キャリア支援者の役割、組織とのより良い関係構築
キャリア支援者への鋭い指摘
キャリアコンサルタントの業務に関わる中で、周囲から鋭い指摘を受けることがあります。
例えば、「個人の視点のみに寄りすぎているのではないか」「個人のやりたいこと重視の考え方は、今の時代は難しいのではないか」等というものです。
言い換えると、「労働市場や組織側の視点が不足しているのではないか」
「時代の変化に合わせて個人も変化が必要だという視点が不足しているのではないか」というものです。
今必要なアップスキリングとは
この議論の背景には、キャリア支援者にもアップスキリングが重要となっている状況が存在しています。つまり、個人の視点に加えて市場や組織の視点の理解も進めること、個人のやりたいことをどう実現していくかの理解も進めていく必要があるというものです。
最近では、DXやAI活用部門等の未経験部門への異動や、リスキリング後にキャリア再構築する方の支援も増えています。過去と未来をどのようにつなげていくのか、キャリア支援者の手腕も問われているのです。
キャリ支援の考え方の基本
現在活用しているプロティアン・キャリア理論においては、自分軸(価値観や能力等)と社会軸(労働市場でのニーズや組織の需要)の2軸を行き来しながら、個人と組織のより良い関係構築を支援します。
その前提となるのは個人と組織のパーパスやビジョンです。
長期的視点と現在とを行き来しながら、自分軸と社会軸を行き来する、そのためにはまず自分自身のキャリアとしっかり向き合っておきたいものです。
相手のための支援ではなく、自分のための支援(手ごたえが欲しいための支援、自分のキャリアを充実させるための支援)となるリスクがあるからです。
私自身も常に自己研鑽に努めています。