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サイクリストにとってケトン食は有効なの?

RIZAPのダイエットプログラムで一躍有名となった「低糖質」
今では「ケトジェニック」「ケトン食」とも言われ、
多くの方がダイエットの際に取り入れています。

そもそもケトジェニックとはどういった食事なのか?
摂取カロリーの内訳を

P:30%
F:60%
C:10%

で設定する、非常に高脂質、低糖質の食事を指します。

この食事のメリットとしては、

・食欲抑制効果
・活性酸素によるダメージの抑制

などが挙げられ、摂取カロリーを抑えつつ運動することが可能となってきます。

逆にデメリットとしては、

・継続しにくい
・脂質適応まで時間がかかる
・腹痛になりやすい

などがあり、導入には少しハードルが高いのも事実です。

そもそもケトンとは、肝臓での脂質の消費が過剰に起こる際に生まれるもので、
脳や心臓、筋肉などのエネルギー源として利用されるものです。

通常は糖質がこの役割を担っていますが、糖の摂取がない場合は脂質がこの役割を補ってくれる訳です。

確かに減量時には有効に感じますよね。

ではアスリートのような運動をする人にはどういう効果が期待できるのでしょうか

サイクリストにとって取り入れる意味は?

メリット

数年前からUCIプロチームでも「ケトン食」を実施しているところがあります。
これは長時間の運動をする能力「脂質酸化量」を強化するためです。

長期的なケトン食は「脂質酸化力の強化」、要は

・脂質をエネルギーにする力を強化し、長時間の運動を可能にする
・中強度での運動を脂質で行える
・活性酸素の発生を抑制し、疲労を軽減できる

などのメリットを得られるのです。

他にも補給食の量も減らせるため、胃腸のトラブルからも開放されやすいという
副次的なメリットがあります。

こういった点からケトン食は、

脂質を主なエネルギーとして使えるため、
レースの決めてになる場面まで力を温存できる効果を期待できます。

デメリット

とはいえ、デメリットがないわけではありません。

脂質を主なエネルギーとして使えるため、
レースの決めてになる場面まで力を温存できる効果を期待できます。

ここは正確には表現としては間違っています。

「レースの決めてになる場面まで力を温存できる」
というのは糖質を節約できる。という意味に解釈できるのですが、
正確には

「糖質を利用できなくなる」

というのが実際のところです。

人は与えられたストレスに順応する生き物です。
ケトン食のように、脂質をメインのエネルギーとしつつ糖質を控えると、
糖を利用する際に重要な酵素の活動も抑制され、反応が鈍くなります。

要は糖のない身体で動けるように最適化されるわけですね。

これは高強度運動時に大きなデメリットになります。

クリテリウムやヒルクライムでの高強度時に、
パワーが出ない、高いパワーが持続しないということにもなり得ます。

こういったことから、ケトン食を取り入れる場合は競技次第では致命的なことが起きるので、
注意が必要です。

まとめ

アスリートのケトン食は、大きなメリットもありますが
デメリットもまた大きいものです。

導入される場合は、競技特性や時期、量、生活習慣などすべてを
鑑みた上で行うようにしていきましょう。

流行っているから。という安易な判断で取り入れると
思わぬしっぺ返しを喰らいますよ。

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