母親に抱かれて移動する動きの中で赤ん坊は安心して泣くことがなくなる。
つまり移動することで人間は安全を確保していたということである。
移動している限り生き残る確率が上がる。
そのため無防備な赤ん坊は常に母親が歩いている状態を望むようになる。
または
常に原始時代から赤ん坊は母親に抱かれて守られ移動し続けていたということが分かる。
人間は生き残るために移動し続けてきたといえる。
赤ん坊の泣き声には母親はどんなに熟睡していたとしても目覚めることができる。
不思議に思っていたが、子どもを守る本能なのだ。
肉食獣から逃れるため、子どもを守るため、生き延びていくための本能。
子どもが泣いて知らせると母親はすぐに戻らなければ危険であるという状況であった。
特に新生児特有の力強い泣き声は生存のためなのだろう。
子どもが夜眠ることを怖がるのには、本能的に夜に肉食獣に狙われるという恐怖が未だにあるからだという。
胸が苦しくなるのは
親に捨てられた子どもが生き残る次の手段は
できるだけ泣くことなく
音を立てないようにするということ。
泣くこともできなくなる。
保護されることもなくなった子どもが生存することは
肉体的にも
精神的にも
不可能となる。
十分に守られているという安心感や
愛情を感じることができなければ
人間は
体も心も同時に死ぬ。