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2024.2月に読んだ本
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たまたま行った本屋さんでやっていた「ナナロク社フェア」で見つけた本。
寝る前に読むと、ぐっすり眠れる。そんな本。
連詩からの解説の流れが面白い。
そんな風に考えて作ったんだとか、裏側を見ることができて良い。
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Instagramきっかけで出会った作品。
描き下ろし「ダッコのお話」は涙なしでは読めない……
読むと優しい気持ちになれる本。
なにより、クラナガさんの擬音が好き。
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「すきまたちのおともだちたち」を読み終えた時と近い感覚。
「ホテルカクタス」という名前のアパートに住む、きゅうり、数字の1、帽子の「ひと」ではなく「もの」達が過ごす、日々の何気ない瞬間を描いたお話。
大人のためのおとぎ話というか、今の年齢で読んでよかったなと思える本だった。
特にきゅうりが里帰りする話が好きだな。
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去年の夏に買って、長編だからな……と積読していた1冊。
お日さまの力を信じるクララは、AFを超えた何かを持っているんじゃないだろうか?
まだ初回なので、全て理解できたわけじゃないけども、少女のためを思って、自分にできる全てを使い尽くして行動するクララの姿は、もう私たちと変わりないんじゃないか?とも思う。
でも結局は「モノ」なんだよな……
永遠に続かなくて、役目を終えたら「さよなら」なんだよな、と思うと心苦しくなる。
クララにとっては一生の役目であっても、子供たちにとっては一瞬の出来事なのかな……と思うと、やはりAIにも限界ってあるのかな……と思ってしまう。
けど読み終えた後はそこまで暗い気持ちにはならなかった。クララ自身は自分の仕事をしっかりやった、とむしろ誇りに思っていたからかもしれない。
作中に出てくる、太陽の光の描写が素敵だった。
読み終えたあとも、たまにふと思い出しては考える、そんな本だった。
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このシリーズを初めて知ったとき、直感で「このシリーズ絶対好きなやつだ……!」とビビッときた。
本音を言えばコンプリートしたい欲はある。全12冊で、頑張れば本棚のスペースは空けられる。
でも一度ここで読んで、長編ものは一部しか掲載されないので、やっぱ続きが読みたくなってしまう。(特に武田百合子さんの「富士日記」は読んだら絶対3冊買いに行っちゃうので、怖くて買えない)
本棚の容量という現実的な悩みと、今まで知らなかった作家に出会える喜び、選者である川上弘美さん、小池真理子さんのまえがきの素晴らしさと、ここで今とても戦っている……
ちなみに手元にあるのは、幸田文、向田邦子、有吉佐和子・岡本かの子、そして今回を含めると計4冊。
今回は折り返しの6冊目。
宇野千代さんは初っ端「模倣の天才」で痺れた……
自信あふれる姿、そして自分に正直な人だったのかな。
恋愛はできても、夫婦として共に生活するまでには辿り着かなかった。
というような文章があって(どこだか忘れてしまった)、おおっ……と驚いた。
大庭みな子さんも「幸福な夫婦」で痺れた。
どれ読んでもグサグサくる。そして思わず笑ってしまう。
ご自身は世間一般で言えば「幸せ」なのに、結婚してお子さん産まれて、仕事もできて、それで「あぁ私は幸せだ、満たされている」と満足してしまいそうだけど、大庭さんはそんなことなかった。
今まであった考えに対して、あんなにスパッと鋭いけれども、柔らかく静かに自身の考えを伝えるのは、他の人ではなかなかできないんじゃないだろうか。それを攻撃的ではなく、淡々と伝えるのは。
とても、かっこいい人だ。
どちらも初めて読んだ方だったけど、とても面白かったなぁ。日々の生活に疲れたときに読み返したい本。
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再読。
「今日は誰にも愛されたかった」を読んでから、また読み返したくなって。
北村薫さんの「北村薫のうた合わせ百人一首」という本で紹介されていたのをきっかけに買った本。
俵万智さんの「サラダ記念日」を読んだ時にも思ったけど、普段何気なく使っている、話している言葉で短歌ってできちゃうんだ。31文字に残る日々の出来事たち。
「もう泣かない電気毛布は裏切らない」というエッセイで、俳人の神野さんも書いてたけど、日常を切り取る、そこに性別は関係ないんだと。
国語の授業でヒーヒー言いながら解読した記憶しかなかったので、難しいイメージしかなかったけど、ここはこんなにも自由な世界なのか。
あとがきも好き。誰あては分からないラブレターみたいな文章。ほんとのことかも分からないけど、読むたびに引き込まれそうになる。
久々に読んで、また好きになる。そんな本。
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ここ数ヶ月、私の中で江國さんブームが来ていて、ふと「泣かない子供と泣く大人、どっちも読みたいな……」と思って、Amazonですぐに購入した。
読み終えて、良かった……好きなお話多かった。
恋愛、家族、読書記録、自身のこと、身の回りで起きたこと
江國さんの文章を通じて、江國さんの目線になって色々な出来事を体験しているかのような、そんな気分になる。
「一人になるとき」「虚と実のこと」が好きだな。
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大人というのは本質的に「泣く」生き物だと思います。「泣くことができる」と言った方が正確かもしれません。それはたぶん、心から安心してしまえる場所を持つこと、です。
私は「泣かない子供」だった自分をすこし心強く思いますが、「泣く大人」になれて嬉しい。
この文章がとても好きだ。心から安心してしまえる場所。この本を開けば、それがたくさん出てくる。
「贅沢なかたまり」「深夜の青山ブックセンター」「小さな石のついたピアス」が好き。
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好きな作品がついに5巻目。
自分に正直に生きるのって、なんでこんなに大変なんだろうか。そこで嘆いて終わるのではなく、彼女たちは少しずつ前に進んでいく。
その姿を見て、自分にできることってなんだろう……って考えさせられる。
ドラマもちょこっと観たけど、良かったなぁ……
41話と45話が好き。
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「今日は誰にも愛されたかった」を読み終えて、ずっと頭の中で「この本が読みたい…」と離れなくて、近くの本屋さんを何軒か回って見つけた。
カバーが全部で5色あって、悩みに悩んで薄緑色を購入。
木下さんの言葉は、最初さらっと読めて、まるで水を飲むかのようにすうっと体に入っていく感じがする。
また読もうとページをめくると、じわじわっとひとつひとつの情景が見えてくる。読めば読むほどその形が見えてくるような、そんな感覚。
時々グサっと心に響くものも、ギュッと鷲掴みにされるのも、全ては31文字という短い言葉たち。
短歌ならではの、ページの余白も好きだ。
その余白があるから、あれこれと想像を広げてその歌を味わうことができる。
何度でも読みたい、そんな本。