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テックタッチオンボーディングについて半年間のまとめ-うまくいったこと・やめたこと-前編(準備編)
はじめに
お久しぶりです、はじめまして。
バクラクでテックタッチオンボーディングのリーダーをしております、chisuminと申します。
実はちょうどリーダーになったタイミングからnoteを始めており、
その時に書いた記事があるので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!
今回のnoteでは、4月から9月まで半年間、バクラクのテックタッチオンボーディング(セルフオンボーディング)でやってきたことを全て、赤裸々に記事にしようと思っております!
テックタッチオンボーディングを始めたばかり
テックタッチオンボーディングに取り組んでいるけど、他社がどんなことをしているのか知りたい
バクラクのテックタッチオンボーディングに興味がある
テックタッチオンボーディング支援ツールを作っている
etc
こういった方の少しでも役に立てたらと思い(あとは、自分の備忘録として)、記事を書いていきます。
読んでいただいた方のお役に立てる記事になっていたら大変嬉しく思います。
かなり長編になってしまったため、前編と後編に分けて記載しております。
前編では、施策に入る前や途中の自分たちの施策外の取り組みについて書いています。
後編では、実際に行った施策をメインに書いています。
前編だけを見ても、施策もその結果も全くわからないものになってしまうので、初っ端でだだん!とやったこと(施策)とその結果をはじめに載せちゃいます。
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施策のみ知りたい方は前編はすっ飛ばして後編に行っていただけたらと思います。
バクラクのセルフオンボーディングのはじまり
施策に入る前に、前提の説明から行います。
バクラクは元々全お客様へハイタッチオンボーディングを実施していました。その中で、以下で書いているような問題があり、テックタッチオンボーディング施策が始まったのが最初でした。
“「確実に準備が完了できる」「提供できうるすべての機能を運用に組み込んでいただける」というサービス提供者側の安心感がうまれる一方で、 「せっかくのお打ち合わせの時間をいただいても、お客様の運用そのものの課題解決・プロダクトを触る以上のお役立ちに割ける時間が少ない」という課題も生じます。 弊社のCSチームにも上記の共通認識があったため、 「お客様全員に共通する設定や、よくあるご質問は、コンテンツを充実させ、お客様がご自身で最速でサクセスできる」状態を作るべく、プロジェクトが開始されました。”
この時は、こちらで決めたターゲットのお客様に対して、テックタッチ施策を実施し、ゴールを達成できるか、を検証していました。
この頃から粛々とテックタッチ施策は続いていたのですが、お客様の幅が広がってくることで、超ハイタッチを求めているお客様もいれば、基本的には自分たちで進めたいお客様もいることが顕著になっていきました。
そこで、よりお客様が必要なCSサポートを受けられるように、バクラクは4月からオンボーディング支援を有償化することになりました。
(有償化のオンボーディング支援については、kogacchiさんとsotaさんがきっとnoteを出してくれることでしょう)
そのため、お客様はサービス導入を決めた時にオンボーディング支援を有償で受けるか受けないかを選択できるようになりました。
ここで、有償化を選択しなかったお客様が皆様、セルフオンボーディングの対象となりました。
自分たちでターゲットを絞っていた時よりも、明らかにお客様数やお客様の幅が広がることになるので、これまでの施策だけではうまくいかないかもしれない。かつ、これまでのお客様はうまくいかなかったときにハイタッチに途中から変更する、としていたが、それもお客様数の増加とともに難しくなる。
そんな状況の中、ハイタッチオンボーディングがなくても、お客様ご自身で設定や運用を開始し、満足してもらえるためのセルフオンボーディング施策を成功させる必要がありました。
バクラクのセルフオンボーディングはこうやって始まりました。
施策の前に、施策以外にやったこと
早く施策を話を!という感じなのですが、施策の前にやったことも書かせてください。施策を実施する上で、大事なことが詰まっています!
セルフオンボーディングの全体像のすり合わせ
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施策を実施する前に、契約締結後、フィールドセールス(営業)から引き継ぎがあった時点から、
お客様の状態の変化
プロダクト上で実施すること
CSが直接実施すること
理想のお客様の状態
を言語化しました。
バクラクでは完全セルフオンボーディングを実現するために、これまでハイタッチオンボーディングで行っていたことを、いかにセルフオンボーディングで再現できるのか、という点でお客様の状態ごとのセルフオンボーディングのアクションを洗い出して行きました。
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オンボーディング基準の見直し
バクラクではオンボーディング達成の基準として、フェーズ1とフェーズ2という2段階で作っており、オンボーディングの完了基準は、お客様とお打ち合わせで合意した運用開始日を基準にしていました。
セルフオンボーディングとなると、この運用開始日をお客様と合意をすることがそもそもできないため、代替案を考える必要がありました。
そこで、バクラクに初回ログイン時に『運用開始予定日を教えてください』というポップアップと、回答欄を表示させることにしましたが・・・
その結果、なんと回答は『0』!!
さすがに焦りました(笑)
2週間くらいしか運用しませんでしたが、ここまでか!ということで、すぐに作戦会議です。
その結果、そもそも運用開始予定日、という曖昧な日付を基準にオンボーディング完了を測定してくのは再現性がないし、人によるブレが発生してしまう。
ということで、運用開始日ではなく、契約開始日を基準にオンボーディング完了基準の見直しをしました。それに合わせて、他の部分も少し手直しを加えました。
書いてみると、当たり前のことのように見えますが、長年やってきた基準を変えるというのは意外と見えずらいところにありました。
施策DBの見える化管理
セルフオンボーディング施策として色々実施していたのですが、どうしても手段が目的化してしまう場面や、この施策がうまく行ったときにどの指標に影響があるんだっけ、という観点が抜けてしまうことがしばしばありました。
そこから始めた取り組みとして、notionで目的別にmain itemを作り、そのmain itemの目的達成のために行うアクションはsub itemとして紐づけて管理をはじめました。
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また、手段が目的化しないためにnotionのフォーマットも体裁を整えました。
フォーマットのテンプレを埋めることで、課題ー目的ー施策ー結果の見方ー実行結果ー結果をどう捉えるか、を意識することができ、施策実行者以外の人と振り返る際にも圧倒的にわかりやすく、結果を判断しやすくなりました。
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毎月のKPT会
毎月のKPT会はセルフオンボーディングチームに限らず、CSチーム全体でやっていることなのですが、この毎月のKPT会があったからこそ改善を続けられたと本当に思っています。
毎月月末にKPT会を実施し、今月のkeep/problem/tryを各々あげていき発表する、という形式で行い、最後は次月のtryを必ず決めて実施するようにしました。
今どの部分が良くて、どこに問題があると思っているのかチームで共通認識を取れる場としてもとても良いし、必ずtryを決めるようにしていたので、翌月以降明確にtryの結果が出ることもとても良かったです。
例えば、先に紹介した「施策DBの見える化管理」もKPT会のproblemに上がり、改善すべき点として翌月以降取り入れた施策でした。
個人的にはとてもお勧めしたいです。
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社外交流
セルフオンボーディングチームのリーダーになってから、正直他社はどうしてるんだろう、今の私たちのやり方で大丈夫なんだろうか、という漠然とした不安がずっとありました。
そんな中、このツイートをしたところ
テックタッチ施策を進めているカスタマーサクセスの方と意見交流会的なのをしたい。社内や落ちている情報だけでは限界がある気がしてきている。
— chisumin (@chisumin_56) May 31, 2023
なんと3社のCSのテックタッチ領域に携わっている方とお話をさせていただく機会をいただきました。
明らかにバクラクより大先輩のサービスの皆様とお話をさせていただいたので、学ぶことが本当に多かったです。
その中で、テックタッチ施策として参考にさせていただいた内容や施策の一部はこちらです。
お客様の行動に合わせたアクションの反応が良い
顧客にとって必要な設定のみを伝える施策は効果が良い
ハイタッチMTGを有意義な時間にするためのテックタッチ施策という位置付けもある
セルフオンボーディング顧客割合を増やしすぎると顧客解像度が圧倒的に悪くなるので、良い塩梅を保つことは重要
などなど、その他にもたくさんお話をさせていただきましたが、どれもこれも参考になるお話ばかりで、お話をさせていただいた皆様、その節は本当にありがとうございました。
他社がやっている施策を知り、自社にどう活かせるのか、を考えたことで生まれた施策がたくさんあります。
ぜひこれからも交流させてください!
ヤプリさんの素敵すぎるオフィスにお邪魔してCS同士の交流会🤝めちゃめちゃ勉強と刺激がいっぱい、ありがとうございました!ポーズはみんなでヤプリのYヽ( ´∀`)ノ pic.twitter.com/5gD19lDmfy
— かじ | LayerX PdM (@kajicrypto) June 28, 2023
後編に続く・・・
さて、やっとここから施策の話です。
セルフオンボーディング施策として実施してきた施策をまとめました。
と言いたいところなのですが、
もうすでに3000字オーバー流石に多すぎるので、後編に続けます!