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金曜日は日記を 20240928-1004

朝晩が急に冷え込んだ秋のはじまり、一週間の日記です。

20240928(Sat)


早起きして市場に買いものに行き、たくさんのアジを買った。おうちで丁寧に捌いて、お刺身となめろうにして夕食に食べた。やはり産地で買って自分で捌いて食べるお魚は格別に美味しい。幸せを噛みしめる贅沢な週末の夜である。……というのは嘘である。どのへんが嘘かというと、「自分で捌いて」というところだ。捌いたのは夫で、わたしは指一本触れていない。生魚の匂いでいっぱいになった部屋の隅っこに座り、本を読んでいた。芦沢央さんの『汚れた手をそこで拭かない』を読んだ。イヤミスの傑作と生魚の匂いという最強コンボで背筋が冷えた。わたしは魚を触ることができない。なんなら直視することもできない。目が合うのがこわい。でも食べるのは好き。釣ってきてくれる人と売ってくれる人、捌いてくれる人がいるからお魚を食べられる。命とお手間に感謝。

キッチンの換気扇をガンガンに回していると、どこからか「にゃおにゃお」という声が聞こえてきた。窓から下を見ると猫様がいた。生魚の匂いにつられて来たのだろうか


20240929(Sun)


城下町を歩いた。数年前に行ったことがある場所だったけれど、ひさしぶりに行くとさらに魅力あふれる素敵な町になっていた。なにもなかったところにお洒落なお茶屋さんができていた。先代の商品と込められた真心を受け継ぎつつも、洗練されたお洒落な店内。お茶にあまり詳しくないわたしにも優しく声をかけてくれた。近所のマダムたちが「こんにちは~」と明るく入ってきておしゃべりしながらお茶を楽しんだり、常連らしきおじさまがカウンターでサクッとお茶を飲んで出て行ったり、外国の方や日本の観光客もそれぞれにおしゃべりしながら旅の疲れをほっと癒していた。洗練されたお洒落な空間のなかで、わいわいがやがや、それぞれの楽しみ方でにぎわっていた。ただ古民家でお洒落なことやってるだけじゃない。そこにいる人たちがその明るい空気を作っている、本当に素敵なお店だった。


20240930(Mon)


早起きする日だったので、最高の一日にするためにスタバに行った。こういう日はいつも「トリプルエスプレッソラテ」でドーピングをしてしまう。このドリンクには通常のラテより2ショット多い、3ショットのエスプレッソが入っている。カフェインの影響を受けやすいわたしは、これを飲むと目がギンギンになるのだ。その日は目がギンギンで過ごせるけれど、日常的に飲むと危険なので、一日をフルマックスで走りたい日だけの特別なドリンクにしている。何事もいちばん大切なのは用法容量を守ることだ。


20241001(Tue)


いそがしかった。月初めってなぜだかいそがしい。仕事が終わりテレビをつけると、好きなドラマがTVerで再配信されていることを知った。よろこんだのも束の間、日付が変わるころに消えてしまうのを知り、配信されていた全話を一気見した。消える前にギリギリ間に合った。いやあ、もうまじでいそがしかった……(仕事終わってからすごくヒマそう)


20241002(Wed)


すっかり10月になっていることに気付き、いそいそと振り返りnoteを書く。もう毎月の恒例になっている。noteを書き始めてもうすぐ半年になりそうだ。書く仕事もしていないしブログ経験もないのに半年もよく続いたもんだ、と一旦ここらで自分を褒めたい。ラーメン食べたい。(ラーメンは汁まで飲むのが礼儀だと思っており、日常的に摂取すると寿命が縮むためご褒美食としている)朝に振り返りnoteを書いたのに、夕方に朝ドラ『おむすび』のことを書きたくなり、投稿してしまった。フォロワー各位まじですいません。下書きであたためておくってことができず、書けたら投稿したくなっちゃうの。「またかよ」と思ってもなまあたたかい目で見守ってください……


20241003(Thu)


朝にぽっかり時間ができて、穂村弘さんのエッセイ集『迷子手帳』を読む。なぜか祖父の日記帳を読んだときのことを思い出す。あれは祖父が亡くなってすぐの頃だったか、タンスの中に見つけた、ゴワゴワした手触りの辞書のように分厚い日記帳だった。穂村さんのような感性豊かな着眼点もなければ、お洒落な言い回しなんてものもない。メチャデカの字で「煙草をやめたけどたまには吸いたい」とか「喫茶店のモーニングの種類が増えすぎ」とか、ほとんど内容はなくて、じいさんのぼやきが綴られていた。でもなんかあの日記帳、おもしろかったんだよなあ。いくつになっても祖父は、ああやって不満とか感想をぼやぼやと日記に書いて、なにかをたしかめながら生きていたのだ。あれが祖父の迷子手帳だったのかもしれない。


20241004(Fri)


お弁当を作ろうと起きて冷蔵庫を開けると、すっからかんで驚いた。オクラとトマトだけがころんと転がった野菜室。そうだ、週末旅行に行くからすべてを食べつくそうと平日に食材を使いまくったのだった。いろいろ計算をミスった結果、木曜日まででほぼほぼすべての食材を使い切っている。こんなときは仕方がないので、冷蔵庫の隠し扉※からミートボールを取り出してあたため、ゆでたオクラと一緒にお弁当に詰めた。なんとかなった。(※冷蔵庫のなかで変な場所についている扉のこと。開けると大き目のお弁当箱くらいの空間がある。夫はたぶんその空間に気付いていないので、わたしが好きな加工食品やチョコなどを隠し持っている)これで正真正銘なんにも入っていない、旅行前に最適の冷蔵庫になった。けれど出発は明日の朝。さてどうする、金曜の夜。

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tsuki | つき
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