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財務省の宇宙人が残した処方箋

財務省には「宇宙人」と呼ばれる人がいる。
disっているわけではない。頭が良すぎて、何を考えているのかわからないと言うことらしい。新聞の見出しでも堂々と「宇宙人」と書かれていた。

灘の先輩に当たるらしく、高時代から「宇宙人」と呼ばれていたと元教頭に聞いたことがある。
現在は財務省の財務官という立場で円安基調の強い為替市場を注視していて、先週の木曜の晩に、ドル円相場が161円近辺から157円台まで下落したのも、この神田財務官が為替介入に踏み切ったからだと噂されている。

この神田財務官は7月末に退任が決まっているのだが、ひとつ置き土産を残してくれている。それは「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」と題した報告書。国際収支を切り口に、日本経済の課題を学者やエコノミスト20人と議論した結果をまとめてくれている。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/20240702.pdf

僕ごときが言うのは烏滸がましいが、これまで朝日新聞の「論座」などで書いてきた問題点と同じことを指摘してくれていた。

主に3つのことに取り組まないといけない。

・エネルギーの自給率をあげること
・セーフティーネットを作った上での雇用の流動化
・国内の直接投資の促進

だがしかし、こうした問題の解決に向かってリーダーシップを発揮してくれる人が今後出てくるのだろうか。


岸田政権には、期待できそうにないが、現状の円安をどう乗り切るのだろうか?
「前門の虎、後門の狼」という状況だと思っている。円安もまずいし、円高もまずい。

円安が進んで、1ドル170円、180円となっていくと、電気代をはじめ物価は軒並み上がる。さらに外国の投資家から東京の不動産を買い漁られ、ますますマンションは高騰する。投機目的で所有している人はいいが、日本人は東京でマンションを買えなくなるだろう。

かといって円高になりすぎるのもまずい。
NISAを始めた人の大部分が外貨で投資していて、円安の恩恵を受けてきた。
「岸田さんありがとう。NISAのおかげで年始から30%儲かってます」
こんな投稿をちょいちょい見かけるが、円高になれば、こうした人たちが一斉に手のひらを返すことは間違いない。
「岸田、金返せ」の合唱は避けられない。

今の日本の状況で、急激に円高にすすむとは思えないが、トランプ氏が当選したら、様々な手を駆使して円高に向かうように仕向けてくる可能性はある。

まあ、岸田政権の支持率はすでに20%を下回っているから、どう思われようと関係ないのかもしれないが。


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お金や経済の話はとっつきにくく難しいですよね。ここでは、身近な話から広げて、お金や経済、社会の仕組みなどについて書いていこうと思います。 …

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