっかり理論を理解しながら習得したいと思ったのもある。
それから、始めてプールに足を運ぶまでは1か月くらい経ってしまった。YouTube動画でどうやって練習すればいいのか、リサーチした。それからプールがあるジムの見学に2か所くらい行って、会員の手続き。そして意を決してやっとプールへと行くことに。今思うと不思議なのだが、絶対プールに誰も人がいないときに行きたいと強く思っていた。水着姿なのも、大して泳げないでプールにいるのも気が引ける思いがした。
動画を参考に、これをやってみようという練習を予めきめておく。初心者向けの動画をたくさん見たので、プールの途中で、練習の一区切りの動きの都度立ってもよいことがわかり、少し気持ちが楽になった。練習内容を実践するという目的があるので、恥ずかしさはいくらかマシになった。
その日、試す練習を3,4個くらい決めておいて、プールで実践する。一度やっては立ち、繰り返して練習する。もう覚えていないけど、たぶん練習動作を繰り返したあと、自分の泳げる距離、25mか50m泳ぐのを数本やって満足していたような気がする。子供の時に習った泳ぎはキックのビート数なども全く考えたこともなかったので、頭で考えながら、体で実践できるか試すのが楽しかった。
それにプールで練習したあとの、あの独特の体の力が抜けたようなふんわり感がたまらない!魂の抜け殻になったみたいにふわーっと体の力が抜けて、一日の仕事の疲れも忘れてしまう。そんな調子で家に帰りつくと、夫や子供が日々の雑事でなんやかんや言ってきても全然気にならなくなった(笑)。少しのことでイライラしなくなり、大抵のことは大したことないと思えるように。体はもちろん、精神的に自分の状態がずっとずっと良くなったと感じた。
そんな調子で、仕事帰りにジムに寄り道して30分くらい泳ぐと、体もこころもほぐれたような、晴れ晴れしい気持ちになるので、週3くらいでプールに行くようになった。毎日まっすぐ子供のお迎えに行って家に帰るより、なんだか調子が良い。
そんなわけで、月から金までフルタイムで勤務するだけで精一杯と思っていた生活から、仕事あとに楽しみの時間ができて私の生活は変わった。