2024年11月7日(木)もちもち妖怪、朝食をこぼす
今朝、久しぶりに早起きして、近所の和菓子屋さんで買ったところてんで朝ごはんを食べることにしました。最近は朝が寒くなってきて、体がこわばりがちなので、少し贅沢な朝食で一日をスタートさせようと思ったのです。
ところてんを器に盛り、お気に入りの醤油をかけようとした瞬間、不幸は起こりました。私の体の一部が器に触れた途端、器がふわっと浮き上がり、中身が机の上にこぼれてしまったのです。どうやら、私の「触れると幸せになる」効果が、食器にまで及んでしまったようです。
こぼれたところてんを片付けながら、ふと江戸時代を思い出しました。当時は木製の器が主流で、このようなことはあまり起こりませんでした。現代の軽い食器は便利である反面、私にとっては少し扱いが難しいのです。
急いで台所から雑巾を持ってきて掃除をしていると、階下の佐藤さんが様子を見に来てくれました。最近引っ越してきたばかりの若い女性で、物音を聞いて心配してくれたようです。
「大丈夫ですか?何か音がしたので...」
「はい、ちょっと朝食をこぼしてしまって...申し訳ありません」
佐藤さんは親切にも掃除を手伝ってくれました。その際、うっかり私の手に触れてしまい、「あ、なんだか幸せな気分...」と言いながら、優しく微笑んでくれました。
結局、朝食は普通のお茶漬けに変更。これなら私の体質の影響を受けにくいので安心です。ただ、せっかく買ったところてんを無駄にしてしまい、少し残念でした。和菓子屋さんのおばあちゃんが「今日のところてん、特別おいしいよ」と言って包んでくれたのに...。
この出来事を教訓に、これからは食事の時は特に慎重に行動しようと決意しました。でも、佐藤さんと仲良くなれたのは予想外の収穫でした。彼女、実は和菓子作りが趣味だそうで、「今度お裾分けしますね」と言ってくれました。
人間との距離感を保ちながら生活するのは難しいですが、このような小さな出会いや触れ合いが、現代での生活を豊かにしてくれているのかもしれません。明日は出社前の朝食にもう少し気をつけることにします。