
母ちゃんが子供達を預けて働きに出るわけ
「もう仕事に行かなくっちゃ。仕事に行けずお金がもらえなくなると、ママはみんなのおもちゃやお菓子を買ってあげることができなくなっちゃうよ」
これは、平日の朝、学校/保育園に行きたくないと愚図る子供と格闘する中で、多くの親が発するセリフではないだろうか。
我が家も例に漏れず、である。
でも、最近このセリフに違和感を感じるようになった。
まもなく4歳になる下の息子はまだ良いとしても、まもなく7歳になる娘に聞かせる言葉として適切なのだろうか。。そんな感覚が過ぎるからだ。
そこで試しに話し合ってみた。
「母ちゃんが仕事に行くのってなんでだっけ?」
「お金をもらうため!」
2人のレスポンスの速さと力強さが、殺気立つ私の教えが子供達に如何に染み付いているかを物語っている。
続けて私が問う。
「ってことはさ、もし××ちゃんがお金を稼いだら、母ちゃんは働きに行かなくて良いのかな?」
「だめー!だってさ、2人で働いたら、お金が今よりもっとたくさんもらえるじゃん」
娘の回答に、それなりの頻度で、「仕事=お金を稼ぐ行為」という価値観を植え付けてきた張本人である私が喰ってかかる。
「え?でも、お金をそんなに稼いでどうするの?大事なのは稼いだお金で何をするかだし、そんなにたくさんのお金が本当にいるのかな?」
言行不一致、支離滅裂、論理破綻、、、
頭の中を数々の熟語が駆け巡っているのに気付かぬフリをして、自分は、この話を力技で特定の方向に持って行こうとしている。
そんな親の後ろめたさに気がつかない子供達は、働く意味について、必死で答えを見つけようとしている。
「平和を守るため!」
「みんなを幸せにできるから!」
知っている単語を総動員して一生懸命答えてくれる。
健気だし、何よりもどれも正しい。
上っ面ではない、どんな時も腹の奥底にずっしりとある、確かで力強い生き様。
そんなのを子供達に見せられる大人になりたい。