押さえておきたい!今週話題の「在庫ビールを消毒液に」のニュースをご紹介!
もちづきです!
Voicyの日経チャンネル「ヤング日経」で金曜日パーソナリティを務めています。
「ヤング日経」は、「ヤングならこれだけは知っておこう」というニュースを1日5本、サクッと短くお伝えしているチャンネルです。
毎週金曜日の放送では、その週の「ヤング的トップニュース(ヤング日経でその週最も多くRTされたニュース)」をご紹介しています!
このnoteでは、「ヤングにとって旬で話題なニュースをもっと詳しく!」ということで、番組内でお伝えしきれなかった関連ニュースなどを取り上げてお届けしています。
それでは早速、本編に入っていきましょう〜!
今週のヤング的トップニュースは・・・
【社会の流れ】「在庫ビールを消毒液に キリンとアサヒ」
今週のヤング的トップニュースは、「在庫ビールを消毒液に キリンとアサヒ」でした!
こちら、どんなニュースだったかサクっと振り返っていきましょう!
キリンとアサヒなどがビールで消毒液を生産します。
工場内の在庫を活用し、茨城県の木内酒造で消毒用エタノールとして生産します。
飲食店のビール需要が激減しており、在庫を有効活用します。
消毒液1260Lを生産し、茨城県などに無償提供します。
(「ヤング日経」Twitterより引用・加筆)
飲食店向けに出荷予定だった工場内のビール在庫を木内酒造(茨城県)に運んで、蒸留設備を使って度数70度の消毒用エタノールを生産するそうです。
作った消毒液は同県と県内4市に無償で提供するとのこと。
今回は、このニュースに関連してお酒メーカーがどのようにして「消毒液」を生産するに至ったかについてお話ししていきます!
1. 消毒液が品薄に…
▶︎2月ごろ〜:消毒液の品薄が深刻化
皆さんご存知のように、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、消毒液の需要が高まり、品薄の状態が続きました。
2月の時点で消毒液など除菌用品は品薄となっていました。
1月末からすでに品切れ状態が続いていたメーカーもあるそうです。
2. お酒が「消毒液」として使えるようになるまで
▶︎3月 23日:医療機関がお酒などを消毒液として使用可能に
そこで、厚生労働省は対策を講じます。
各衛生主管部(局)に向けて次のような連絡を入れました。
【ざっくり内容】
・医療機関などで、やむを得ない場合には「高濃度エタノール製品(※お酒など)」を「手指消毒用エタノール」の代替品として用いても差し支えないよ
・使用者の責任で衛生面などを管理してね
・使用する製品は厚労省の出す条件を満たすようにね
・代替品は、法律で定める医薬品又は医薬部外品に該当しなくて、製造や販売をするときにそのへんの法規制を受けないよ
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000611836.pdf
ここでまず、医療機関などは高濃度エタノール製品(お酒など)を消毒液の代わりに使えるようになりました。
▶︎4月 10日:酒造メーカーが「消毒に使える」と表記できるようになった
厚生労働省の対策の改訂版が出ました。
大きく変わったのは次の箇所。
【ざっくり内容】
高濃度エタノール製品の販売業者は、製品の表示や広告等に下の文みたいに記載できるよ↓
「本製品は医薬品や医薬部外品ではありませんが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能です。」
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000620807.pdf
ここで酒造メーカーは、「消毒液がわりに使えます」と言えるようになりました。
3. お酒が「消毒液」として、酒税免除で販売できるようになるまで
▶︎4月 21日:国税庁が、お酒の「消毒液」の製造・出荷ハードルを下げる
次に動いたのは国税庁です。
国税庁は酒造に関する免許の取り扱いなどについて次のように示しました。
【ざっくり内容】
・高濃度エタノール製品関連で出荷毎に税務署長の承認が必要だったけど、包括的に承認するようにしたよ
・「高濃度エタノール製品」に限定したスピリッツ等の製造免許を迅速に付与するよ
参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-076_02.pdf
国税庁は規制緩和を行ない、酒造メーカーが迅速に「消毒液」を製造・出荷できる体制を整えました。
ここまで、
・医療機関などで、お酒などの高濃度エタノール製品を使えるようになった
・酒造メーカーは、「消毒液として使えます」と宣伝できるようになった
・免許関連が緩和されて迅速に製造・販売ができるようになった
と、消毒液の品薄へ対応がなされてきました。
ですが、まだここには問題がありました。
「酒税」です。
3月23日の厚労省の連絡をもう一度確認してみると、「(お酒などによる)消毒液代替品は、法律で定める医薬品又は医薬部外品に該当しない」と記載されています。
つまり、医薬品etcではなくお酒として販売されていたため、お酒の「消毒液」には酒税がかかっていたのです。
このことについて、酒造メーカーや医療機関などから「飲用ではないのに酒税がかかるのか」との意見が寄せられていこました。
▶︎2020年 5月 1日:お酒の「消毒液」、酒税免除
今月1日に、国税庁は「高濃度エタノール製品」の酒税の取り扱いについて発表しました。
発表の内容はこちら。
【ざっくり内容】
条件を満たせば、5月1日以降に出荷するお酒の「消毒液」に酒税が課されなくなったよ!
※条件: 「飲用不可」の表示 など
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/pdf/0020004-157_01.pdf
ということで、お酒の「消毒液」などの酒税免除が決定されました。
現在は酒税が課されていない状態で、お酒の「消毒液」が販売されています。
3. 他にはどんな酒造メーカーがお酒の「消毒液」を生産しているんだろう?
と思って調べてみたら日経のニュースがわんさか出てきました。すごい。
岩手県、埼玉県、新潟県、兵庫県、滋賀県、京都府 などなど、さまざまな地域での取り組みが報じられています。
(↑府県名を押すと、その地域のお酒の「消毒液」に関するニュースを見ることができます)
このように、現在では酒造メーカーが高濃度アルコール製品を生産する動きが全国的に広がっています。
まとめ
ここまでお酒の「消毒液」に関連して、使用、製造・販売、宣伝の認可や酒税の免除に至るまで、また現在の酒造メーカーの取り組みについてお話ししてきました。
ポイントは次の通り。
①[厚労省]医療機関などでお酒などを消毒用で使用可能に
②[厚労省]次に、「消毒への使用可」を表示可に
③[国税庁]その次に、酒造の免許を迅速に付与された
④[国税庁]そして、お酒の「消毒液」の酒税が免除になった
⑤現在、全国の酒造メーカーがお酒の「消毒液」を製造中
「今週のヤング的トップニュース」と合わせてチェックしていただけたらと思います!
それでは、もちづきでした〜!
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