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35年目のラブレター(試写会)感想|言葉は時と空を越えて

35年目のラブレター試写会に行ってきました。
世界の片隅にいるちっぽけなWEST.重岡大毅くん担の感想です。

※注意※

  • どうか公開後本編を!ということで内容の詳細は書かないようにしたのですが、ネタバレを多大に含みます。X(Twitter)においては#35年目のラブレター感想投稿タグを付けて投稿しますので、回避ください🙇‍♀️

  • 主観的体験・経験を含みます。

はじめに随筆に没入する

私はこの映画の感想として何を書けるだろう。

映画館を出てから言葉にすることのできないなにかに呻いている。どれだけ手繰り寄せようとも、見えないそれを何とか手繰り寄せながら、ただし、絶対に出し尽くせないと理解しながら、今思い当ることを雑多に書いてみようと思う。


映画という「体験」について

私は試写会というものに人生初めて応募してみた。
理由を辿ってみる。

私は重岡くんが好きだ。重岡くんの演技が好きだ。しかしながらあまりに感情が動くのが怖く、残念ながらまだ見れていない作品がある。
その中で本作については、確か一番最初に上白石萌音さんと喋っている映像を見た。あったかそうな雰囲気で多分大丈夫だと…むしろ、見に行きたい!と強く思った。事前にムビチケは購入していたので何度か通うつもりでいたら、試写会のお知らせが届いた。初めて申し込もうと思った。

何度か落選したが、初めて当選した。
私は映画を見てもたった一回、いや二〜三回見たくらいではなかなか記憶に残せない性質だ。誰か同行者がいると、残念ながら没入できない性質でもある。同行者がいる楽しみはあるものの、今回できるだけ没入できるよう、色々な方略を使った。まずは、何名か同行者を選択できたもののひとりで真剣に見ることを選んだ。朝早くに会場に赴き、映画館の前列中央、誰もすぐ前にいない一番の特等席を選んだ。

映画開始までは、実家の母が時間を過ごしてくれた。焼肉のランチを食べ、買い物をした。母は時間のおわりに、「映画は喉が渇いて咳が出るから」と、いつも持っているVC3000のど飴を二粒手渡してくれた(WEST.がCMをしてくれてるから、多く買ってるらしい)。舐めることなく鞄にしまって、初めての試写会に赴いた。

開始15分前、お気に入りのメモ帳を太腿に乗せた。周囲の人の邪魔にはならないよう、ボールペンは先にノックして芯を出しておいた。始まってからは真剣に観ながら思うまま書いた。冒頭頃のあたたかいシーンからラストに至るまで、たびたび涙がこぼれていた。でも、冒頭に書いた通り、掴めるようで言語化できないものがあるまま、映画は終わってしまった。


映画「35年目のラブレター」について

このパートのみ、メモ帳を元に書こうと思った……ら好きなセリフや好きなシーンのオンパレードで笑ってしまった。これは公開できない。あまりにネタバレがすぎるので、メモ帳にあった感想のエッセンスのみ記載しておく。

「言葉は美しい。でも、どんなに言葉を尽くしても思いの全ては拾えないほど人生は短い。けれど、言葉は時間と空間を越える。幼子のようにのたうち回る拙い字は、とめ・はね・はらえる大人になって、過去と今を繋げた。私はそう思った。あの日の彼はいま救われたんだ!よかった。生きていてくれてありがとう。私は私の知り合いでもない彼らが幸せそうに微笑みあう映像に、シアターの中でひどく安堵した。」


重岡大毅くんに宛てて

私は重岡くんの全てを決して知らない。でも、私の知る重岡くんは一生懸命な人だ。一生懸命に字を書いて曲を書いて、メンバーや親友に自筆の手紙を書いて、大きなステージで強い光に照らされて私たちに向けて一生懸命に歌う。そんな重岡くんが、スクリーンの中にも「西畑さん」として、同じように真摯にいてくれた。ちょける演技も、可愛い演技も、辛くて笑う演技も、涙を流す演技も、幸せそうに微笑む演技も、自分のことより人を思う演技も、幸せを幸せに、痛みを痛みとして届けてくれる演技が全部数え切れないほどに好きだ。笑福亭鶴瓶さんが重岡くんに見えて重岡くんが鶴瓶さんに見えて、つまりおふたりはちゃんと西畑さんであって。なんかほっこり笑えてしまった。そして西畑さんの一生懸命に生きるさまに目を離すことはできなかった。重岡くんについては、いつも私はそうだ。世の中には色々な人がいる。色々なアイドルがいる。でも、私はどんな人よりもつい重岡くんを見てしまう。目で追う。目を惹かれるのだ。やさしくて、一生けんめいで、かわいいあなたを。

重岡くんがこんなすてきな映画に出ていること。すてきな役で、すてきな演技をしていること。重岡くんが私と同じ時代に同じ国で同じ世代で生まれたこと。この映画を見るっていうことを私が選んで、そして見ることができたこと。大袈裟かもしれないけれど本当に幸せだと思う。

私の人生の近くには重岡くんはいない。
重岡くんのことは何も知らない。
エンターテインメントにお金を出して、時折紡がれる肉声を聞いて、広くおなじ空間にいて、せいぜい数秒間目を合わせたことしかない。喋ったこともない。勝手に人生の一部を覗かせて貰ってるだけだ。
それでも、重岡くんはまっすぐ届けようとしてくれていると思う。彼のエンターテインメントの全てがそう言っている。
私の人生に重岡くんがいて本当に良かったと思う。


人生のお守りになる映画でした。

人生には多分色々な日がある。文字通り起き上がれない日。満足な言葉を伝えられないまま誰かと二度と会えなくなる日。しんどくって他人も自分も傷つける日。自分が人間ではないと思う日。自分の努力は全て無駄だったんだと思う日。私にはどれも身に覚えのある事象だ。無力さをともなう後悔や絶望感、私に訪れるそのすべてに対抗するためのお守りになるような映画だと思った。

文庫版も購入済みなのですが、映画観るまでわざと開けてませんでした。この後読みたいと思います。


随筆のおわりに

遠かった映画館。自宅から片道1時間半以上の場所を選んだのは自分だ。親と会うためにそこの映画館にした。にしても感情が揺れ動きすぎて、なんだか疲れすぎてしまって。這々の体のごとく家に帰った。一人暮らしの家は静かだ。中身を整理するために鞄を開けた。VC3000のど飴の黄色い小袋が二つでてきた。

23時に、スープはるさめの蓋を開けて湯を注いだ。これも母がよくストックで買っていたっけ。私はそれが好きで、よく食べていた。ワンタン入のピンクのパッケージ。三分たって湯気が立つ。かわらない味がした。

すごく小さなそんなことで、私の胸は震えた。
時と空を越えていつもここにある。いつもここにあるよ。だから私は、拙くとも苦しくとも足らなくとも誰に届かなくとも言葉を残したい。いままでもこれからもきっと残してゆく。

あ〜、めっちゃお寿司食べたいな。


肌寒い帰り道に私の頭を駆け巡ったのは、重岡くんが作ったこの曲だった。

おはよう おやすみ僕らの間に
ただいま 君の声が聞こえてきた
おかえり いつかはきっとくるのさ
またね いってらっしゃい

あかさたな はまやらわ たった50音で
ありのままの僕の自由を縛り付けてみせてよ

あかさたなららら/WEST.


感謝

気持ち悪い長文・文体で失礼しました。

試写会に参加させていただきましたが公開されたら、何度も観にいきたいです。ムビチケもあるし何度でも!大袈裟ではなく本気で、色々な巡り合わせに感謝します。ありがとうございました。書きなぐってしまった。おやすみなさい。

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