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ダイバーシティが進まない組織の背景

多様な人材を受け入れ、それぞれが活躍できる場づくりにおいて、経営への効果については様々な分析がされています。調査や研究論文を見ると、多様な人材を受け入れることでコンフリクトが起こる、管理が難しくなるため効果があまり見られない組織の事例もあります。

ダイバーシティが進む組織との違いは、どこにあるのでしょうか?

黄金の3割という理論では、組織の中で3割以上になると意思決定に影響が出ると言われています。3割に満たないマイノリティの存在の場合は、誰もが意見を出しやすい仕掛けを作る等をしなければ、少数派で固まってしまい、それ以上の効果が生まれにくいのではないでしょうか。マジョリティである側が、知らず知らずに、少数派の居心地の悪さを増長させていることもあります。

以前、お子さんを持つ方々の間で子育ての話が盛り上がっていた際に、お子さんがいない方々がとても居心地が悪かったのだと指摘をうけたことがあります。会社員が多いグループの中で少数派のフリーランスが居心地が悪い、シニア世代が多い中で少数派の若者が居心地が悪いなど、大多数側にいると気づかずにその雰囲気を創り出していることがあります。

自分自身が少数派として居心地が悪い経験をした際には強く印象に残るものの、自分が大多数側にいる時には、気づかないものです。俯瞰的に全体を見ることや、少数派であった経験を伝えるだけでなく、どのようにしたら多様な人、それぞれが活躍できる場を創ることができるかまで考えていきたいですね。

また、既に組織の中に入っている方々が、「自分は受け入れられている」という実感があるかどうかも大切です。受容されている実感があれば、他の人材を受け入れることにも寛容になれますが、その実感があまりない場合は、「自分は受け入れられていないのに、なぜ新たな人材を受け入れるのだろう」と無意識に懸念を持ってしまうかもしれません。そうすると、新たな人材にとっての居心地の悪さを、創り出してしまうでしょう。


☑多様な人材が交流できる仕掛けをつくること

☑組織のメンバー一人一人が受容されている実感があるか確認すること

意識して進めていきたいですね。