2021年にハマった冬アニメ①SK∞エスケーエイト
今年のアニメが出揃ったので2021年のアニメを振り返ってみました。少し長くなったので冬アニメ編は①と②に分けて投稿します。
☆2021年冬アニメ(1月〜3月)
個人的に2021年は冬アニメが一番豊作でした。特にダークファンタジー系やアニメオリジナル作品が面白かったです。
そんな名作揃いのなかでも、エスケーエイトにハマっていました。
SK∞ エスケーエイト
毎週見るのが本当に楽しくて!
2021年で一番好きな作品かもしれません。
まず何といっても主役の二人が最高でした。
暦とランガ
暦とランガは親友であり、たびたび対になるように描かれていました。赤と青の髪色や、イニシャル(RとL)、誕生日の季節、故郷などが正反対です。性格も元気で明るい暦と帰国子女で落ち着いたランガには違った魅力がありました。
また暦とランガが仲良くなる過程も好きです。ランガは暦からスケートの楽しさを知り、いつの間にか暦と友達になっていました。好きなものにハマっていく様子や趣味が同じで一気に仲良くなれるのも高校生らしいです。
一緒にスケートボードで通学したり、海が見えるパークで練習したり、学校の屋上でボードをトレー代わりに昼食をとるシーンなんかはまさに青春でした。舞台が沖縄なのも爽やかさが増しています。しかも事前にロケハンをしているので、実在する場所が多くリアリティを感じられました。
なので二人が笑顔だと見てるこちらまで爽やかな気分になります。暦とランガは一生親友でいてほしいし、おじいちゃんになるまで一緒にスケートボードを滑っていてほしい…
”S”のメンバー
暦とランガの他にも個性的なキャラが登場します。中学生でスケートの実力者ミヤ、昼間はお花屋さんで働くシャドウ、AI書道家のチェリーブロッサム、イタリアンシェフで筋肉バカのジョー、そして政治家の愛抱夢と秘書の忠です。
全員個性が強すぎるくらいなのに不思議とうるさくなく面白い組み合わせでした。とくに暦・ランガ・ミヤ・シャドウ・チェリー・ジョーは一緒にいる場面が多く、どこか大家族のような?安心感があります。
シャドウは登場時と一番ギャップのあるキャラクターでしたが、いつの間にかヤングチームの保護者になってました。チェリーとジョーは大人組ですが、しょっちゅう子供っぽい喧嘩をしています。しかもベテラン声優二人というのが余計に面白い。
王道アニメ?
ストーリーには王道らしい良さがありました。
もともと暦は一人でSに通っていて、ジョーやチェリーなどとは接点がありませんでした。そのうち暦とランガをはじめ、一人で滑っていたミヤも仲間になります。
ちなみにシャドウは3人の保護者役として巻き込まれ、ジョーとチェリーは気づいたら一緒にいました。この「バラバラだったキャラたちが仲間になる」一体感がすごく好きです。
またエスケーエイトは「スケートは楽しい!」がテーマなので、”一緒に滑るから楽しい”とそれぞれ気づく瞬間がありました。それは大人たちも例外ではありません。
ほぼラスボスのようだった愛抱夢でさえ、最終話でスケボーの楽しさを思い出します。今では鬱憤を晴らすために滑っているように見えますが、子供の頃は忠と一緒に楽しく滑っていました。それを思い出させたのはランガであり、ランガにスケートを教えたのは暦でした。
この”楽しい”の連鎖で最終的に全員が「スケートは楽しい!」に完結するのがすごく良かったです。エスケーエイトを見終わると、とても幸せな気持ちになりました。
また1話は暦視点で始まり、12話はランガ視点で終わるというのも、まさにインフィニティな演出でした。最後まで「こういうのが見たかった!」を存分に見せてくれたエスケーエイトです。
しかし王道のなかにも、良い意味で”非王道”な面白さもありました。
王道の中の非王道
まず主人公の暦です。
明るくて好きなことに一生懸命な暦はまさに主人公といったキャラクターでした。しかし主役にも関わらずアニメ後半までなかなか活躍しません。
天才肌のランガと仲違いする場面もあり、7話以降は”親友で主人公”の二人がろくに話さないエピソードが続きました。
これがなかなかしんどくて…お願いだから早く仲直りしてくれ!と何度思ったか分かりません。しかも7話の前が「海!スケート!温泉〜!!」みたいな回だったんですよ。そんなハピハピの回から突き落とされる視聴者…落差が半端ないです。
実はこのしんどさを感じていたのは視聴者だけではありません。毎週アフレコ後に収録しているアフタートークがあって、喜屋武暦を演じている畠中祐さんはいつも元気に挨拶されるんですが、# 8は冒頭からしょんぼりした様子です…
▷SK∞ アフタートーク # 8
この回で畠中さんは「夜にランニングしながら暦を思うと泣けてくる…」と言っていて、やはり演じるとなると暦に感情移入して余計しんどいだろうなぁ…と思いました。
暦の立場で考えてみると、自信を失くして楽しかったスケートから離れる気持ちはとても理解できるものでした。実際、身近な人から差を感じたり成長を実感できなかったりすると本当に辛いですよね。それが大好きなスケートだったら、なおさら暦の落ち込む理由が分かります。
でも畠中さんが言っていたようにランガも悪くないんです。ただ好きで努力した結果、ランガは上達しているだけなので…もちろんそれは一緒に練習していた暦が一番分かっていて、だからこそ気持ちの整理がつきにくい状況でした。
そんな7話から続いていた不穏な雰囲気も10話で終わります。10話で暦はスケートの楽しさを思い出し、ランガと一緒にスケートボードを滑って仲直りしました。二人の新しいDAP(無限=∞)ができたシーンはまさに青春です。ここでようやく視聴者が待ち望んでいた展開を見せてくれました。
そして暦が活躍したのは11話でした。アニメは全12話なのでほぼ終盤に近いです。愛抱夢とのビーフでは自分の知識や経験を生かしてスケートボードで周りを魅了しました。結局、勝負には負けてしまいますが観客の心を掴んだのは間違いなく暦でした。
アニメの中で暦は一度もビーフに勝っていません。ただ間違いなく成長していて、周りからの評価も自分のスケートで変えました。初めから強い主人公ではなく苦労したからこそ視聴者に共感され、応援されたキャラクターでもありました。
また王道じゃないといえば愛抱夢と忠でしょうか。
メインキャラでは年上ですが一番ヤバい大人でもあります。車で暦をはねてラブホに連れ込み示談を持ちかける、なんて誰が予想できますか?(しかもあんなに悩んでいた暦がスケートボードの楽しさをそこで思い出すという…笑)
フルスイングキッスもなかなかのインパクトでしたが、忠はやはり愛抱夢にスケートボードを教えただけあるというか、一番ヤバい人でしたね。最終回で#お前は一生僕の犬 がトレンド入りしたのは一生忘れません。
あの満面の笑みも…
♢
王道の中にこういった予想外の面白さがあってハマってしまいました。実際、エスケーエイトはアニメオリジナルでありながら現時点でTwitterのフォロワーが19万(2021.11.6時点)とかなり多いです。またSNSの反応を見る限り、海外でも人気がありました。
そして早くも舞台化や新作アニメプロジェクトも決定しています。
ますますこれからが楽しみな作品です。
ありがとうエスケーエイト!!