小川洋子さんの『ダイアナとバーバラ』
(あらすじ)(感想含む)
「わかります、わかりますよ」というのがバーバラの口癖で、バーバラに話しかけた人たちはみんな分かってくれたと思いほっとして満足する。
本当はその言葉を一番聞きたかったのはバーバラ本人だった。
孫娘が大きくなってバーバラのところに来るようになり、やっとバーバラが話すことができる相手ができた。
バーバラはイギリスのダイアナの着ていたドレスを再現して作りそれを着て孫娘とフードコートでおやつを食べて過ごしていた。
(感想)
誰からも褒められることがなくても生きることができるということは、それはそれで素晴らしいことだ。
しかも本当は人の役に立っていることをしてきているのだからもっと素晴らしい。
それを見つけることができる人は、その人本人も同じように生きてきている人なのだろう。
その人には本質を見極める力がある。
本人自身はそのことに気がついてもいないけれども。
そんな人との出会いが人を幸せな気持ちにさせる。
その力がある人は経験値の高い大人とは限らない。
むしろ何も固定概念がない子どもの方にその力がある。
その力に触れた時に人は心から救われる。
そんなお話。
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