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人材開発と組織開発、D&Iの関係

書籍「人材開発・組織開発コンサルティング」によると、人材開発とは人の能力を伸ばすこと、組織開発とは人と人との関係を良好にすること、とされています。

ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様な人がそれぞれ価値を発揮してイノベーション創出等の組織の価値向上を図るものとされています。
NPO法人GEWEL:ダイバーシティ&インクルージョンより)

つまり、D&Iとは、多様な人が能力を伸ばしたり、共生していくために効果を発揮するもので、「人材開発」「組織開発」の両方に作用するものと言えるのではないでしょうか。自分の中の多様性や多様な人と共生するためのスキル獲得という意味では、人材開発につながります。
多様なメンバーが存在するチームの中で、それぞれの強みを発揮してシナジー効果を最大化するという意味では、組織開発につながるからです。

まず、何から始めたらよいのでしょうか?
近年のD&Iの動きとして以下が挙げられます。
・マジョリティが持つ特権の理解を促す
 組織の中で多数派(マジョリティ)である層に対して、アンコンシャス・バイアス(無意識のバイアス)や特権(進学や就職、社会慣習等で恵まれた環境にあること)の理解を深めます。

・個人モデルから社会モデルへの転換
 D&Iが進まないのは、少数派(マイノリティ)に課題があるのではなく、多数派(マジョリティ)のみに快適な環境である社会側に課題があるという考え方です。少数派(マイノリティ)のためにバリアフリーにするのではなく、最初からユニバーサルデザインを取り入れて誰もが心地よい環境を創っておくことなどが挙げられます。
 高齢化が進む日本においては、体調のケアが必要な方も増えてきます。多様な立場の方がそれぞれのスタイルで働ける環境を整える必要性も迫られていますね。


ところで、私たちの誰もがアンコンシャス・バイアスを持っていると言われています。また、ある場面では少数派(マイノリティ)であっても、別の場面では多数派(マジョリティ)として過ごして少数派(マイノリティ)の居心地の悪さに気づいていない可能性があるのです。
 例えば、男性が主体の職場の中で、居心地の悪さを感じている女性が、女性が主体の地域活動では、男性が居心地の悪さを感じていることに気づかないことがあります。

まずは知識を拡充し、周囲と対話を進めていくことが大切ですね。
2024年も人材開発と組織開発の両面に関わるD&I推進者として尽力してまいります。