みん日17課 目的語の主題化(を→は)
「みんなの日本語」17課 目的語の主題化(を→は)の導入部分です。
教案作成時、Web上に公開されている教案を参考にさせていただくことが多いのですが、
この項目では主題の「は」より対比の「は」に近い例文を提示している教案が多かったため、
今回自分が行った導入を備忘としてまとめました。
私自身まだまだ新人のため、アドバイス等ありましたら是非コメントにてご教示いただけますと幸いです。
教案(閲覧用)
教案(コピペ用 プレーンテキスト)
WordやOneNote等にコピペして編集される方向け
図やマーカーがない以外は上記と全く同じ内容です
≪Point≫
• 主題(トピック)を文のはじめに持ってきて、「を」→「は」にチェンジする
• 主題化するべきかどうか(目的語がトピックであるかどうか)は文脈によるので、単文ではなく場面を示す
• とりたて助詞「は」の用法のうち、主題のみ既習で対比は未習(27課)。混乱を避けるため主題に焦点を当てて導入する
ただし練習C3が対比用法になっているので厳密に対比の例文を排除しなくてもいい
• この課では、出発点、通過点などの「を」ではなく目的語の主題化のみを扱う
≪導入≫
T:助詞の復習です。(「助詞」カードをはる)
助詞は、言葉と言葉をつなげて(connect)、文にします、センテンスにします。
助詞はなんですか?例えば、朝ご飯を食べます。「を」、助詞です(板書:を)教室で勉強します。「で」、助詞です。(板書:で)
「と」、助詞です。友達と……
S:友達と会います
(初級の助詞で例文を作らせ、助詞という概念を導入するついでに普段の発話でよく間違えているところを復習する。)
※助詞の英訳を聞かれたら「うーん……particle(不変化詞)です、でも英語に助詞はありませんから……」と濁す。particle=助詞ではない
T:電車「に」のります。教室「で」勉強します。に、で、どう違いますか(エラーが多い助詞の使い分けを説明させる)
S:「に」はゴールです
T:そうですね!教室に入ります、椅子に座ります、バスに乗ります…ゴールです。
「乗ります」は電車がゴールと認識しにくいが、もともと何かの「上に乗る」が中心的な意味なので「に」とセット
じゃあ、佐藤さんの髪は長いです。佐藤さんは髪が長いです。どう違いますか(板書:佐藤さんの髪は長いです。佐藤さんは髪が長いです。)
S:トピックが違います。
16課の「N1はN2がAdjです」を復習しながら、「は」がトピックの助詞であると気づかせる
T:そうですね、佐藤さんの髪は長いです。トピックは?
S:髪
T:そうです。髪がトピックです。佐藤さんの髪は長くて、黒くて、綺麗です。髪のことを話しています。
佐藤さんは髪が長いです。トピックは?
S:佐藤さん
T:そうですね!佐藤さんは髪が長くて、親切で、かわいいです。佐藤さんのことを話しています。
「は」は、トピックの助詞です。(「主題」カードをはる)
「は」の前がトピックです。
「は」の前がトピックで、「は」の後ろでトピックの解説(explanation)をする
T:服を買います。どこで買いましたか?(ユニクロのロゴを見せる)
S:ユニクロで買いました。
T:ユニクロで服を買いました。(板書:ユニクロで服を買いました。)
「その服、素敵ですね。どこで買いましたか?」 服の話をしていますから、服がトピックです。
服「を」、服「は」にチェンジします。そして、トピックは大切ですから、文のはじめ、トップに行きます。
(板書)
ユニクロで この服を 買いました。
topic
この服 は ユニクロで 買いました。
T:リピートしてください、この服はユニクロで買いました。
S:この服はユニクロで買いました。
目的語(服)についての会話がすでに始まっている場面を使うことで、それがトピックであることを明確に提示する
T:パンを買いました。どこで買いましたか?(学校の近くにあるコンビニのロゴを見せる)
S:セブンイレブンで買いました
T:セブンイレブンでパンを買いました。(板書:セブンイレブンでパンを買いました)
そのパン、おいしそうですね。パンの話をしていますから、パンがトピックです。どこで買いましたか?
S:このパンはセブンイレブンで買いました(その→この)
※未習語彙「おいしそう」:意味を質問されたら…→パンを食べました。おいしいです。わかりますね。
でも、まだパンを食べていませんから、本当においしいですか?おいしくないですか?わかりません。
パンを見ます。本当においしいですか?わかりませんが、たぶんおいしいと思います。おいしそうです。
セブンイレブンで このパンを 買いました
topic
このパン は セブンイレブンで 買いました
≪練習≫
●教科書の問題(Bー8 / C−3)
参考
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?