自己の課題を、社会課題解決に落とし込むまで
週末は、インクルージョンに関する実践を行っている方々のお話をお聞きしました。教育現場で支援が必要な方に対して、当事者の意思決定を受け入れる仕組み、政治参加、多職種の方が連携して支援を行う仕組みについてです。
当事者とその身近にいる人たちだけでなく、他の現場の方や、親戚や友人など広いつながりの方など、他の立場の方が関わることで、知見が広がり支援の可能性が広がります。仕事でも、地域活動でも同じかもしれません。1対1だとアイデアが偏ったり、計画が進まないことに振り回されることがあります。そのためにも、知見がある方がコネクター役として多職種の方々を繋ぐことが大切なのだと実感します。
さて、社会活動を行う最初のきっかけは、自分自身や身近な方の実体験であることが多いのではないでしょうか。例えば、自分自身が組織の中でマイノリティとして辛い体験をしたことや、家族が障害者として生きづらさを感じていること等です。あまりに辛い時は、周囲の助けや休養が必要です。強いプレッシャーを感じる場を避けて、ただ居るだけでいいよと言ってくれる人や場を選ぶことが大切です。
そうする中で、「同じような体験をしている方がいるかもしれない」「話を聞いてみよう」と感じて一歩踏み出す瞬間があります。そう感じたら情報収集や行動を進めていけばよいのです。外部との接触がハードルが高いと感じる場合は、自分との対話を行い、文章にして書き留めておくだけでもよいでしょう。
そうして、行動を行う中で、「他者のためにこの知見を役立てたい」「社会の仕組みの改善に貢献したい」と、感じる時があるのではないでしょうか。そうしたら、ボランティアとして活動を起こすでもよいし、勉強して専門家として貢献するでもよいし、同じ志の方が集まる団体や企業で働くことを考えたらいいのです。
自分の言葉や文章が違ってきた時、それが緩やかに次へ進むときの合図なのかもしれません。焦らず、自分のペースでよいのではないでしょうか。
私自身も、女性が働き続ける場の創出や、多様な人が地域や組織で共存できるダイバーシティ推進に関わる中で、その経験を次の問題解決に活かしたいという考えが深まりました。現在は、性別問わず企業における組織開発や個人の能力開発を担当しています。
注力した数年間があるからこそ、気づきが生まれること、さらに自分の希少価値になっていることを実感しています。