きっとどこかの路地裏にありそうなビストロ『キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ』 長月天音 著
小説を読んで実際におなかがすいてくる。食べたことのない、知らない料理のはずなのに、頭になんとなく料理が浮かんできて味まで想像できてしまう。映像でもなく、写真や絵で表現されているわけでもなく、文章だけでその料理を想像して、おいしそうだと感じ、おなかがすいてくる。こんな体験をしたことがあるだろうか。
それは、すごく想像力が必要そうで、なかなか高度な読書テクニックのような気もするけれど、素敵な食べ物小説からは、店内の香りや料理の味わいが感じられることもあるのだ。
読むだけでおな