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ひきこもり経験者の就業支援④実際の働き方「だんご販売」の経験から

MNH広報の瀬島です。

「MNHでの引きこもり経験者の就業支援」について、これまで3回に分けて伝えしました。そして、今回は最終回。

今現在MNHのコミュニティ工場で引きこもり経験者の方々が「どのような働き方をしているのか」についてお伝えします。またMNHが思い描く「これから」についても紹介しています。

MNHのコミュニティ工場「引きこもり経験者の就業支援」

過去記事でも何度かお伝えしましたが、MNHのコミュニティ工場はバッチ生産が主軸です。

工場と言うと、ベルトコンベアで流れてくるライン生産をイメージする方も多いかもしれません。ただ、MNHではそれぞれが一日の目標設定をし、個人のペースで取り組めるバッチ生産での業務となります。

具体的には、お菓子(主にクッキー)などに直接プリントする作業など、市場に出回るモノを製造。

実際に、引きこもり経験者の方の担う仕事を取り組んでみたMNH小澤社長は次のように話します。

単調な作業のようでいて、自分がやるより引きこもり経験者の方々がやる方が断然上手い。それだけでなく、毎回おなじクオリティで作り出せるということは素晴らしい才能。

自分に見合った場所で活躍するとは、こういうことなのです。

過去に「だんご販売」をしたときの話し

引きこもり経験者の就業支援について。
MNHでは、今に至るまでに様々なチャレンジをしました。

そのひとつが「だんご販売」です。

「だんご販売」で手にすることができるもの

MNHが「だんご販売」を通じて、引きこもり経験者の方々に手にして欲しかったものは自尊心の引き上げです。

引きこもり経験の方々が「自分達は、売らせてもらっている」と、働くことをネガティブ捉えてしまうケースも多いもの。そうした状況を打破したいと考えました。

そのためには、買い手が売り手の知識を求めてくる状態が必要です。

たとえば、お客さんが「何を売っているの?」「どんな団子なの?」と尋ねた際に答えるようにしておく。売り手は、自分の知識を話すだけでお客さんが「じゃあ、買わせてもらおうかな」と販売に繋がる。

周囲には「だんご販売」という、商品の知識を伝えるシンプルな作業に見えるかもしれません。ただ、このような安心して仕事に取り組める環境こそが引きこもり経験者の自尊心を引き上げるとされています。

「だんご販売」による課題

しかし「だんご販売」には、課題もありました。
ーそれは、年に数回しか出来ないということ

だんご販売では、MNHが「これだったら売れる」というものを事前にセットアップする必要があります。すると、実際には1度の販売に多くの手間暇が必要です。

準備に時間を取られると、継続的な販売が出来ない。
継続的な販売が出来ないと、収益に繋がらない。

それでは、結果としてイベント的になってしまう。
イベント的だと、継続的な就業とは似つかなくなる。

そんな課題が残されていました。

経験を繰り返し、工場でのバッチ生産となった

そして、たどり着いたのが工場です。

工場と言う仕組みであれば、
「売れるモノ」さえあれば、作り続けられる。
「売れるモノ」があれば、人も増やせる。

ここでの取り組みは、けして「自分たち(MNH)の工場の規模を大きくしたい訳ではない」ということ。

日本中に「同じ考えを持った人たちが増えればいいよね」と、日本各地にいる引きこもり経験者の就業支援として、社会全体を見据えています。

働くことを生きがいにするサポートを

MNHが「引きこもり経験の就業支援」をはじめ早数年が経ちました。

面接のときは、喋ることなく下を向いていた方々。
コミュニティ工場で働くと、1週間程度で顔が上がってきます。

その理由は工場の、在り方にあるのではないかと考えます。

MNHのコミュニティ工場にてバッチ生産で作り上げたものは、店頭に並んだときに「自分が携わった」と分かるものばかり。「自分の作ったものを喜んで買ってくれる人がいる」と直接的に理解することで、働く側の承認欲求が満たされやすいのかもしれません。

これが大きな工場でライン生産だと、そうはいきません。
多量生産で、生産者に消費者の声が直接届かない。

その作業をくり返すことで「人が工場に合わせる」感覚が強まります。
それが自分に見合っている人は問題ないでしょう。
ただ、工場に合わせることが苦しい人にとっては大問題です。
そうした人たちの働く場が必要です。

MNHは、そうした人たちの働く場として「工場が人に合わせる」状態を作っていきたいと考えました。

まとめ:引きこもり経験者の就業支援④

今回は、引きこもり経験の方々の実際の働き方について。
より詳しくMNHコミュニティ工場のことをお伝えしました。

今現在、MNHでは5人の引きこもり経験の方々が就業しています。
今後はより、拡充していきたいと考えています。

コロナ禍前は、インターンシップ的に体験も行っていました。

「モノを作って売る」といったシンプルな商売の本質を、MNHのコミュニティ工場を通して実感してもらえたら幸いです。


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