平日はいつも午前様、の時代
最近は企業において男性の育児休業取得率を上げる取り組みが進んでいます。
2019年には、企業のトップが自らの育児経験を振り返り、「もっと子供とかかわっていれば良かった」と嘆く動画が話題になりました。
「もっと一緒にいたかった男性育休100%プロジェクト」より
「平日はいつも帰りが午前様だった」と言う発言に、亡き父もそうだったなと思い出します。
かつては、長時間労働が常で、それに伴う付き合いなどで「家にほぼいない」と言う男性も少なくなかったんですよね。そうしていつかは定年を迎えます。そのように年齢を重ねてから「さあ、暇になったから旅行でも行こう」等と言われても、なぜいまから、周囲はと言う違和感を感じるだけだったりして、社会構造の弊害があったなあと思い出します。
そして、現代でも長時間労働が常で家族との時間が取れないとしたら、「業界特有の慣習」「企業特有の慣習」が深く根付いているのかもしれません。性別年齢問わず「深夜まで働くことが当たりまえで、帰りにくい」職場の声は、現代でもあるのです。
さて、育休の話に戻りますが、こちらのプロジェクトのように「できなかった人」の体験談や想いは、共感しやすいかもしれません。「できている人」がメリットを紹介することに比べて、「自分だけでなく他の方もそうだったんだ」という点で受け入れやすいからです。
同じく、他の施策に関しても、「制度がなかったことでこんなに不便だった」と言う話もあると、聞き入れやすいのかもしれませんね。
父が定年後に突然連絡してきた時は、かなり戸惑った記憶があります。とはいえ、「物心ついたとき、なぜこのおじさんが家にいるのだろう?」と疑問を持っていたほど、子供時代の記憶がないことは言いませんでした。社会構造の変化と、連絡がもっと早かったらよかったかもしれませんね。
参考:厚生労働省「男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設」