かなわない君と約束を|ミステリと言う勿れ
昨晩FNS歌謡祭を見て、この曲を久しぶりに聴いて
私は2022年の冬に一瞬で帰った。
2022年冬 月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』と、主題歌の『カメレオン / King Gnu』をリンクしたお話になります🔗
カメレオンは言わずと知れた名曲ですが、当時ミステリと言う勿れのために月曜は絶対定時で帰っていた私にとって、この曲は(原作もそうだけど)特にドラマの内容とリンクしていて、すごいすきです。
私はライカさん(門脇 麦さん)と久能整くん(菅田 将暉さん)の関係性が最もすきなのだ。
一見ミステリアスなライカさんは、整くんを試し誘導して不器用なSOSを送った。普段人を振り回し自由気ままに行動する整くんは、彼女の言動に振り回される。
ミステリと言う勿れでは、定義されていないお互いにとって唯一無二の不思議な関係性が多い。そのなかでライカさんと整くんの関係もまた、唯一無二で美しいと思う。
主題歌カメレオンを含めた話をしたいんだ!!
カメレオンのように、対象をイメージすると色を変えるこの歌は、
久能整からガロくんへの歌にも聞こえるし、
ガロくんから久能整への歌にも聞こえるし、
ガロくんから愛珠への歌にも聞こえるし、
風呂光さんから久能整への歌にも聞こえる。
しかし私にとって、いの一番に
久能整からライカさん(ドラマ版)に向けた曲に聴こえるのだ。
ライカさんは千夜子であり、しかしライカさんと言うひとりの人間だった。
ライカさんは千夜子の幸せのためにここにいて、だから現実に適わない。ライカさんがいる限り千夜子は千夜子でいられない。
だからずっと現実世界にいることは叶わない。でも、確かに二人はあの冬あの場所に共にいた。ライカさんは、ライカさんにとって人間じゃなくても、ライカさんだけを見つけた整くんにとってはライカさんはたったひとりの人間で、整くんにとって敵わない存在で、二人はきっと楽しかった。
ただライカさんにとっては、一番は千夜子だった。
千夜子が健康になれなければ意味が無い。
自分の存在より、整くんとの逢瀬より、千夜子を選ぶ。
整くんは、それを尊重した。
難しい事は分からない、でもそれは、愛と呼ばれるものだ。
それを私たちは愛と呼ぶんだよォ!!
一月一日、まるで荘厳な讃美歌のように響くこの歌を忘れられない。
涙も流れない整くんにとって、これからもライカさんは近くにいるはずだった。まるで相棒のような、不可思議な彼女を知るにはまだ時間が圧倒的に足りなくて、きっとこれからだった。
久能整は、クリスマス・ツリーに引っかかる真っ赤で艶のあるオーナメントを見る度に、彼女が傷つけたけど咲き誇る桜の木を見上げる度に、
唯一無二の彼女の、鮮烈に一瞬輝いた人生を思い出すだろう。
この詞の歌われた直後に、どこか讃美歌みを強く帯びるこの曲は、隣に僕が居ない『君』に何を祈るだろうか?
自分の謎めいた想いは口にせず、彼女の願いを尊重したけど、それは愛で、強がりだったのだろうか。
整くんが永遠の別れを想定せずに口走った「今日は楽しかった。また行きましょう」が、整くんにとっての答えだ。
だが、「整くんと友達になれて、初めて生まれ来てよかったと思えた」ライカさんも、またそれが答えだった。
けれど整くんにとって一生解けない謎を残して、ライカさんはきれいに消えていった。整くんが感じていた不可思議な思いをほどくことは、もうできない。
答え合わせが出来ないまま、自分の中で答えを抱えたままで、整くんの人生は続いてゆく。
ライカさんともう話すことができない整くんにとって、
とは、まさしく彼女のことなんだろう。
千夜子にとっては覚えていなくても、千夜子が健康に向かえたのは、ライカさんが整くんと会って少なからず救われたから、と言う理由だったらいい。
なんて、またドラマ版の10話に焦がれながら思います。
ダイジェストでも、もう何度でもあの日に戻れる。
それはそれとして、原作だとこの別れはないのでライカさん好きの私は安心です。
ライカさん、どうか幸せであってください。
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