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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.99「アフターコロナのマーケティング戦略」

「コロナによって変わったのではない。もともと変わりつつあったものが、コロナによって加速したのだ」

今、苦戦を強いられている人にとっては非常に耳の痛い指摘だ。もちろん僕もその一人。とはいえ、「あの時こうしていれば……」「もっと早くそうしていれば……」などと過去の自分を後悔しても仕方ない。今からでも遅くはない。本書を読もう。

最強マーケティング集団元P&G出身の著者2名による共著。これまでのマーケティング戦略がコロナによってどのように変化しているか、変化していくか。それを一問一答形式で解説していて、非常に読みやすかった。

コロナがマーケティングにもたらした5つの影響
①今回のコロナにより、何かが「変わった」ように見えるのは、実は今まで起こっていた傾向が加速しただけ、ということ。
②何を大事に思うか、何にお金を使いたいかという、プライオリティ(優先順位)が変わった人がいること。
③マーケティングの意思決定でのスピードと柔軟性がさらに重要になったこと。
④最適なメディアミックスが大きく変わったこと。
⑤広告制作のクリエイティブのオプションが増えたこと。

この中の特に②が僕には刺さった。「プライオリティが変わった」ではなく「変わった人がいる」ということ。100対0の話ではなく、そういう変化が起こった人もいる、というのが、正確に言葉を扱うマーケターならではだと感じた。

たとえば僕が今携わっている訪問歯科業界においても、全体的な売り上げで見ると下がっているものの、もう少しそれを細分化してみると、売り上げが「維持」している部分と「減少」している部分に分けられる。
・「維持」している部分は「居宅」=「個人」への訪問。
・「減少」している部分は「介護施設」=「集団」への訪問。

施設は集団感染リスクを避けるため、訪問自体をストップする施設が増えた。一方、個人宅ではそれほど警戒している人は少ない。もちろん、施設で働く人の判断にもよる部分が大きいので、そこは「プライオリティが変わった人がいる」ということ。端的に言えば「一緒くたにしない」というのが大事なのだと思った。

今の時代、だけに限らず、「細分化」というのが大事だと改めて思った。バクっと全体をとらえるのではなく、男や女で分けるのではなく、時と場合と心境と、たった一人のたった一つの場面でも、意思決定の判断は変わる。マーケティングというのは、とことん細分化していくことから始めることが大切なんだと思った。まだまだ分からないことだらけだ。。勉強しよう、うん。

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