RDC2023で知る最新のRobloxのお話
ミニゲームプラットフォームとして、そしてゲーム主軸のメタバースとして注目されているRobloxの開発者会議ことRDC2023(Roblox Developers Conference 2023)が、アメリカ・サンフランシスコで開催されています。
毎日6,550万人のユーザーがアクセスしている超巨大プラットフォーム、Roblox。基調講演を元にした現在の、そしてこれからの彼らの姿をチェックしてみましょう。
ところでRoblox、RDC2023参加者にQuest Proを配ったらしい
開発者の皆さんにVRでのハンドトラッキング、上半身トラッキング、アイトラッキングにフェイストラッキングを試してほしいということなんでしょうけど。
でも、なんですかそれは。すごいなあRobloxという気持ちでいっぱいです。
アバターの表現を進化させる
2022年には、毎日1,000万人以上のユーザーが自分のアバターを更新していたとのこと。このプラットフォームでは、アバター/バーチャルファッション(スキン)のファッション文化が根付いていることがわかります。
さて、Robloxはユーザーがオリジナルなアバターを作るための様々な施策を導入しています。新しく発表したツールにはアバター形状やテクスチャを変更するAPI、オープンソースの3DファイルフォーマットであるgLTFファイルのサポート、顔の表情やアクセサリーをつけたときのプレビュー機能などが含まれます。
また、画像とテキストプロンプトから簡単にアバターを作成する方法も提供する予定です。コントローラの操作や、ハンドトラッキング・上半身の動きと共に表情を変える機能も強化していきます。将来的には正確な顔の表情の再現、まばたきの頻度まで再現することができるようになります。
…様々なセンサーの塊であるVRヘッドセットを用いたアバターのコントロールを意識する、ということですね。アイトラッキングやフェイストラッキングも視野に入れていることがわかります。
アバター電話機能を提供
現在Robloxは、テキストと音声チャットを通じてユーザー同士がコミュニケーションできるようになっています。
RDCで、Robloxは「Roblox Connect」という新しい機能を発表しました。これはフレンド同士がアバター姿のままテレビ電話ができる機能です。
今年後半にローンチ予定のRoblox Connectは、スマートフォンのカメラでユーザーのモーションをキャプチャし、リアルタイムでアバターの動きに変換します。背景にはRobloxのワールドを指定可能。キャンプファイヤーや滝の近くなど、Robloxの世界のなかで会話を楽しむことができます。サンフランシスコの住民は、ロンドンの友人とRoblox上のニューヨークのバーチャルなメトロポリタン美術館を訪れることができます
なおRoblox Connectはオープンソース化されます。
…仲の良い友人とゲームワールドで待ち合わせしなくても、即おしゃべりできるシステム。また家族間で「帰りに大根とネギ買ってきて!」を伝えるのもRoblox上で可能になるわけで、ミニゲームプラットフォーム以外の魅力を作ろうとしているのではと感じますね。
さらに多くのデバイスに対応
Windows、Mac、Xbox、スマートフォン、タブレットに続き、Meta Quest用アプリをリリースしたRoblox。Quest版はオープンベータにもかかわらず、最初の5日間で100万回以上のダウンロードがありました。
あたらしくPlaystation 4/5用のアプリもリリース予定です。
…実は、リーズナブルなタブレットであるKindle Fire用アプリも提供しているんですよねRoblox。そこからのPlaystationプラットフォーム対応。子供が手に取るデバイスを全方位的に攻めているという印象があります。
収益化の方法を増やしてバーチャル経済を成長させる
2022年6月までの1年間、Robloxの開発者は6億8000万ドルものマネーを稼ぎました。世界で最も大きな仮想経済の一つを支えているのがRobloxです。
近年の間にRobloxはさらに拡大し、より多くのクリエイターが利益を得るための多様な方法を導入していきます。
その1つが会話形AIの「Assistant」。RobloxクリエイターがRobloxクリエイティブを効果的に学び、コードを書き、構築するのを助けることを目的としたAIです。今年後半にRoblox StudioとCreator Hubで使用可能に、来年にはRobloxワールドの中で利用可能となります。
このAIツールは、クリエイターの潜在能力を高めることを目指しています。Robloxの既存の生成AIを基盤に、Assistantは新規参入者や経験の浅いクリエイターを支援し、経験豊富なクリエイターが繁雑なタスクを自動化し、プロジェクトをスケーリングするのを支援します。
またマーケットプレイスもRobux(Roblox内仮想通貨)の代わりに米ドルでアイテムの購入/販売ができるように移行する予定です。これにより、プラットフォーム側の手数料がかからなくなります。
…現ナマ、じゃないけど米ドルで直接アイテムが購入できる仕組みとなるのは素晴らしいですね!