許せるようになるまでは
実家に帰ってきて、色々話していて、
今回別れる結末になってしまった事に対して、
両親も怒りを感じているのかなと思った。
今回始めての同棲だったし、
きちんと実家まで挨拶に来たのは彼が初めてだった。よく電話でいつ結婚するのかと聞かれたし、ダラダラしない方がいいよと言われたこともあった。
高級な魚や果物、お米なんかも度々送ってくれて、東京に来た時も、2人にちょっといいランチをご馳走してくれたり、絶対に娘を幸せにしてくださいよとそんな祈るような気持ちで見守ってくれていたのかもしれない。
私が、これから彼は大丈夫かな?となんの気なしに言ったら、あなたの方がこれから大変なのに何言ってるの!年も上だし、地方に戻ってきて失うものが多いのはあなたでしょ?とズバっといわれてぎくっとしてしまった。
確かに彼の実家の徒歩圏内で同棲してたし、同棲解消しても大きく環境が変わるのは私なんだよな。
なんで最後の最後までお人好しというか能天気に人の心配をしているのか、ちょっと馬鹿らしくなってくる。
覚悟を決めて付き合って、ゴールに向かってたはずが、のらりくらり決断を先延ばしにしたのは彼の方だった。
一緒にいるうちに情が湧いてきて、もうはっきりさせなくてもいいかと思ったこともあったけど、
問題に向き合ってくれない事に対して、傷ついて、もうこれ以上無理だと感じていた。
穏やかで楽しい時間も数えきれないほどあったけど、それだけでは癒されない悲しみとか虚しさもあった。
私はもう大丈夫だと思っていたけど、
色んな感情に蓋をして全部忘れようとしていたのかもしれない。
もちろん前に進むためにその気持ちに囚われることは良くないけれど、自分が傷ついたことをなかったかのようにしていたことに、自分で腹が立った。
傷が疼きだしたときは、
良く頑張ったね、たくさん学んだねと
自分に何度も声をかけてあげる。
そしてその傷が癒えたとき、
穏やかで楽しかった日々の記憶だけを
思い出に持っていられるのかもしれない。