第15回目AppsFlyerパフォーマンスインデックス分析:開発者はリテンションインデックスから分かる傾向
モバイル広告業界およびモバイルアプリ開発者にとって、2022年は浮き沈みの激しい一年となりました。Appleが発表したプライバシーポリシーのアップデートや、世界的な景気後退およびパンデミックがマイナス要因として考えられます。このような状況下、海外市場で持続的な成果を得るには、業界の変化や各プラットフォームのイテレーションによるメリットを迅速かつ正確に把握することが唯一のカギとなります。10月12日、AppsFlyerが第15回目のパフォーマンスインデックスを正式発表しました。内容は、AppsFlyerが監視測定する500のメディアチャネルに存在する19,000のモバイルアプリにインストールされたアプリ270億種以上のアクティビティ総量データをもとに、2022年1月~7月のAndroidおよび承認ATTのiOSユーザーデータをまとめたものです。
開発者にとって今後の機会創出に繋がるよう、本稿では、レポートに反映されているAndroidとiOS両端のトラフィック量の変化およびカテゴリー別、市場別の有力広告プラットフォームを整理します。
リテンションインデックス概要
2022年の厳しさを最も端的表しているのは、広告予算の削減です。アプリの広告予算は、2021年10月~12月期から2022年1月~3月期にかけて2%増加しましたが、2022年の4月~6月期には前年の同時期に比べ14%減少し、アプリの平均予算は12%減少しています。このような状況では、開発者がチャレンジする余地が極端に狭まるため、予算配分は慎重となり、収益力が高く効率的なプラットフォームに重きを置くようになります。プラットフォームのトラフィックのリテンション率に注目することが最重要課題です。
リードし続ける世界トップ2との差は縮まる
世界のカテゴリー別リテンションインデックスを見ると、Android市場においては、Google AdsとMeta Adsが実力と規模の両面で圧倒的なシェアを維持しています。しかし、深く掘り下げると、この二大勢力もそれぞれのアプリインストール市場でのシェアは、以前に比べて減少していることがわかります。
iOSでは、Apple Search Ads市場が最も成長が速く、2021年上半期(1~6月)から現在までに3倍以上の成長を達成し、実力・規模両面においてiOS市場1位の座を確保しています。一方、Meta Adsは規模では2位となり、SKANインデックスではIAE、IAPゲーム、IAP(金融系を除く)ではトップに座り、好調に推移しています。
ここ2年、Google Ads、Meta AdsとASAはそれぞれAndroidとiOSが有する世界トップのプラットフォームでしたが、2021年下半期(7~12月)から状況が大きく変わり、世界トップと追随プラットフォームの差が縮小しつつあります。原因としては、Meta Adsを中心としたトッププラットフォームの衰退と、一部の非トッププラットフォームが細分化した市場問題に対し、革新的なソリューションを採用したことが考えられます。
両端での成長は著しく、Mintegralが総合的に最も好調
上記のチャートを比較すると、次世代の広告プラットフォームを引率する存在となる可能性が高い追随プラットフォームは、Mobvista傘下のプログラマティック広告プラットフォームのMintegralで、過去6ヵ月で最も著しい成長が報告されています。
MintegralはAndroidのグローバルリテンションインデックスにおいて、実力(1つ上昇)と規模(2つ上昇)ともにGoogle Ads、Meta Adsに続く世界第3位に上昇しました。iOSのマーケティング環境が整備されていない中、Androidチャネルは広告主が効率的に顧客を獲得できる重要なツールとなりました。開発者にとって特に注目すべきは、Mintegralがトラフィック量を拡大しつつ、トラフィック品質も確保できていることです。iOSのグローバルリテンションインデックスにおいて、Mintegralは実力第3位(1つ上昇)、規模第4位(2つ上昇)にランクインし、iOSでのトラフィック品質を維持しながら、トラフィック量も増加しつつあります。また、Mintegralは今年のSKANインデックスに初めてランクインし、IAAゲームでトップ5、ハイパーカジュアルゲームでトップ6に入ったことから、この半年でiOSエコシステムへの適応力がより一層向上したことが分かります。
比較してみると、Mintegralはトラフィックの規模と品質の両方で着実に向上しているため、高品質なトラフィックを素早く手に入れるには、有力な候補と言えるでしょう。我々の分析によると、Mintegralがここ2年に急成長した背景には主に2つの要素が関係しています。1つ目は、親会社のMobvistaが昨年SolarEngineを買収し、AdTechとMarTechが融合したことで、より完璧なデータを開発者に提供することができたことです。2つ目は、Mintegralがプログラマティックプラットフォームとして、迅速にアルゴリズムや技術をアップグレードしたことで、開発者のニーズに対応できたことです。例えば、コンテキスト情報から得られるユーザーの興味に基づき、即座にユーザーのモデリングを行い、クリエイティビティとアルゴリズムを融合させるなどです。
総合的に見ると、Mintegralは両方の市場において、最も輝かしい成長を遂げており、開発者にとっても、今後注目すべきプラットフォームです。
まとめ
モバイルマーケティング業界は、激動の上半期を乗り越えたものの、全体的にはまだやや下降傾向にあるため、この先もさらに多くの課題が待ち受けていることでしょう。広告戦略がより複雑化する中、モバイル広告の最適化には、より高度な配信戦略およびツールとしてのプラットフォームが必要になってきます。AppsFlyer第15回目のパフォーマンスインデックスを総合的に分析した結果、GoogleとMetaの市場シェアは低下したものの、Androidにとって依然として最もコアなチャネルとして存在し続けるため、これまで同様に注目していく必要があります。また、Mintegralは今年最も成長が著しく、注目すべきプラットフォームの1つであると考えられます。単一の配信戦略ではなく、特定の配信過程で、トップとミドルの強力なチャネルを効果的に組合せ、最適化することが、この逆境を乗り越える手立てとなるでしょう。
Mintegralについて
Mintegralは世界中のモバイル広告主やパブリッシャーに向けて、ユーザー獲得、マネタイズ、クリエイティブのソリューションを提供するモバイル広告プラットフォームです。Mintegralは、SSP、DSP、DMP、アドエクスチェンジ、広告主セルフサービスプラットフォーム、クリエイティブ自動化プラットフォームなどの革新的な製品を通じて、グローバルな成長へ貢献しています。(https://www.mintegral.com/jp)
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