ミュージカル『侠客外伝』ネタバレあり感想+時系列解説

天使についてや海賊、最終陳述などヒット作を次々生み出すMJ starfishことヒトデの最新作ミュージカル『侠客外伝(『決闘』の前日譚』を紹介します!
ミュージカル『決闘』の解説はこちらへ

演出:ソ・ジョンジュ 作:イ・ヒジュン
作曲:パク・ヒョンスク

まだ4回しか見ていないので、間違っている箇所あれば随時修正していきます〜

☆登場人物☆

-醉仙취선(해영):一心門の弟子。
유성재 조성필

-猛刀맹도(진수):少年高手。
のちに一心門の弟子となる。
이동연 이승준 김채승

-雲剣운검(초요):초家の末の息子。
江湖一番の美人。
박경호 이세헌

-風剣풍검(화영):화家、最後の生き残り。
성재 전우형

-游子유자(담담):少年英雄大会で醉仙と戦う。
なぜか皇軍に追われている。
성재 전우형

-天天천천:皇子。父である皇帝を殺した대마두に復讐を誓う。猛刀によって醉仙に預けられ、一心門の弟子となる。
박경호 이세헌

-飛龍비룡:雲剣と風剣に拾われて育てられた孤児。
のちに一心門の弟子となる。
이동연 이승준 김채승

-燒山소산:龍馬酒楼の점소이(店員みたいなもの)。
유성재 조성필

-대마두:魔教徒たちを率いる男。
성재 전우형

☆あらすじ☆

「おい、점소이!」
「はい、行きます!」
江湖の物語はタダではあげられませんよ〜!
江湖の歴史は崖から始まった!

互いに争う초家と화家。초家の末の息子である초요は、ふたつの家門の戦いを終わらせるために崖から身を投げようとしていた。
飛び降りようとしたその瞬間、手を掴んでください! そんな声が聞こえた。崖から落ちそうになっていた男は화영。초家の敵である화家の最後の生き残りだった。
초요に助けられた화영は、家門の敵討ちだと초요を攻撃する。だが초요は彼を止めた。自分は今から死ぬのだから、復讐は意味がないと。
死にたいと초요は言った。行きたいと화영は言った。
それでも剣を抜いた화영に초요は応じた。戦ううちに少年英雄大会に乱入したふたりは、気づいたときには진수と剣を交わしていた。
場外に弾き飛ばされた화영を除いて、초요と진수の攻防は続いた。だが、結果は引き分け。화영の姿が見えないことを知った초요は彼を探すために大会を離れた。

해영の相手は游子という男だった。扇子で戦うふたりの実力は拮抗しているように見えたが、游子は皇軍を見た瞬間に勝負を放棄して逃げ出してしまった。追いかける해영。
あのまま戦っていたら俺の勝ちだったな! いや、俺が勝ってた! まあ、酒でも飲もうじゃないか。
そんな態度の游子が気に入った해영は、一心門の弟子にならないかと游子を勧誘する。師父様はすごく怖くて他に弟子をとってくれないから、ひとりで修行してひとりで寝てひとりで遊んで…退屈なんだ! 游子も해영が気に入ったと言う。だがそこに皇軍が来て、游子はまた逃げ出した。
一方、崖にしか咲かない貴重な山桃花を見つけた해영は頑張って枝を手に入れる。その瞬間、身を投げようとしていた男を見つけた。少年英雄大会で초요と引き分けたことを恥じた진수だった。
진수の身投げを止めた해영。진수は해영が持っていた山桃花をくれたと勘違いし、そんなに俺のことを思ってくれるなんて…その心は決して忘れない! こう決意する(もちろん해영はそんなつもりはない)。
嬉しそうに山桃花を持っていく진수を止められなかった해영。俺の花!
再度山桃花をとりに行った해영はまた頑張って枝を手に入れる。その瞬間、身を投げようとしていた男を見つけた。游子だった。
游子の身投げを止めた해영。游子は해영が持っていた山桃花をくれたと勘違いし、そんなにry決意ry(もちろん해영はry)。
嬉しそうに山桃花を持っていく游子を止められなかった해영。俺の花!!
山桃花を大事に抱えながら歩いていた진수と游子はばったり出会う。俺のことを思って…貴重な山桃花を…俺以外にも…!? 진수と游子は睨み合いながら、結局ふたりともその場に山桃花を捨ててしまう。
それを拾った燒山。貴重な山桃花を誰が…? 崖にしか咲かないのに…? 龍馬酒楼に戻った燒山のもとに、화영を探す초요が訪れる。초요は幼い燒山に扇子を奪ってみろと言った。頑張る燒山を微笑ましく見守る초요。そこに화영が現れた。
燒山に扇子をあげて、この場を離れるよう促す초요。戦いの結果は초요の勝利だった。だが초요は화영を殺すつもりはなかった。その代わりにこう提案した。名前も家門も捨ててしまうのはどうか、と。
お前をこれから風剣と呼ぼう。お前をこれから風剣と呼ぼう。互いに名を付け合ったふたりは、その日から江湖をふたりで周遊することに決めた。

一心門の弟子になった진수。修行は兄弟子である해영に教えてもらえと言われたと聞いた해영は喜びを隠せない。何が見える? …山。動かせ! わかった。軽々と山を動かした진수。そこに游子が現れる。진수をかわいい弟弟子だと紹介する해영。さあ、もう一度山を動かせ!
またある日、해영は진수に桃花酒を作るように言った。不満ながらも努力する진수。と、どこからか現れた游子。また出た! 진수の視線も気にせず桃花酒に手をつける游子。不味かった。
游子は해영に江湖名を考えてきたという。醉仙。酒に酔う神仙。醉仙は気に入ったが、진수は嫌だと言った。構わずふたりで戯れ合う游子と醉仙。
続けて、游子は해영と진수に迷惑術(顔を変える術)を教えてやると言った。そんな邪な術はいらない、と断る진수。
迷惑術を練習するふたりのもとに진수が走り込んでくる。師父様が…!
下山することを決めたふたり。醉仙は진수に猛刀という名を与えた。一方で、游子はふたりから離れなければならないことを悟っていた。またいつか会えるはずだ、きっと…。
江湖を周遊する風剣と雲剣、醉仙と猛刀。彼らの夢は、ふたりでずっと生き続けることだった。道の途中で、風剣と雲剣は飛龍を拾う。家族のように暮らしながら、彼らは師兄として飛龍に武功を教えた。
四川唐門の毒に倒れた醉仙と猛刀。당고から解毒薬を奪った醉仙は、迷わず猛刀にそれを与えた。解毒薬をふたつ見せて、自分は後で食べるから
、と。本当は解毒薬はひとつしかないのに。もうひとつは、解毒薬によく似た山苺だった。
師兄から解毒薬を奪うなんて江湖人じゃない。猛刀は醉仙のもとを、江湖を離れると言った。皇室が護衛隊員を募集している。むしろ民たちを守る立場になったほうがいいだろう、と。だが、高手である猛刀が江湖から去ってしまえば江湖はどうなる? 風剣は猛刀に勝負を申し込んだ。自分が勝ったら江湖を離れないでくれ。
もちろん雲剣は風剣を止めた。お前が死んだら俺も死ぬ。江湖に飛龍はひとり残されるんだ。だが風剣の決意は変わらなかった。화영。そう呼んだ雲剣に風剣は答えた。風剣だ。その言葉に思わず笑う雲剣。笑ったのか? …嫌? 良い。じゃあもっと笑わなきゃ。
お前が笑うたびに俺は生きて、お前が笑うたびに俺は死んだ。お前が笑うたびに道を見つけて、お前が笑うたびに道に迷った。互いの笑顔が好きだったから、笑って別れなきゃならないのに。それは難しい話だった。
心はもう、江湖を離れてしまった。そう答えた猛刀は風剣に剣を突きつけてこう言った。江湖に必要な侠客は、俺ではなくて風剣だ。
猛刀は手を下さなかったが、風剣は走火入魔(力の使いすぎみたいな…)でこの世を去った。雲剣は猛刀に勝負を申し込んだ。猛刀の手で殺してもらうために。しかし猛刀は雲剣も殺さなかった。それで彷徨っているうちに、魔教徒が龍馬酒楼を襲う場面に遭遇した。両親が殺されて泣く燒山を間一髪のところで助ける雲剣。だが、そこで雲剣は…。

それから7年。대마두が皇帝を廃し、皇子である天天は復讐を誓った。
でも…どうして叔父が? 天天が幼いころ、天天は叔父のことが一番好きだった。一緒に遊んでくれて、山苺をくれた…游子。ある日、游子は皇宮を出て行くと言った。自分はここにいてはいけない人間だからと。また会えるよね? 天天の言葉に、游子はこう答えた。胸の中にいるから、いつでも会える。
どうして叔父が裏切ったのか。叔父、いや…대마두!
猛刀は天天を弟子として醉仙に預けた。だが天天は崖から落ちて記憶を失ってしまった。
飛龍をふたり目の弟子として迎えて、天天と飛龍の修行は始まった。だが飛龍はなかなか天天に心を開こうとしない。自分にとっての師兄は風剣と雲剣だけだから、記憶の中に入ってこないでほしい。阿龍にとっての師兄が風剣と雲剣だけだとしても、自分にとっての師弟は阿龍だけだ。天天の心に触れるうちに、いつしか飛龍も天天を認めていた。
ついに一心門の秘術が手に入った! どういう意味だろう、これ。師兄、師兄!
… 一心門に入って師兄ができたんです。名前は天天。風剣師兄、雲剣師兄。面白い話をしてあげましょうか? 美味しいものは食べないで、まずいものだけよく食べる天天師兄。つまらない話を笑いながら聞く天天師兄。そして今、一心門の秘術を…師兄?
「阿龍、師父様が…!」

ああ、まさか俺が弟子をとって、しかも試験までやるなんて! もし猛刀がいたら…いや…。一心門の秘術を書いた巻物を得るための試験の最中、ついに대마두が現れる。天天を殺すために来たのだ。
醉仙は迷惑術で天天に顔を変えて대마두と対峙した。だがその顔は…游子だった。
游子、俺、醉仙だ! 醉仙の言葉にも대마두は眉を顰めるだけ。游子が醉仙を忘れただって…? 대마두はただこう言った。俺は皇帝の弟にして魔教の頭、대마두。偽者だ! それなら…游子に何をした!? 醉仙は游子の姿をした대마두を攻撃できなかった。刀を奪われ、斬られる醉仙。天天を殺したと誤解した대마두はその場を去った。
天天には、師弟を守れと。飛龍には、師兄を忘れるなと。猛刀には、自分より先に死なないでくれと。醉仙はそう言い残した。ただ、游子…お前とは約束できなかったな。
江湖人として死ぬことは、醉仙にとっては本望だった。

醉仙…!
무저갱(皇宮の下にある牢屋みたいな…)の中で、猛刀と游子は醉仙を呼んだ。…なぜここにお前が? 互いにその疑問が浮かんだ。だが今の猛刀にとって、彼は游子ではなく대마두だった。敵意をあらわにする猛刀に、游子は静かに語った。
游子が皇帝の弟であること、それだけが事実だ。姿と立場を대마두に奪われたせいで、皇帝は…대마두に出会う前に俺は死んでおくべきだった! 天天を守ってくれて感謝する。游子を振り切って猛刀は後ろを向いた。それでこんなところに捕まってるだって?…お前もせっかく醉仙が解毒薬を譲ってくれたのに、結局こんなところにいるんじゃないか! この期に及んでもふたりの仲は悪かった。
醉仙。江湖いちばんの酔っぱらいで浮気者で怠け者。でも誰よりも高手で、いいところもたくさんあって、だからこそ胸が痛い。何も考えられなくなっても、ただ…ただ、会いたい。その気持ちだけ。ああ、本当に最悪だ。
醉仙に会いたい。游子と猛刀は醉仙の思い出を語り合った。次第に弱っていく游子を抱えて猛刀は天を仰いだ。游子は最後まで、醉仙に会いたいと、そう言った。

猛刀と醉仙が毒に倒れた日。游子は당근に顔を変えて、四川唐門に乗り込んだ。おい、당고! はい、父上! 당고に解毒薬を渡せと言うが、당고はひとつしか渡さなかった。なぜかと聞くと、解毒薬はひとつずつ作る決まりだと言う。
誰がそんな愚かな決まりを作った! 父上です! …まさか、偽者!? こうしてバレた游子は四川唐門から逃げ出した。
醉仙に解毒薬を渡した游子。5時間以内に食べないと、武功を永遠に失ってしまう。早く食べろと促すも、醉仙は食べようとしない。
どうせ猛刀にあげる気だろ。
い、いや、俺が食う!
醉仙は嘘をつくことができなかった。元来、嘘をつく方法がわからない人間だった。
解毒薬を譲られたと知ったら、猛刀は絶対に自分を許さないだろう。
江湖には猛刀が必要だ。
猛刀は江湖を離れるだろう。醉仙からも。どんなに会いたかったとしても。猛刀には醉仙が必要なのに。
…大丈夫だ。
游子はとても悔しかった。それでも、嘘をつくことのできない醉仙に助言してやった。本当のことだけ言えばいい。そうだ、解毒薬は山苺に似ている! 両方持って行って、これが解毒薬だと言えば! ありがとう、游子!
それが醉仙と游子の最後だった。

무저갱に閉じ込められた天天と飛龍は猛刀と出会う。記憶を失った天天に、猛刀は使命を思い出すよう語りかけた。
皇子ではなく武者になる。復讐のために。
猛刀も一緒に脱出しようと言う天天に、猛刀は首を振った。皇室の護衛隊長としてではなく、江湖人として死にたいと。
天天、これからはお前が俺の夢だ。
天天と飛龍を送り出してから、猛刀は무저갱の柱を破壊した。崩れゆく中で、ただ猛刀はこう呟いた。
ありがとう、醉仙。
天天は再び秘術の意味を考えていた。武功を失ったとき、その切実な心で真の秘術を知ることができる。이인일정 사인일일심. 행,협,일,심?
一心門の最後の教えは、武功ではなく侠だ! 行侠一心。武功を失ってもともに戦うことができる!

天天と飛龍、そして燒山。점소리として生きてきた燒山にも、別の物語があった。
雲剣に命を救われたあの日。燒山を庇いながら戦った雲剣は、대마두の刃に倒れた。加勢した猛刀によって대마두は退却したが、雲剣の出血は止まらず、回復は見込めそうになかった。
燒山に阿龍の姿を見て語りかける雲剣。燒山は泣きながら雲剣を抱きしめることしかできなかった。猛刀は燒山に、一緒に皇室に来るかと言った。だが燒山は首を振った。龍馬酒楼を守らなければならないから、と。
それから燒山は懸命に武功を学んだ。師兄も師父様もいないけど、龍馬酒楼を訪れた侠客が自分にとっての師兄であり師父様だ。侠客の話を集めながら、いつか来る復讐の日をずっと待ち望んでいた。
そしてついに、自らも物語になる日が来たのだ。
江湖部林、侠客たちの物語。
今ここで侠を見せてやろう。

三人は대마두と対峙した。

☆感想☆

1回目見たときは何…これは……って感想だったのですが、2回目は世界観に慣れたうえで内容を理解して見られたのでとっても面白かったです!!
ぜひ2回見てもらいたい作品……
---ここまで『決闘』の感想コピペ---
韓国でも好きな人と嫌いな人の分かれる(でもなぜか皆毎日外伝の話をしている)作品ですが、私はめちゃくちゃ面白かった〜(※ただし2回目以降)って思いました。ただ決闘見た人じゃないとやっぱり難しいかな…っていう印象…
皆が言っているようにかつてヒトデ作品でやってた特別公演を90分作品にしました!って感じです。だから最初見たときはシーンぶつ切りだなって思ったのですが、2回目見たら登場人物も時系列もバラバラなのにうまいこと繋げてんな…ってなりました。さすがイ・ヒジュン作家様
言葉は全く難しくなかったです。1回見れば歌詞を聞き取れるし話の流れもわかるほど。ヒトデ作品あるある:同じ顔なのに違う人、が出てくるのでそこはちょっと難しいかもしれない
曲がめちゃくちゃ好きなので、回転特典でOSTをもらえるのが超楽しみ!

あと、見終わったあと柚茶を飲んで柚シャーベットを食べたくなります
完全にハッピーエンド版『アポロニア(『ミア・ファミリア』『ミオ・フラテッロ』の続編)』なので皆ユズにとらわれている

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