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介護を経て、再就職の話

介護離職した方のお話をお聞きすると、「思ったより長引いてしまった」とおっしゃることがあります。育児のように「あと●年したら学校に入学する年齢になる」等の見通しが立たず、回復するのか、入院するのか、もっと悪い状況になるのか、わからないのが介護です。気づけば、5年、10年と経ってしまい、いざ仕事復帰を考えた時には、ビジネスに戻る感を取り戻すことや、スキルの拡充、気持ちの整理に時間がかかってしまうということもあるようです。


なぜ、離職前に仕事との両立を考えなかったのでしょうか?


それには、介護特有の理由があります。

☑育児に比べて、介護で仕事を休んだり働き方を変える例が少なく、周囲に相談しにくい。

☑親の介護の場合、当事者が40代や50代のミドル層となっており、職場で責任があるポジションに就いていることが多いため、周囲への迷惑をかけるくらいならと、退職を願い出てしまう。

☑当事者はビジネス経験がある程度あるため、離職期間があっても、次の仕事はすぐに見つかるだろうと考えてしまう。


まじめな方ほど「周囲に迷惑をかけてはいけない」と退職を選ぶ傾向があるのです。育児や病気を理由に、働き方を変えた経験がある方は免疫があるかもしれませんが、初めて仕事に影響するライフイベントに遭遇した方ほど、その傾向があると実感します。


けれども、今の時代は職場においての両立支援制度も整備されつつあり、自治体や民間のサポート制度等の利用も進んでいます。

職場にて周囲に相談してみると、他にも同じ状況の方がいらっしゃったりします。また、地域や自治体の窓口などですぐに役立つ情報収集もできることがあります。キャリアの相談窓口では、それまでの両立事例を知ることができるでしょう。


育児と仕事の両立する例が進んだのも、最初の一人が声を上げてくれたからです。積み重ねていきたいですね。


参考文献「ビジネスパーソンが介護離職してはいけないこれだけの理由

     「Works 157 介護と人事」リクルートワークス研究所