左利きに使いやすいブルーブラックのゲルインクボールペンが欲しい
【初稿:2022年4月9日】
【最終更新:2023年5月31日】
経年劣化の少ないペンを探せ
2022年の4月から3年連用日記を始めた。
連用日記というのは、数年後に読み返すのが楽しみなものである。そのため、なるべく書いたページがきれいなまま残っていて欲しい。そこで、どの筆記用具を使おうか考えていたのだ。
鉛筆やシャープペンも経年変化しづらいという条件では悪くはないのだが、簡単に消せないボールペンで書き残したいなと思う。
ボールペンと一口に言っても、さまざまな種類のインクがある。そのなかでも経年変化しづらいインクは以下の3種類。
油性インク
ゲルインク
エマルジョンインク
私はインク色のなかでも、夜空を思わせる「ブルーブラック」が好きなので、さまざまな色を作れるゲルインクのボールペンから探してみることにした。
ボールペン選びの条件3つ
ボールペンを選ぶにあたって、3つ条件を決めた。
本体の価格が税込330円以下
軸がおしゃれ
左利きでも書きやすい
1.本体の価格が税込330円以下
まず、「1.本体の価格が税込330円以下」であること。ゲルインクのボールペンは、インクが減りやすい。ゼブラは筆記距離について、わかりやすく明記してくれている。
例えば、サイズ感が近い「油性ボールペン替芯 SK-0.4芯」の筆記距離は「約580m」。「ジェルボールペン替芯 JK-0.4芯」の筆記距離は「約280m」。その差は300mもある。毎日使うので、なるべく低価格帯のボールペンを選びたい。
2.軸がおしゃれ
次に、「2.軸がおしゃれ」であること。毎日手に取るボールペンは、おしゃれでテンションの上がるアイテムだとうれしい。近年発売されているボールペンは、低価格なのにデザイン性に優れているのでありがたい。
3.左利きでも書きやすい
最後に、「3.左利きでも書きやすい」こと。私は左利きなこともあり、ボールペンには悩まされてきたのだ。三菱鉛筆の図解がわかりやすく説明してくれている。
私も例にもれず押し書きなので、ボールペンによってはかすれてしまうのだ。なので以下の2つの条件を満たす必要がある。
①ボール径が0.4mm以上
0.3mm以下の場合、
筆記速度を上げる
筆圧を上げる
と押し書きに加えて、ボール径の小ささからインクの出が悪くなり、かすれてしまう場合が多い。逆に、筆記速度を下げて、筆圧を下げれば、比較的問題なく使える。
※これは検証の結果わかった。サラサナノ0.3(0.3mm)とユニボールワン(0.38mm)は検証初期に買ったので0.3mm以下のボール径になる。ちょうどいいボール径は人によって違うので、試してみてほしい。
とはいえ、0.3mm以下のボールペンも使ってみたいので、試筆できるものは積極的に試してみたいと思う。0.3mm以下のゲルインクボールペンで良いものをご存じの方は、教えてほしい。
②インクの乾きが早い
左利きの場合、横書きすると自分の手で書いた文字にすぐに触れることになる。インクの乾きが遅いと手が汚れてしまうことも。そのため、インクの乾きの早さも重要だ。
ブルーブラックのゲルインクボールペン7本
以上の条件から、ゲルインクボールペンを選んでみた。
書き心地に関しては、ボールペンの個体差や個人の書き癖が影響する。私が使いにくいボールペンも、おそらく右利きの方なら難なく使えると思われる。個人の感想なので、ご了承願いたい。
①サラサナノ0.3|ZEBRA|税込¥220
書き心地 :カリカリ
インクの乾き :早い
インクのかすれ:ややあり
替え芯 :ブルーブラックあり
見た目 :グリップから軸まで同色で洗練
挟めるクリップなので便利
まずは「サラサナノ0.3」。たくさんSARASAシリーズのなかでも、極細なのにくっきり書けるのを売りにしているシリーズである。
内蔵のスプリングが筆記時のガリガリ感を吸収し、インクを安定して排出。…するはずなんだけど、左利きのせいか個体差なのか、私にはややかすれが気になる感じ。特に筆記速度を上げるとかすれやすい。
経験上、SARASAでも太さ0.4以上だと普通に書けるので、0.3という細さが災いしちゃったのかもしれない。(ボール径が大きいほど安定してインクが出るため。)
握ったときのバランスは、通常のSARASAより低重心で好み。
見た目は、SARASAおなじみの挟めるクリップと、インク色に合わせたボディカラーで便利さとおしゃれさを兼ね備えている。
SARASAシリーズは種類が多いので、大きい文具店で試せば自分に合うタイプが見つかるだろう。
▼今回紹介したのはこちら。
②ユニボールワン|uni|税込¥132
書き心地 :カリカリ
インクの乾き :早い
インクのかすれ:ややあり
替え芯 :ブルーブラックあり
見た目 :マットな白ボディのミニマルデザイン
次は「ユニボールワン」。くっきり濃い文字が書けるのに、裏写りしないペンだ。あとで筆記画像を載せているので見て欲しい。
海外のペンのようなミニマルデザインは、とても税込¥132とは思えない。デザインだけでいうと個人的に一番好き。
が、残念なことに急いで筆記すると、かすれてしまう傾向にある。筆記速度を下げると安定するようだ。
※2022年6月1日追記
0.5mmを試筆したら、スムーズに書けたのだ。最初から0.5mm買えば良かった。
見た目にこだわらない場合、左利きの人は「ユニボール シグノ」が経験上安定して書けるのでおすすめ。
▼こちらはブルーブラックを含む8色セット。
③ジュース アップ|PILOT|税込¥220
書き心地 :スルスル
インクの乾き :早い
インクのかすれ:なし
替え芯 :ブルーブラックあり
見た目 :ブラックボディにインク色に対応した
グリップ
「ジュースアップ」は、独自のシナジーチップと新顔料ゲルインキで、極細ながら滑らかな書き心地を叶えたボールペン。
書き心地は、引っかかりがなく安定して書けた。インクの裏抜けもないのがうれしい。
やや気になるのがノック部分。ペン先を出したときにノック部分が固定されないので、ペンを上下させるとカチャカチャと音を立ててしまうのだ。
書くときにはさほど気にならないが、考え事をするときにペンを動かす癖がある方は気になるかもしれない。
▼今回紹介したのはこちら。
④エナージェル インフリー|ぺんてる|税込¥220
書き心地 :ヌラヌラ
インクの乾き :早い
インクのかすれ:なし
替え芯 :全色あり
見た目 :クリアボディにインクカラーが見える
「スッと書けて、サッと乾く」ぺんてる定番のエナージェルを、ビジネス向けながら鮮やかなカラー展開と透明軸にしたことで話題になった「エナージェル インフリー」。
見た目は、ノック式ではめずらしい透明軸。着色されたリフィルパイプが見えて、カクテルのようなおしゃれさ。
ボールペンとは思えないヌラヌラとした書き心地なのに、インクがすぐ乾くので書き心地は快適。
おしいのは、紙によっては裏写りしてしまうことだ。次に筆記画像を載せているので見て欲しい。
▼こちらはブルーブラックを含む5色セット。
⑤サラサR|ZEBRA|税込¥110
書き心地 :カリカリ
インクの乾き :早い
インクのかすれ:なし
替え芯 :なし
見た目 :艶感のあるホワイトボディ
たくさんあるSARASAシリーズの中でも、濃く鮮やかに書けることを掲げた「サラサR」。
「サラサナノ0.3」を試したとき、かすれてしまったのはボール径が0.3だったからなのでは?ということで、太さ0.4のこちらを試してみた。
思った通り、スムーズに筆記することができた。筆圧を上げて早めに書いてもかすれない。握ったときのバランスは、通常の「サラサクリップ」と同じに感じる。
同じSARASAのブルーブラックでも、「濃く鮮やか」に書けるサラサRの方が暗い印象のインクになる。そのせいか紙によっては、やや裏写りしてしまう。
今回の検証で、同じメーカー・シリーズでも比べて使ってみないとわからないものだな、と気付かされた。
▼こちらはブルーブラックを含む5色セット。
⑥ボールサイン iD|サクラクレパス|税込¥220
書き心地 :スルスル
インクの乾き :早い
インクのかすれ:なし
替え芯 :全色あり
見た目 :金属クリップとクリアブラックボディ
の組み合わせがモダン
黒だけで6色のインクカラーバリエーション、独自のiD設計が話題になった「ボールサイン iD」。
こちらのブルーブラックは「ナイトブラック」という名前がついている。他の色もグリーンブラックが「フォレストブラック」など、おしゃれな名前だ。
今回は、限定軸色第一弾のスケルトンボディを選んでみた。元々スタイリッシュなデザインだが、クリアブラックのボディでトレンド感が増した。
書き心地は安定しており、スルスルと書けた。握ってみて、重さを感じさせないバランスだ。暗めのカラーなのに、裏写りしないところも嬉しい。
人によっては気になると思うのが、軸と先端の段差。他のボールペンより明確に段差があるので、ペン先側ギリギリを持つクセのある人は、違和感があると思う。上位モデルの「ボールサイン iD プラス」は段差が気になりにくい設計になっていた。
▼こちらは通常版のナイトブラックを含む6色セット。
⑦ イルミリー ニュアンスブラック|税込¥330
書き心地 :スルスル
インクの乾き :早い
インクのかすれ:なし
替え芯 :全色あり
見た目 :パールホワイト軸でラグジュアリー
な雰囲気
2023年5月23日に発売された「ILMILY(イルミリー)ニュアンスブラック」。ニュアンス違いの黒が、7色から選べる。全色替芯が用意してあるのは、ありがたいところ。今回私は「ブルー」を選んでいる。
書き心地はスルスルと滑らかで快適。一見、軽そうなペン軸だが、本体ペン先に金属が入っているため低重心である。
今まで紹介したボールペンのなかで、唯一スライドノック式を採用しており、好みが分かれるところだと思う。
▼今回紹介したボールペンはこちら。
筆記画像
同じブルーブラックと言う色名でもメーカーによって発色は違う。このへんは好みが分かれると思う。最も黒に寄っているのが、イルミリー ニュアンスブラック。最も青に寄っているのが、ジュース アップ。
ちなみに、くっきりとした発色をうたったユニボールワンとサラサRは、実際のボール径より太く見える。
どのボールペンもインクの乾きが早いので、手でこすってしまうことはなかった。
今回試したボールペンのなかでは、裏抜けするものはない。ただし、一番太い0.5mmだということもあるが、エナージェル インフリーが裏写りしてしまう。また、サラサRも紙によっては、やや裏写りする。
経年変化について
①〜⑥までのボールペンは、2022年4月9日に書き込んだもの。2023年5月31日に確認した時点で、経年変化は見られず書いたときの状態をキープしている。
まとめ
個人的な感想は、
デザインが好き
ユニボールワン、サラサナノ0.3書き心地が好き
ジュース アップ、エナージェル インフリー、ボールサイン iD、イルミリー ニュアンスブラックインクの発色が好き
サラサR、ボールサイン iD
連用日記には、裏写りがないことと書き心地を重視して、ジュース アップとボールサイン iDを使うことに決めた。
やはり、すべての希望を1本のボールペンで叶えるのは難しい。ただ、税込330円以下でおしゃれで書き心地の良いアイテムを作っている、日本の文具メーカーには驚かされるばかりだ。
こちらの記事は、新しいボールペンを試したときや、経年変化を確認したときなど、随時更新しようと思う。マガジンの「杉浦文具店」からチェックして欲しい。
更新履歴
※ 2023年5月31日追記
更新履歴の見出しを追加
写真撮り直し
以前の写真は暗かったため、見やすいように写真を撮り直した。ボールペン選びの条件3つ
物価高の状況から、「税込300円以下」を「本体の価格が税込330円以下」に変更。「ブルーブラックのゲルインクボールペン7本」
⑦を購入して、試してみた。替芯の有無を追加
筆記画像
経年変化について①〜⑥のボールペンについて書いた。
※2022年6月1日追記
ユニボールワンのボール径について追記。
※2022年5月27日追記
「ブルーブラックのゲルインクボールペン6本」
元々あった4本(①〜④)に加え、さらに2本(⑤、⑥)購入して試してみた。
ご興味あったらこちらもどうぞ
文具マガジンやっています。子育て中の母親として使っている文具と、完全に趣味趣向の文具を紹介しています。
▼「左利き向け文具」記事まとめはこちら。万年筆やつけペンなど書く文具から、ハサミや定規まで幅広く紹介。