〝今、ここ〟でしか見られぬ景色を見てきた。~UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川2020レポート①~
昨日、3月15日(日)。
今年の『UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川』を巡ってきた。
無人駅とタイトルにあるように、この芸術祭では、大井川鐡道の無人駅およびその周辺エリアを舞台に作品が展示されている。
代官町駅から旅のスタートを切った。
代官町駅では、駅舎内にカトウマキさんの『ここで、咲く』が展示されていた。
窓から差し込む光の演出も含め美しかった。
そして写真で見えるだろうか、窓枠の木の部分には、いつか誰かが書いたメッセージ(?)が。その偶然の共演もまた面白かった。
しばし電車に揺られ、たどり着いたのは塩郷駅。
ここの駅舎にも、カトウマキさんのヒメジョオンが待っていた。
掲示板のような背景、周囲には時計や、もとからそこに設けられていたのだろう文庫本の棚。
学校のような設えに、懐かしさや身近さと、芸術祭の非日常感の混在具合が優しく感じられた。
そして入り口付近にあったのが、オセロ。
栗原亜矢子さんによる作品『かみさまたちのまちじかん』だ。
出雲へ向かう神様たちの待ち時間の過ごし方、遊びの痕跡。
お茶の粉と出がらしを内包したオセロはピカピカ光って、まさに神様が使うのにぴったりな気がした。
この神様たち、かなり時間を持て余していたようで(笑)あちこちに遊んですごした痕跡が。
これは、ゲームの途中で滑って転んだ跡かな?(笑)
そんなことを想像するのも楽しかった。
そして作品をフィルターに収めながら、作品の周辺に写り込む(いや、すでにはじめからだったかも)景色が素晴らしくて。
作品が生まれた経緯も含めて、この場所に溶け込んでいて、だからこそより惹きつけられる気がした。
塩郷エリアでのもう1つの作品は形狩り衆による『顔の家』。
地元住民の顔から取った型が展示されていた。
神様の痕跡と同様に〝気配〟を感じる作品。でも、こちらの方が人間のそれで、より〝リアル〟。
顔の形や造りの個性はもちろん、しかめ面の顔、無に近い静かな顔、ほのかに微笑んでいる顔と表情もそれぞれ。
型を取った時のその人の心情を想像してやっぱり楽しく、ほっこりした。
それらを見終わって、再び塩郷の駅舎に戻ったら、オセロの状況が全く変わっていた。また神様が時間つぶしして行ったみたいww
(抜里駅エリアへ続く。。。)
『UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川』は絶賛開催中。会期は今月22日まで。http://unmanned.jp/