今日気になったニュース 2021/6/4
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宇宙ごみ，いわゆるスペースデブリの除去はこれから先人類の経済圏が地球から宇宙へと広がり，今まで以上に地上と宇宙空間のモノの移動が活発になることを考えると避けては通れない重要な問題だ．
宇宙ゴミはケスラーシンドロームと呼ばれるシミュレーションモデルに代表されるように今存在している量でさえ深刻な脅威だと言える．現実に宇宙ゴミの衝突に起因すると考えられる衛星トラブルは発生していることも目を背けられない要因のひとつだと思う．
宇宙ゴミはこれ以上増やさない事と既存の宇宙ゴミの除去，削減が必要ということは多くの人が知る通りだと思う．このうち除去についてだけれども，カンの鋭い方は海洋ごみの除去に似ていると感じるかもしれない．だがしかし海洋ごみと決定的に異なる点はごみの量でも大きさでもなく，僕は宇宙ゴミ自身が持つ速度エネルギだと思う．地球を周回する第一宇宙速度はおよそ秒速7.9キロメートル，マッハ数でおよそ23，よくある100メートル走を100分の1秒ちょっとでゴールすると考えるとその速度で飛ぶものをどうやって回収するのかという気分になるだろう．
勿論地上からの観測が可能なものに関してはある程度相対速度を合わせることや運動方向を合わせることで解決できると思う．では観測できない大きさのものでもしも衝突すると深刻な影響を与えかねないものは？対策としてシールドを装備することが行われているけれど速度も運動方向もバラバラなものを海の漁のように回収することは難しいのではないかと思う．勿論宇宙ゴミの除去に関しての解決方法はこれまで挙げられてきたものがすべてではないし，これからも想像もつかない方法が生まれると思う．
今，世界は新型ウイルスという見えない共通の脅威と戦っている．宇宙ゴミもまた地上からは見えない世界共通の脅威と言えるのではないだろうか．発生源がどうであろうと対処が必要な状況は皆共通している．企業活動の一環として競争の中で技術が進化していく事はもちろん望ましいことではあるが，技術や能力の囲い込みによる悲しい結果が起こらなければよいなと思う．