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好きな作家さんのこと。②
好きな作家さんについて語る、その2。
今日は高里椎奈さんについて。高里椎奈さんとの出会いは「活字倶楽部」という雑誌です。
「かつくら」と呼ばれている、活字が好きな人のための雑誌なのですが、元は「ぱふ」というマンガのファン雑誌のコーナーのひとつだったと記憶しています。残念ながら今はもう発行されていないようですね……
かつくらで紹介されていたのが「薬屋探偵妖綺談」です。主人公は妖怪、そして薬屋です。「どんな薬でも症状に合わせてお出しします」と書かれた入口。怪しいですよね。そしてその薬屋は、妖怪のよろず相談も受け付けています。渋々ですが 笑
妖怪と人間、共存するためには様々な問題が起こります。妖怪にとっては生きていくために必要なこと、習性が人間にとっては大問題。そして、それらが大事になり、妖怪が知らない内に人間と共存しているとわかると、自分たちにも火の粉が降りかかる、それを阻止するために、平穏に生きていくために、渋々面倒事をどうにかしようと動く。そんなお話です。
妖怪!薬屋!探偵!どれも大好きです!!!とすぐに探して買いました。ミステリですが、作者である高里椎奈さんはとても優しい方で、作品にもその優しさが溢れています。
今だと「うちの執事が言うことには」の方が通りがいいかも知れません。こちらもミステリ、というより日常の推理物ですがやっぱり優しい作品です。
そして、薬屋探偵も大好きですが、もっと好きなのはファンタジーである「フェンネル大陸」シリーズです。
13歳の主人公、フェンはとある国の王女であり、将軍です。ある日無実の罪で国を追われることになります。フェンがいろいろな出会いを経て成長していく物語、だと思っています。
このお話は最後まで読むと、とても大きな優しさの物語だとわかるので、私は最終巻の表紙を見るだけで泣けます。号泣です。
高里椎奈さんの作品は本当にどの作品を読んでも優しいです。あと、詩的。ちょっとした言い回しとか、表現の仕方がとてもキレイです。あ、こんな表現の仕方があったんだ、といつも思います。
たとえば、薬屋探偵の深山木秋の瞳の色。普段はダークブラウンですが、ここぞと言うときに「波色」と表現されます。波色の瞳、どんな感じなのかな……想像が膨らみます。
目の色をそんな言葉で表現できるのか、と。そして確かに「波色」という表現が一番わかりやすいんだなと思えてびっくりしました。
読んでいて、頭に映像がぽん、と浮かぶ文章だなと思います。そういう書き方の作家さんが好きです。
そろそろ薬屋探偵の続きも読みたいなぁ。でもノベルス、出版社があまり出してくれなくなってきてますよね……悲しい、というか寂しいです。また薬屋の三人に会いたいな。