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静かな追放(居場所喪失) ─ 心を病んだミドルカップルの今

パートナーの病と私の居場所

はじめに

私たちは二人とも心療内科に通院中です。
私は更年期障害と原因不明の腹痛、彼はうつ病。
通院はしていても好転せず、仕事を探すことすらままならない毎日。
そんな私たちの日常が、少しずつ歪んでしまったのは当然の成り行きといえましょう。

奪われた居場所

朝7時から昼過ぎまで、私は外をさまよっています。
午前中は起きて居られるので、通院日以外でも、カフェ、ファストフード店、図書館などなど・・・経済的負担の少ない所を選んで、少しでも体力をつけようとしています。
でも、本当の目的はパートナーの眠りを妨げないためなのです。

自分も万全とは到底いえない不調を抱えながらの外出は楽ではありません。
自分も安心して家で横になりたい・・・。
それでも、彼の寝息を聞きながら過ごすより、外にいる方がまだマシだと感じた自分の選択が、午前中の外出でした。

彼の状況

10数年前に発病し、2度の入院歴がある彼。今年の春に症状が悪化し、8月に退職。
10月からの新しい薬の影響で、ほぼ寝たきりの状態です。
15時間は眠っているでしょうか。
以前の薬よりも、気分の改善が見られません。

すれ違う日常

  • 掃除も料理もできない彼

  • 身だしなみを整えることすら困難に

  • バスタブの清掃もままならない

そんな中で、彼は「色々無理だ」とこぼしました。
うつの体調不良が紡ぎだした言葉にしておきたいところですが、彼が家事に参加することはほとんどありませんでした。
私は程度を少しずつ下げて、最終的に自分が汚したバスタブだけは清掃してほしいとお願いしましたが、かなえられたことはありません。

調子が悪い同志でも助け合いながら生活していければそれでいい。

その私の願いは叶うことなく、さらに、彼がつぶやいた「無理」の中に、私との生活の終わりが含まれていることを私は聞き逃しませんでした。

共に暮らすようになって20年。
「情」はあっても互いのために続けてはいけない関係なのだろうと認めずにはいられなくなりました。

私自身の闇との対峙

カウンセラーは言います。
私が彼に執着してしまうのは、「愛着の問題」だと。
振り返ってみると、当の昔に彼との生活の破綻は訪れていた気がします。

幼少期からの精神的なネグレクトを受けた私だからこそ、
やっと得た理解者である彼への執着が強くなってしまったのかもしれません。
そして、その執着が彼をも壊していったのかもしれない。
…そう思うと、やりきれない気持ちになります。

これから

物理的な家は存在していても、心の居場所が失われている現実。
彼を憎むわけではありません。
ただ、理不尽さを感じずにはいられないのです。

私の家が、家として存在していない。
この世のどこにも、私が安心して眠れる場所がない。
そうできると信じて作ってきたはずの場所まで奪われた気がしています。

でも…人生とは往々にして理不尽で不公平なものです。
悔しいけれどその現実を私は良く知っています。
未だに受け入れがたいと思いながらも、受け入れないと生きづらくなることも分かっています。

これからの道を、じっくりと考えていこうと思います。

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