体験の格差から考えるインクルージョン
先日、家庭の経済環境の違いで、子供時代の学校外の体験の格差が広がっているというニュースが話題となりました。専門家による解説では、「子供の3人の一人が学校外に、旅行やスポーツ、文化活動等の機会が何もない」とのこと。
無料体験のイベントがあったとしても、その情報にアクセスできなければつながらない。周囲の大人の意識の違いも大きいとのことでした。
実際に、無料体験のイベントの案内を見ると「意識が高い人達」が発信していることが多いことに気づきます。そのため、その友人達には届くが本当に困っている人に届きにくい現状があるかもしれません。
市町村の広報誌などは、町内会費を払っている人にしか届かず、公的機関に設置してあるチラシはその場に行く方でないとみる機会がありません。
良い機会を、本当に必要としている人に届けているか、参加しやすい雰囲気を醸成しているかは、ダイバーシティ&インクルージョンを進める上で大切な視点ですね。
一方で、社会で子供を育てる風習が広がることが解決のポイントだとも伝えています。大人が普段の仕事や生活に追われている毎日から、地域活動や学校活動に時間をさける日が出てくれば変わってくるということです。会社員の方の中でも副業やプロボノ体験として、子供食堂の運営サポート等に関わるケースがあります。少しずつ増えていくとよいですね。
ところで、私自身は子供時代に学校外の体験を多く持っていたのですが、あまり身になっていません。ピアノ、水泳、習字、ソフトボール、キャンプ…と、「経験できることはすべてやっておいた方が良い」と詰め込まれすぎていて、こなすことで精いっぱいだったからです。「内向的な性格を変えられるように」と言う親の意図もあったようですが、交流は進まず、内向的なままでした。
役立ったことは本を読む習慣が身に付いていたこと。あらゆる世界とつながり、創造力が広がり、成長することへの希望となりました。想像力のおかげで学生時代から自分で世界を広げることができ、交流も広がりました。
「体験格差」の影響は人それぞれですね。そもそも、何を体験するのかについても議論が進むとよいですね。