安倍元首相の事件に関する考察
その時僕は日本に帰国中で
朝たまたまTVを観ていたら
緊急ニュース速報の第一報が入った。
おそらく世界で1番有名な日本の政治家の襲撃事件。
そのインパクトは大きく
政治家の暗殺が今の時代の日本で起きるなんて!
っていう意味でもショックが大きい事件でした。
あれから2週間が過ぎ、事件の背景が明らかになると共にいろいろな事実関係やそれにまつわる様々な断面が切り取られニュースになり、SNSでも様々な意見や憶測が展開してます。
犯人の生い立ち
動機に大きく関係する宗教団体
要人警備のお粗末さ
政治家と宗教団体の結びつき
そして安倍元首相の政治的な手法の是非からの国葬の賛否まで
そして今回の一連の流れをここまで見ていて、ちょっと気になるところだけを書こうと思って久しぶりにNOTEを開けました。
犯人の生い立ち
特に宗教団体に歪められた彼の人生を考えると悲しい気持ちにはなります。しかし現時点で知りうる情報を元にすると、情状酌量の余地はあるとしても、その宗教団体が抱える問題と彼の身勝手で凶悪な犯行を混ぜて考えない方がいいと思う。
犯人が作った手製ならではの恐ろしい銃の性質、それでもって犯行を実行した事実。
この手製ショットガンは持ち運びやすい短銃身で弾丸は一つの薬莢(シェル)に6個の金属球入りでそれを犯人は2回発砲してます。
1発目は命中せず、2発目の発射でうち2個の鉄球が安倍元総理に命中し致命傷になったとのこと。
ここからはあまり報道がされないのである程度僕の想像になります。
2発の発射で計12個の鉄球が飛び、2個が命中ということは少なくとも10個の鉄球が物凄い勢いで安倍さんの後方の広範囲に飛び散った事になります。
事実、20メートル離れた場所に停車していた選挙カーの看板を貫通し、別に90メートル離れた駐車場の壁に2個がめり込んでいたという報道がされています。
このどこに飛ぶが予想がつかない鉄パイプ短銃身の銃で、安倍元首相に致命傷を与えられたのはかなりの偶然に見えますが、それよりも沿道にいた大勢の一般の人たちに1発も当たらなかったのは奇跡的と言えると思います。
一般人の犠牲者も出ていた可能性はかなりあった。
犯人は奈良の山中で銃の試し撃ちをやっています。
60cm四方の板を撃っていた。
ある程度の近距離から撃っても鉄球6個全てがその一枚の板に当たってなかったんじゃないか?命中精度の低さを知っていて2発撃てる用意をした。
とすれば犯人は、標的とした安倍さんの延長線上に立つ関係ない一般の人々に命中する(そして死亡させる)可能性も知っていて2回発射したように思えます。
もし犯人が発射した凶弾で他にも犠牲者が出ていたら・・・・
それは自分たちの大事な人かも知れません。
子供、妻、両親、孫、恋人、親友・・・・
そう考えるといかに犯人が危険な人物かと思わざるを得ない。
なので
「犯人がやったことは絶対許される事ではないという前提で話しますが・・・」という語り口からの反安倍の話にもっていく弁者の胡散臭ささや、犯人に同情どころか擁護する人たちは相当気持ち悪い。
それから母親を洗脳したとされる、それこそ地元にある宗教団体関係者を狙わず、一足飛びで安倍元首相を狙ったという動機も何か釈然としない感じがあります。
是非、犯人が撃った鉄球10個の弾道を分析したものを、安倍さんの立ち位置、沿道の人々の分布を含めて、各鉄球の射線と着弾点を3D立体的図解で報道して欲しいと思います。
どれだけ狂気的で危険な犯行かを可視化するためにも。
それにしても
報道機関や放送局、言論の人、そして個人でもそれぞれのイデオロギーや立ち位置で物の見かたに360度違いがあり、この事件に関わるいろいろな事象を通して深い分断が明確になってきてます。今さらだけど乱世な時代に突入してるんだなと思い知らされます。
本当にいろいろな考えの人がいます。
僕から見て「この人は自分とは物事や事象が違って見えてるのね〜」と思う人の中には僕の好きな人や尊敬する人もいます。だからと言って僕はそういう人たちを嫌うこともないし、その逆もないだろうと楽観的に考えてます。
口から食べたものがその人を作っている、と同じく人生においてこれまでどんな情報を見て耳にしたのかでその人のイデオロギーが決まってくると考えると、自分と瓜二つの人は世界に存在しない。どっちみちそういう思いは自分が正しいと思ったり、一歩下がって本当に自分が信じてる事は正しいのか?と自分の内側に回帰する事を繰り返すしかなく、そうやって自分としては他者への尊重と共存ってことを心がけるしかありません。多様性という言葉を使うならなおさらです。
結局政治の事って日常から距離かあります。ですから自分が立候補するつもりがない限り、普通の一般人は各自が選挙投票に必ず行き、粛々と暮らしくしかないって話であり、不毛な分断に加担するのは疲れるだけだと考えてしまいます。
まあ、国葬については特に反対ではありませんが大賛成とも言えない気持ちがあります。特に腑に落ちないのは、もし安倍さんが国葬に値する最重要な政治家ならば、あのペラペラな警護は何だったんだ?っていう事です。本当に残念な結末でしかありません。そしてそっちの検証をまず徹底してやって欲しい。
最後に
それまで日本の首相は毎回コロコロと変わり、これ誰?みたいな総理ばっかりで国の代表というより小番頭的なおじさんが多かった。
アメリカに住む日本人として(あくまで僕個人ね) 安倍さんの現役時代を考えると(日本での内政上の是非はあんまり興味はないですが)国際外交舞台で長年に渡り存在感を示したという意味で、その辺の普通のアメリカ人が初めて名前を覚えた日本の総理 Prime Minister ABE という意味では貴重な存在だったと思います。
それと潰瘍性大腸炎でも総理大臣までやれるという勇気を全患者にくれたんじゃないかな?と思うわけです。それと病名をメジャーにしてくれたので自分の病気の説明が楽になりました。
ご冥福をお祈りします