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「喜びのある働くを、共につくる」コミュニティ工場について④

MNH広報の瀬島です。

今現在4回に分けて、東京調布にある株式会社MNHの自社工場「コミュニティ工場」について詳しくお伝えしています。

今回は最終回。コミュニティ工場の内部に迫りながら、コミュニティ工場を運営する中で見えてきたことやこれから目指すものについてお伝えします。


コミュニティ工場では、何をつくっているのか?

コミュニティ工場は、引きこもり経験・子育てによってこれまでのキャリアを失ってしまった、行き場がなくした方々に自分のペースで働ける場所を提供したいとスタートした食品工場です。

街の一角にある小さな工場なので、大手企業と張り合うつもりはありません。しかし、商売なのでモノが売れなければ経営が成り立ちません。

だから「なるべく競争しないで売れ続ける」モノを製作し販売しています。たとえば、観光客が多い東京高尾山で販売しているお菓子だったり、外注を受けたプリント型の食品だったりがあります。

また、SDGsに貢献できる「これからの食品」も手掛けています。

コミュニティ工場で働く人たちから、見えてくるもの

コミュニティ工場では、現在、引きこもり経験者の方々が中心となって働いてくれています。それによって見えてきたことをお伝えしておきましょう。

支援と就労の場の協力は大切

MNHではコミュニティ工場を通し「働きづらさを抱えた人たちに、働くことの喜び」を感じてもらいたいと考え立ち上げました。しかし、MNHが引きこもり経験を持つ方々を見つけられずにいました。一方で、引きこもり経験者を支えている場は受け入れ先企業を探せずにいたのです。

コミュニティ工場を立ち上げるにあたって、支援をする側となる「認定NPO法人育て上げネット」や「非営利型株式会社Polaris」などの協力は必須でした。双方が手を取り合わなければ、就労サポートの実現はありませんでした。

「自分の必要性を感じる」コミュニティ工場

一般的に、引きこもり経験者の方が面談に至るまでは多くの時間と支援を必要とすると言われています。また、面談まで至ったとしても就労するまでには1年以上の歳月を要するケースがほとんどとされています。

それだけではありません。就労を継続し安定的に働くには、さらに多くの時間を必要だとさえ言われています。その長い時間の中には、本人がトライ&エラーをくり返すことを許されている環境が絶対に必要となります。しかし、そうした企業は限りなく少ないのが現実です。

しかし、コミュニティ工場では面接から就労までが1週間程度で実現します。正直なところ、その根拠な何なのかは分かりません。

ただ、何となく感じていることがあります。それは、コミュニティ工場が彼らに働きやすい環境だということです。MNHが意識して作ってきたコミュニティ工場の環境によって、就労する中での自尊心が高まっているのかもしれません。

一見、工場の作業は誰にでもできるものばかりです。しかし、求められる存在として働くことで「自分は製品を作る上で欠かせない存在」だと感じてくれていたら嬉しいです。

週4出勤でも正社員

コミュニティ工場では、週5フルタイム勤務が難しい人たちのために、週4出勤からでも正社員として雇用をしています。「正社員として働けること」の安心感は本人だけに留まりません。その、ご家族にも安心感を与えます。

ご家族を含め、周囲全体がリラックスしているとは「見守る」「応援する」という過程の中ですごく大切なことだと言えます。

何を目指しているのか?

コミュニティ工場の理念は「喜びのある働くを、共につくる」です。

大きな工場ばかりが残り、小さい工場が淘汰されゆく現代です。それは、生産効率だけを考えれば、良いことなのかもしれません。しかし、ものが溢れて豊かになる裏で誰かが苦しみながら働いていたのなら、それは悲しいことなのではないでしょうか。

コミュニティ工場の理念の中にある「喜びのある働く」とは、自分を犠牲にしてまで働いて得る喜びではありません。日々、働く人たちにとっての「喜び」を見出してもらうことが目標です。そして、これからも目指し続けます。

これまで、全4回に分けて株式会社MNH「コミュニティ工場」についてお伝えしてきました。コミュニティ工場の在り方やMNHの考えが、誰かのお役に立てば幸いです。






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