私の〝偏見に満ちた愛〟が発動した言葉たち。
村上春樹『雑文集』より
ひしひしとひたむきな
あるピアニストの姿勢を表現した言葉。
言葉の響きとしてもステキだし、イメージされる姿勢もきっとステなものだと思える。
すぐれた翻訳にいちばん必要とされるものは言うまでもなく語学力だけれど、それに劣らずーとりわけフィクションの場合ー必要なのは個人的な偏見に満ちた愛ではないかと思う。極端に言ってしまえば、それさえあれば、あとは何もいらないんじゃないかとさえ、僕は考えます。(略)偏見に満ちた愛こそは、僕がこの不確かな世界にあって、もっとも偏見に満ちて愛するものの一つなのです。
〝偏見に満ちた愛〟ってなんかわかる気がする。しかも、それを自身が偏見に満ちて愛するものの一つ、と二重に表現するところがまた彼らしく、秀逸。
そしてこの言葉と似た言葉が、星野源『いのちの車窓から』の中にあったよな、と思って読み返して発見。
いつだって、世界を彩るのは、個人の趣味と、好きという気持ちだ。
自分の好きなモノ・コト、そして好きだというその気持ち。すなわち偏見に満ちた愛を、自信を持って大切にしていこう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?