ミュージカル『決闘』ネタバレあり感想+時系列解説
天使についてや海賊、最終陳述などヒット作を次々生み出すMJ starfishことヒトデの最新作ミュージカル決闘を紹介します!
演出:キム・ウンギ 作:イ・ヒジュン
作曲:パク・ヒョンスク
☆登場人物☆
-天天(ちょんちょん)
가람 김민범 박상혁
皇帝である父を叔父に殺され、国を亡くした皇子。
護衛隊長である猛刀によって救い出されたのち、一心門隠遁古流の遣い手である醉仙に預けられる。
醉仙からは阿天(あちょん)、飛龍からは師兄(さひょん)と呼ばれる。
-飛龍(びりょん)
이준우 권익환 김제하
5歳のとき、両親を亡くして途方に暮れていたところを雲剣と風剣に拾われ、育てられる。
雲剣と風剣の仇を探し、復讐するために一心門隠遁古流を訪ね、弟子入りを志願した。
首飾りと剣は彼らが遺したもの。
醉仙からは阿龍(ありょん)と呼ばれる。
天天が飛龍を師弟(さじぇ)と称することもある。
-醉仙(ちそん)
유성재 홍성원
一心門隠遁古流の遣い手。
もうこの流派は醉仙と猛刀しか残っていない。
彼らは以前師兄-師弟の関係であったが、猛刀が醉仙のもとを離れて7年が経っていた。
天天と飛龍の師父(さぶ)としてさまざまな特訓や試練を課す。
-猛刀(めんど)
이진혁 조성필
天天を救い出し、醉仙のもとに預けた護衛隊長。
天天からは猛刀隊長(てじゃん)と呼ばれる。
なお、胸元の服を折り返して着ているシーンは全て過去(7年前)の猛刀なので、そこで見分けてください。
-점소이(ちょんそい) 本名:蘇山(そさん)
이진혁 조성필
酒場の給仕を점소이と言い、序盤はそう呼ばれるがのちに本名を名乗る。
両親を대마두に殺された。
扇子で戦う。
-雲剣(うんごむ)
유성재 홍성원
風剣と旅をしていたところ、道端にいた飛龍を見つけて拾う。
-風剣(ぷんごむ)
이진혁 조성필
飛龍を拾うことに最初は反対していたが、雲剣の説得に負けて一緒に暮らし始める。
-대마두(てまどぅ)
유성재 홍성원
皆が仇として探す相手。悪役。
☆あらすじ☆
※わかる範囲で書いてみましたが、武侠用語などは間違っている可能性があります。そのときはDM等で教えてください!
一般の人々が住む世界とは異なり、武人たちが生きる世界である江湖(かんほ)。ある日江湖に属する대마두(てまどぅ。마교=魔教のトップ。悪役の頭みたいなイメージ。役職名)が皇帝を殺すという事件が起きる。대마두は皇帝の弟だったが、皇室(ふぁんしる)を離れて(このふたつの世界は相互不可侵であり、どちらかを離れることは一生縁を切ることを意味する)江湖で마두(まどぅ。대마두の配下たち)を率いて暮らしていた。
目の前で父を殺された天天(ちょんちょん)は대마두に剣を向けるが全く歯が立たない。窮地に陥ったところに護衛隊長である猛刀(めんど)が現れ、彼を救い出す。ふたりは馬に乗って武林(むりむ。江湖における武人たちの社会)に逃れ、そのまま猛刀の旧知の相手である醉仙(ちそん)のもとを訪ねた。
一心門隠遁古流の遣い手である醉仙に、天天を弟子にしてほしいと頼む猛刀。ふたりはかつて師兄(さひょん)-師弟(さじぇ)の関係だった。だが7年前、猛刀が醉仙のもとを離れて皇室に行き、ふたりの縁は切れてしまった。
弟子はとらない、と断る醉仙。彼は7年前、四川唐家(五大世家のうちのひとつ。毒と暗器を使うのが特徴)の者による毒の影響で武功(むこん。気を操って出す技)を失ってしまっていた。しかし猛刀の頼みに負け、了承する。天天は師兄である猛刀から離れて見知らぬ相手に預けられることを不満に思っていたが、猛刀に力づくで黙らされる。父の復讐のために強い相手、つまり江湖で最強とされる猛刀に引き続き師事を請いたかったのだ。猛刀は醉仙に、天天に必ず백독불침(ぺくとくぶるちむ。身体の中に気を満たして毒が効かないようにする術)を教えるよう言い残す。
猛刀は醉仙に対し、醉仙よりも長く生きることを。醉仙は猛刀に対し、天天を守り抜くことを約束した。
猛刀が去ったあと、新たな人物が現れる。醉仙は天天を隠し、その人物に対峙した。なお天天は勢い余って崖から落ちた。
彼の名は飛龍(びりょん)。師兄である雲剣(うんごむ)と風剣(ぷんごむ)の仇をとるために一心門隠遁古流に入門したいと言う。醉仙は断ろうとするが、結局根負けし飛龍を弟子にすることに決める。
兄弟子である天天を紹介しようとした醉仙は、天天が崖の下に落ちていることに気づく。猛刀から預かって、守ると誓ってすぐこんなことに!? 焦った醉仙は、飛龍に天天を連れてくることが最初の試練だと告げた。無事天天を抱えて崖下から戻ってきた飛龍は、天天と共に弟子入りすることを許される。だが、なんと天天は記憶を失っていた。何がなんだかわからないが、とりあえず師父と師弟の存在を受け入れる天天。
修行開始。気の扱い方を学んだり、体を鍛えたりといった基本的なものから、山を動かす修練まで。
そんな最中、飛龍は復讐を遂げるためにここを離れると言い出す。天天は彼を引き止めようと、一心門の秘術(ぴぐっ)を学ばないまま離れていいのかと告げた。復讐がそんなに重要なのか? 復讐が終わったらどうするつもり? 死ぬとでも?
夜を徹して鍛錬し、ついに山を動かすことに成功した天天。彼は自らが崖から落ちたときのことを思い出していた。
自分はあの日死に、生まれ変わった。どこに行こうとしていたのかも、何をしたかったのかもわからない……自分は果たして誰なのか?
飛龍は天天に、自分を拾って育ててくれた雲剣と風剣について語った。ふたりがいなくなってしまった今、自分には何もないし、自分のことを待つ人もいないのだと。彼らの仇をとるため、復讐するために飛龍は生きてきたという。
葛藤しながらも、結局飛龍は旅立つことを決意する。天天はそれ以上引き止めることはせず、飛龍の剣を差し出して見送った。翌日起きてきた醉仙は、飛龍はどこかと天天に尋ねる。飛龍は……。そのとき、何もなかったような顔で飛龍が現れる。笑う飛龍に、呆れ顔の天天だったが、彼らの修行は続くことになった。
ところで、醉仙にはある悩みがあった。彼の弟子である天天と飛龍は、一心門の秘術を知りたいと全く言い出さないのだ。自分の教え方が悪かったのか? 秘術を教えてほしいとも言わないし、見えるところに巻物を置いておいても盗もうともしない弟子たち。いや、盗もうとしないのは自分の教え方がよかったからなのかもしれないけど。とにかく彼らには何の欲もないのか、一心門の秘術に興味がないのか。もしかして、秘術があることを知らないのか?
秘術があると知った天天と飛龍は、醉仙に秘術を教えてほしいと頼みに行く。醉仙は、それならば試験を行う、と告げた。巻物は3つに分けてそれぞれの場所に隠したと。
醉仙は桃花酒に酔いながら、猛刀との日々を回想する。
かつてふたりは同じ夢を見ていた。武功を身につけ、侠(ひょぷ。正義を信条とした生き様のような…)を行い、一緒に江湖を旅すること。それだけだった。
だが、醉仙は毒の影響で武功を失い、もはやその夢は叶わなくなってしまった。武功がないのなら、侠を行うこともできない。
去ろうとし続けた醉仙を猛刀は何度も引き留めた。しかし、彼らは最終的に互いのもとから離れる決断をする。
醉仙はそのまま江湖へ、猛刀は江湖を離れて一般人たちの世界に属する皇室へ。そして猛刀は皇室の護衛隊長となった。
猛刀が去ったあと、醉仙は涙を拭いながら独り言を言う。猛刀がまた自分の前に顔を見せたなら、そのときは……。その言葉が猛刀に届くことはなかった。
さて、試験が始まった。
松の上にある巻物を、道具を使わずに取ってこいと言う醉仙。これは軽功(きょんこん。空を飛ぶ技)を会得しろということだった。無事に巻物を手にするふたり。
谷の下にある巻物を取ってこいと言う醉仙。だが、谷の下へ降りるためには마귀(まき。魔教の者たちが使う術?)の炎の中を通り抜けなければならない。幻想ではあるが、取り憑かれたら死んでしまうものだ。これは功魔力を会得しろということだった。無事に巻物を手にするふたり。
洞窟の中に入って巻物を取ってこいと言う醉仙。しかし洞窟の中には猛毒性の暗器が仕込まれていると。これは毒から身を守るための、백독불침を会得しろとのことだった。ふたりは試験に臨むが、魔教の襲来により中断されてしまう。
醉仙は幻術で天天の姿となり、魔教たちに対峙した。彼らは天天を狙って来たようで、醉仙に致命傷を負わせると天天を排したと思い込んで撤退した。
瀕死の醉仙は天天と飛龍に、自分はどうせ死ぬのだから自分を置いて下山し、一心門の弟子の名で世に出るよう言った。
天天へは、師弟である飛龍を守ることを約束してほしいと。飛龍へは、復讐に囚われすぎるなと、醉仙は遺言を残した。猛刀へ、約束を守ったと伝えてほしい。そう言い残して、醉仙はこの世を去った。
山を降りて旅に出た天天と飛龍は、점소이(ちょんそい)の働く飯屋を訪れる。そこで喧嘩を吹っかけてきたのは四川唐家のひとり、唐小。暗器による攻撃を避け、無事唐小を倒した天天と飛龍。
野営地で眠る天天の代わりに見張りをする飛龍は、月を見上げて自らの過去を思い出した。5歳のとき、両親を亡くして膝を抱えていた日のこと。
偶然通りかかった雲剣は、子供を放っておけない、連れて帰ろうと風剣に言う。師兄-師弟の関係であったふたりは共に旅をしていた。責任を持てない、絶対に駄目だと風剣は拒否するが、雲剣の説得に負けてふたりで飛龍を育てることになる。
だがある日、風剣は猛刀に決闘を申し込んだと告げた。理由は、江湖を離れて皇室に入るという猛刀を止めるため。五大世家は領土争いに目が眩み、魔教が猛威を奮う今の江湖で、猛刀までいなくなってしまったら……。風剣は、自分が勝ったら江湖を離れないでほしいと猛刀に言ったと。
君が死んだら私も猛刀に決闘を申し込む。私まで死んだら飛龍がひとりになるじゃないか。そう呟く雲剣に、風剣はこう返した。私が勝ったらもう一度旅に出よう。死ぬその日まで。ずっと一緒に。
飛龍、南に向かって15日間歩くんだ。戻ってきたときに私たちが生きていれば、また会える。
30日間歩き続けた飛龍が戻ったとき、そこには剣と『風雲双剣』と彫られた木札の首飾りが残されていた。
その日から飛龍は、ふたりの仇をとるために生きるようになったのだ。
旅を続ける天天と飛龍は、少年英雄大会の存在を知る。一心門の弟子として名を馳せる機会だと、ふたりは参加することにした。
順調に勝ち進んだ彼らに酒を差し出す者がいた。疑わずに飲んだ飛龍は毒に倒れる。彼の名は唐中、唐小の兄だった。唐小の仇! と毒を使って戦う唐中。彼の毒を浴びた天天もまた倒れるが、辛くも勝利した。
しかし、手に入れた解毒剤はひとり分のみだった。
かつて、醉仙と猛刀も同じ事態に陥ったことがあった。解毒剤を手に入れた醉仙は、自分は後で飲むからと先に猛刀に解毒剤を飲ませる。猛刀の前から離れた途端に崩れ落ちる醉仙。自分の分も解毒剤があるというのは嘘だった。醉仙はそれが理由で武功を失うことになってしまった。猛刀が天天を預けるときに醉仙に必ず백독불침を教えるよう言ったのはこのためだったのだ。
解毒剤を飛龍に飲ませ、武功を失ってしまった天天。もう復讐もできないし、お前を守ることもできない。お前の荷物になるだけだ。そう言って離れようとする天天を飛龍は引き止める。勝手に離れるなんて許さない。僕たちは一緒にいるんだ、と。
天天の夢は老いて死ぬこと。飛龍と共に旅をして、共に老いて、そしていつか江湖の人間として死ねたらと、そう願っていた。
猛刀を探すふたり。猛刀についてはさまざまな噂が流れていた。魔教たちと戦って死んだとか、死んだんじゃなくて捕まったんだとか、무저갱(むじょげん。牢屋のような洞窟)に閉じ込められて狂ったとか。
噂を頼りに探すけれども、猛刀は全く見つからない。ある日、猛刀を探す者を探しているという噂に従ってその場所に行ってみると、たしかにそこに猛刀がいた。しかし何かがおかしい。なんと、それは猛刀に姿を変えた대마두だった。
捕らえられて무저갱に閉じ込められた天天と飛龍。そこには、3年間幽閉されていた猛刀がいた。天天との再会を喜ぶ猛刀と、記憶をなくしたために猛刀のことがわからない天天。すると突然、飛龍がこう言った。風剣と雲剣を覚えているか、と。飛龍がずっと復讐したいと思っていた仇は猛刀だった。醉仙のもとに行ったのも、猛刀の噂をきいたためだった。
猛刀は飛龍に、雲剣の遺書を渡した。
風のない世界に雲があっても意味がない。風剣のいない世界に自分がいてどうするのか。私たちを探さないでほしい。誰も恨まないでほしい。風のない世界、雲のない世界、そこでしか出会えない世界が君を待っているだろう。
風剣は猛刀が殺したのではなかった。決闘の影響で気が暴走し、やがて死に至ったのだ。それを知った雲剣は猛刀に闘いを挑んで、そして負けた。では何故雲剣は死んだのか?
점소이の働く飯屋を魔教が襲った日のこと。魔教を追ってその場に居合わせた雲剣は、대마두から점소이を守って致命傷を受けた。대마두は점소이にとって両親の仇であり、雲剣は命の恩人だったのだ。
飛龍の仇もまた、대마두であった。猛刀はふたりを脱出させるために무저갱の破壊を試みる。猛刀は崩れゆく무저갱の中に残ると告げた。天天を守るという約束を果たした醉仙のように、醉仙よりも長く生きるという約束を果たした猛刀。天天は猛刀との別れを胸に、대마두と対峙する決意を固めた。
無事脱出したふたりの前に、またしても唐家の者が現れる。弟たちである唐中と唐小の仇! そう告げた男の名は唐大。
だが、その場に대마두が現れたことで、唐大は姿を消す。苦戦するふたりに助太刀したのは점소이こと蘇山(そさん)だった。
武功を失っても闘うことはできる。天天、飛龍、蘇山の三人は、대마두に剣を向けた。
☆感想☆
1回目見たときは何…これは……って感想だったのですが、2回目は世界観に慣れたうえで内容を理解して見られたのでとっても面白かったです!!
ぜひ2回見てもらいたい作品……
武侠というジャンルが身近ではないので本当に難しかったです。記事を書きながらも単語がわからなすぎて悩んだこともあったり🥲
でも気がついたらハマってしまっていて、いつもこの作品のことばかり考えています。怖い
今回はミア・ファミリア、犬と猫の時間、ファンレターなどの作曲家様で、いつもと同じく曲が素敵でした❤️きっと一度聴いたら忘れられない曲に出会えると思います
4/17の千秋楽まであと2ヶ月! みなさま、ドリームアートセンターでお会いしましょう✨
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