かめともち
なんとなくできたものたち。
なぜか575でも57577でもないリズムが私の中に存在しているようで。
わたくしがどうして赤いチョッキを着ているのか、お知りになりたいのでしょう?
あなたからの愛を感じたのはいつだったか 初めて部屋におとずれたとき、あなたはわたしのコップに水を注いでくれた 飲み干すたびに、減るたびに、いつも同じ線まで注いでくれた なぜと問うと、それが愛というものです、と言ったあなた それは、わたしの心をうるおし、たぷんと言った
夜の悲しみは今日も癒えず 私はひとりくりだす パーティーへ うさぎのぬいぐるみと 古びたタオルにはさまれて 夢を見る 草原の夢を そこであなたとまた出逢おう
のんびりや 気をつかい 笑うと目尻のしわがよる あなたの愛をどう描こうか ずっと貰っていたこの気持ちに気づかなかった 優しい手はすぐそばにあったのに
好きでもない歌を聞いていたアマゾンミュージック選ぶこと忘れていた私のほんとうに好きな曲はbonobosハナレグミ香寿たつき 誰一人気楽になんて生きていないこの夏の蝉さえ生きていけない暑さに
ねこをねこねこねするのこのこねこをね 大きなのっぽの古狸おじいさんを食べちゃった 今夜のご飯はたらればの天ぷら後悔の公開処刑
夜の雨は私の涙を乾かせるおかえり くるくると螺旋の果てに私と貴方がいてほしい 誰がために女は毎月血を流す腹を痛めて
慣れれば馴れるとき成りたいものになれ どんぱちをやって道に死体の満ち溢れ この子らがさんじゅうねんごも仲良しでいるようにと願う
会わずにいれば会えないことも忘れて一人楽しむ 永遠のお別れと世界放浪は似ている 善良ならざるもの罵詈雑言が今は聞きたい
私には何人か仲の良い友達がいる。 幼稚園からの幼なじみ 大学のとき毎日のようにつるんで過ごした人たち 職場でびっくりするくらい仲良くなってプライベートでも遊ぶようになった人たち 今も連絡をとっているし、会うこともある。何でも言える仲で、喜びも悲しみも分かちあい…ということが、できる人たちだ。 でも、多分きっと実は、多くの人はそうなんじゃないかと思うのだけれど、自分の中に、人とわかちあいたくないものってけっこうあるのではないだろうか。 なにか辛いことがあったとき、この悲しみ
やれやれ。少し時間はかかったが、なんとか次の追放者を連れてくることができた。 この役目を果たすようになってもう何百年が過ぎただろうか。仕事を始めたときから着るようになったこの赤いチョッキは、火星の空気にさらされ続けたことでより鮮やかな色合いへと変わってしまっている。今の色合いはまるで血の赤だ。もっともわたしには血など流れていないのだが。 ねずみは、寝不足気味の12歳の子どもの夢の中でうまれた。歯列矯正の器具を四六時中つけさせられているその子の夢の世界は、金属の砂漠が無限に
真剣に徘徊する大人がいる本屋 知らぬ人にそれおもしろいですよと念波する 戦利品を読み耽るうれしさが増す雨の日
ノートノートノーと言える日本人になりなさい 幼子かなたに生まれいずれ死にゆく 家族はいらぬ、帰る家は欲しい初春
空が青くて奇麗だ死にたい 信号全部青だった生きる やじろべえのような貴方を後ろから見ている
ぬくもりの抜け殻を運ぶ夜の回送 太陽を追いかけるふたりは阪急電車に乗って 木は森に人は人混みに隠せ柔軟に
波打つ心臓耳に抱いて今夜も眠る この服を着て貴方の葬儀にいつか出る 夕日にすべて溶けていく公園の野球少年は
愛される人愛されぬ人二人は同じ墓に入る 切り花はどういう気持ち地面から遠く離れて